12/01/21 11:04:55.09
瑞人と百合子は、戸籍上は異母兄妹だけれども血縁上はほとんど他人。
血の繋がりがないと知る前から、瑞人は百合子を異性としても好き。
画家になることを夢見ていたが繁子(瑞人からすれば義母)からの猛反対で断念した。
出生の秘密を知ったのが原因で、花街へ毎晩通い自虐的なまでの放蕩をしている。(百合子は将来の夢を断たれたため放蕩していると誤解している。)
百合子の身代りに屋敷の借金のかたとして自分の体を売っている。
兄に対する独占欲から花街に行かないでと追いすがる百合子に我慢ができなくなり、瑞人は自分の出生の秘密と抑えてきた想いを告白する。
瑞人の告白を受け容れ、ままごとのような恋人として過ごしているうち、百合子の愛情が純粋な兄へのものでなく、異性への愛情をも含んだものに変化する。
(告白を受け容れず、瑞人に自分への想いを断ち切らせるため斯波【成金】と結婚するバッドエンドもある。)
結ばれるまでが共通。瑞人は、愛撫までは余裕綽々のテクニシャンだが、繋がっている最中にはじめて長年の想いを情感こめて告白してくる。
376:蝶の毒華の鎖 瑞人【兄】エンド
12/01/21 11:12:52.95
デッドエンドその1。
蔵のなかでの兄妹セックスに溺れ切っていると、
閉じ込められたうえに外から火が回ってくる。
もう死ぬとわかって、通常にはない激しさで交わり、中射ししつつ、
兄妹共に幸せの絶頂で死ぬ。
3Pエンド。
瑞人の部屋で筆プレイに興じているところに
幼なじみ(※秀雄【軍人】のこと)が闖入。
口封じ目的で、瑞人が妹を使って彼を逆レイプする。
トラウマ級な筆おろし。
享楽重視のセックスにはしる瑞人の壊れっぷりがすごい。
デッドエンドその2。
深夜に屋敷を爆破、炎上される。
庭にも火を放たれ逃げ場がないとわかった二人は服毒心中。
幸せな来世を脳裏に浮かべながら息絶える。
実は瑞人の願望エンド。
(※ゲーム中には明言されないが、公式設定資料集のSSに描写あり)
グッドエンド。
二人でフランスに行って、瑞人は画家として成功する。
そこでも二人は兄妹として生活しているので、
斯波が百合子を追いかけて求婚してくる。
不安に駆られた瑞人はずっと封じ込めていた願望を口にする。
それは百合子との子供が欲しいというもので、百合子もそれを望む。
(※洋装でも着衣セックス。瑞人の脱ぐシーンは作中一度も出てこない。)
あたたかい家庭を作りたいと瑞人が唯一生きる希望を持つエンド
にもかかわらず、二人が兄妹すぎるので
子供を作ろうとしている背徳感が一番印象に残る。
377:蝶の毒華の鎖 真島【庭師】/背景&真相解明ルート
12/01/21 11:16:26.52
真島は、繁子とその兄との近親相姦で生まれた子供。
つまり、百合子とは異父兄妹。
それが原因で、康之に育ての両親を惨殺され、
本来の目的だった自分だけが重傷を負いながらも生きながらえる。
その復讐のために屋敷に使用人として仕えている。
一連の事件の犯人は真島。
「闇の阿片王」なんて二つ名がある阿片取引の大物。
近親相姦を一番おぞましいと思っているにもかかわらず、
百合子に一目ぼれした。
真島は、早くから展開が分岐するのでエンドでまとめる。
真相にかすりもしませんでしたエンド。
事件について考えていると、阿片でラリった三郎【ブサイク下男】が登場。
身代金目的で誘拐され、乗せられた車がクラッシュ。
それで視力も聴力も失ったから、真島に抱かれていてもそれを知りえない。
それでも、自分と同じ甘い匂いだけは分かる。
だから百合子は幸せにしている。
とりあえずチャイナ服いいよねエンド。
真相解明エンド。
真島の出生の秘密をつきとめ、彼が犯人だと推理する。
百合子は、たった一人で真島と対峙。彼の深い苦悩を知る。
腐った果実の臭いがすると自嘲する真島に、
太陽の匂いを感じていたと擁護する百合子。
真島は、真実を知っても単身で自分を説得にきた百合子を殺すことはできず、
最後に彼女を抱きしめて立ち去る。
恋心を告白しようとした百合子の言葉は塞いだままで。
(真相にかすったけど、力及ばず殺されるエンドもあり)
378:蝶の毒華の鎖 真島【庭師】/復讐続行ルート
12/01/21 11:23:15.40
何も知らず無邪気に自分を慕ってくる百合子に、真島の愛憎は深まる。
そんななか、レイプしようとした三郎を百合子が殺害してしまう。
それをきっかけに復讐を続行。
屋敷に住んでいる他の人間も帰らない状況にして、さらに追いつめる。
最終的には百合子を身売りするところまで貶めるのだが、
そのころには彼女の心が壊れてしまっていた。
―客として百合子の元を訪れる真島。
自分がそうしているにもかかわらず他の男に嫉妬したりもする。
百合子の精神はすっかり退行していて、真実を話しても理解ができない。
永遠に、真島を慕ってくる無邪気で綺麗なお姫様のまま。
憎いけれども愛しい。
真島は、その想いをぶつけるように抱き、涙ながらに愛を告げる。
おまけ。瑞人【兄】グッドエンド上
真島は、百合子との会話で彼女が瑞人を唯一の家族として慕っているのを知って傷つく。
さらに、百合子が瑞人と近親相姦の関係にあることを知り、
瑞人が真島の本業に気付いたこともあって、
屋敷ごと二人を燃やして復讐を終わらせようとする。
しかし、偶然火の手から逃れていた百合子を発見。
攫っていこうとしたら、そこに瑞人が登場。
口論の末に血の繋がりがない兄妹である(真島的に近親相姦ではない)ことを告げられる。
百合子が近親相姦してなくてよかったと思う一方で、
自殺未遂を起こすほどの傷心ぶり。
379:蝶の毒華の鎖 真島【庭師】/復讐未遂ルート
12/01/21 11:30:33.05
真島が復讐しようと思っていた夜、
何も知らない百合子は彼に恋心を告白する。
過去の憎しみよりも百合子への愛しさが勝り、
思わず復讐決行を中止する真島。
それでも近親相姦するわけにはいかないと、
百合子に自分を諦めさせようとする。
そんなシリアスに苦悩する真島に対し、
百合子は開き直って、
世間知らずのお姫様らしいアタックを一途にかけるのだった。
ぎくしゃくした兄妹になりましたエンド。
真島は、百合子と一緒にいることにするが、
恋人としてではなく家族として接することを選ぶ。
自分の過去を全て百合子に明かし、周囲の人間にも自分の妹だと紹介。
阿片王の仕事中には常に彼女を隣にはべらせる一方で、
毎夜商売女を抱くという独占欲と抑圧が伺える兄ぶり。
百合子にとって真島は愛しい男性のままだが、
彼はその想いを受け入れてはくれない。
自分の存在意義が欲しいと努力した結果、
百合子は真島の組織のナンバー2となり
「氷の女帝」という二つ名で呼ばれるようになる。
グッドエンド。百合子のアタックに真島が折れる。
真島は、素直に百合子へ恋心を告げ、
繁子【百合子&真島の母】に実の兄だけど百合子をもらいます宣言もして
ある意味で復讐を遂げる。
その後に泊まった旅館で結ばれる。
おでこにキスしたり、怖がるといけないからとエロを進めるごとに許可をもとめたり、
かなりこそばゆい互いが初恋同士のセックス。
でも、外見が似ていたり互いの甘い体臭に落ち着いたりと
血の繋がりを感じさせる描写もあり。
真島は百合子と事実上の夫婦になる。
兄妹であることも、自分が阿片売買に手を染めていることも
百合子には明かさないまま。
真島にその能力がないので子供もできない。
いつまでも新婚夫婦のような二人。
仕事があるためいつも一緒にいられるわけではないが、
真島は百合子を幸せにするために生きていて、
それを幸せだと感じている。
380:368
12/01/21 11:33:29.49
ごめん>>375に改行するの忘れた
381:いけない名無しさん
12/01/21 12:27:02.27
>>380
乙!面白かったよ
庭師にはなんというかハッピーエンドないのか
あと復讐を続行した理由がいまいち分からないな、買ってやれってことか
382:いけない名無しさん
12/01/21 18:05:51.00
>>369
>>367です
とてもわかりやすい説明ありがとうございました
…男が苦手な主人公をそれなら好都合と男だらけの部活に誘うトウワ
なんたる鬼畜w
そういや体験版でも歌劇編でまで冷たかったな
攻略できるのが信じられない
383:いけない名無しさん
12/01/21 21:46:20.94
>>380
乙!
384:いけない名無しさん
12/02/06 23:17:25.05
>>364
本当にどうもありがとうございました!
385:いけない名無しさん
12/02/08 19:08:00.72
>>381
復讐を続行した理由はゲームでもはっきりしないよ
そこが態度の変わる境目だってことしか
本スレでそれに対する解釈が書き込まれてはいたけれど
私の要約でも面白いと思えるようなら買って損はないと思う
もう買った後かもしれないけどw
386:板の移転議論中@自治スレ
12/03/07 17:15:06.55
蝶毒の斯波のストーリーどなたか教えてください
387:板の移転議論中@自治スレ
12/03/07 23:03:50.99 bYkOJ7WK
age
388:板移転投票実施決定@詳細は自治スレへ
12/03/10 00:38:58.23
>>379
兄様ルート最後の真島の行動はどういう心持ちで何のためだったのか
作中で描写もないし生死も不明のはずでは
389:板移転投票実施決定@詳細は自治スレへ
12/03/10 00:40:22.77
>>378だった
390:板移転投票実施決定@詳細は自治スレへ
12/03/16 18:31:43.89
蝶毒の鏡子さんのストーリー教えてください
391:板移転投票実施決定@詳細は自治スレへ
12/03/16 20:56:01.69
あげ
392:蝶の毒華の鎖 真島【庭師】/一部修正
12/03/24 07:43:15.01
>>388
指摘ありがとう
訂正してみたけどこれで大丈夫かな
>>378の最終行
(百合子が近親相姦してなくてよかったと思う一方で)
自分の手にとれるものではなかったのだと
百合子を見つめながら悲しげに微笑む。
その後、汚らわしいものを浄化するために火を放った屋敷へと
真島自身が駆けていく。
ちなみに、その後の消息は不明だけど生きている可能性が高い
(焼け跡に真島の死体は無く、
真島が手にしていたと思われる野宮家の借金の証書が
野宮兄妹の元に送られてきた描写がある)
393:蝶の毒華の鎖 鏡子ルート
12/03/24 07:44:06.18
百合子は、鏡子に繁子【母】と桔梗の関係を訊ねる。
そこで母の日記があるという手がかりを与えられたものの、
それを探していた蔵の中で何者かに強姦されてしまう。
その恐怖から自分の部屋に引きこもる百合子。
真島も、瑞人も、藤田も、男だということで拒絶反応が起きてしまう。
塞いだ様子の百合子の元を訪れ、自分の屋敷へ連れていく鏡子。
同じように強姦された経験があるからその辛さは分かると百合子を慰める。
あの屋敷は危険だから自分の元にいるといいという誘いにのって
百合子は鏡子と共に過ごすことになる。
鏡子は、破瓜した場所を癒すためだと百合子のなかに毎日薬を塗りこみ
男を喰らうかのような自らの交尾をみせつけて
百合子を教育していく。
自分を犯したのが三郎【ブサイク下男】だったと鏡子から知らされた百合子。
目の前にあるのは、裸のまま縛りあげられ、
その醜悪さをあらわにしている男という存在。
鏡子は、男など摩羅さえあればいいと言い、
可愛らしくて美しい百合子のような女性が好きだと言う。
百合子はそんな鏡子に共感を覚え、
惨殺した三郎の死体を床に転がし、寝台の上で鏡子と交わる。
394:蝶の毒華の鎖 斯波【成金】共通ルート
12/03/24 07:46:03.46
斯波は孤児になって以来、傷つけ合い奪い合うのが当然の貧困の底で生きてきたが、
幼い百合子が深い事情は知らずに、
斯波を追ってきた人間から庇い、泥だらけになった顔を拭うといいとハンカチをあげたことから
彼女と同じ場所に行きたいと思い、必死に努力して成り上がった。
だが、そんな真実を話したら女々しいと思われると考え、
>>368のような求婚をしてしまっている。
斯波のアプローチは性急といえるほどで、
特に百合子から拒絶されると感情が抑えきれなくなり、
無理に口付けたり抱こうとしたりしてしまう。
事業で忙しい間をぬって会いにきているのも、拒絶した瞬間にする悲しげな表情も、
百合子には分かるし、心にも響いている。
それでも、その好意を素直に信じることができない。
そんな折に斯波が鏡子と口付けているのを目撃してしまった百合子。
鏡子にとってはそんなのは何でもないことで
(>>393でもわかるとおり男にそういう意味では興味が無い人)
斯波にとっても元パトロン相手のビジネスライクなことでしかないのだが、
百合子には斯波が自分を弄んで楽しんでいる証拠に映ってしまう。
そして、百合子は他の男との見合いを決心してしまうのだった。
395:蝶の毒華の鎖 斯波【成金】バッドエンド
12/03/24 07:47:10.01
百合子は他の男と婚約する。
それを耳にした斯波は怒り狂い、不吉な捨て台詞を残して去っていく。
その後、それを実行したかのように、婚約相手も自分も借金まみれになる。
しかも、そんななかで瑞人【兄】が女と入水自殺をしたという報せを受け、
その死体を検分して呆然自失の状態にある百合子。
そこに斯波が姿を表し、なおも求婚する。
百合子は斯波が一連の事件の犯人であると思いこみ―
監禁エンド。
百合子は自分も死んで、先に逝った兄の魂と共に両親のもとへ行こうと考え、
瑞人が入水した川へその遺髪を手に飛び込む。
しかし、その行動は斯波を狂気の決断へと追い込むものだった。
斯波は背格好の似た死体を用意し、
表向きは死んだことにして、百合子を座敷牢に監禁してしまう。
自殺しようとしたときに視力を失った百合子は、
事件の犯人が斯波であると誤解したまま抱かれ続ける。
時が経ち、百合子は狂ったように斯波の男根を求めるようになる。
すっかり元の誇りや才気を失った姿を嘆きながらも、
斯波はそんな百合子の体に耽溺する。
まさに後悔エンド。
百合子は復讐を決意し、斯波と結婚する。
やがて、百合子が酒に盛っていた毒がまわり、斯波は死に至る。
復讐を終え、無為に日々を過ごすなかで見つけた斯波の日記。
そこに書かれていた事実に百合子は愕然とする。
そこには、百合子に対する真摯な愛と、
百合子が毒を盛っていたことも知っていて飲んでいたことが書かれていた。
日記の言葉と、斯波が最期に遺した言葉はまるで同じ。
「幸せだ……幸せだ……」
最後のページに綴じられていたのは薄汚れた白いハンカチ。
それを目にしたとたん、百合子の脳裏に斯波と初めて出逢ったときの記憶がよみがえる。
誤解が解けて悔やんでも、もう、斯波は帰ってこない。
396:蝶の毒華の鎖 斯波【成金】グッドエンド
12/03/24 07:48:07.50
見合いはどうなったのかと屋敷を訪れた斯波が過労で倒れ、
百合子は自分の部屋で休ませることに。
(ちなみに屋敷の前で見た真島【阿片王】を警戒した見合い相手は百合子に断りをいれている)
たびたび、夜会よりも前に会ったことがあるような発言をする斯波。
百合子がそれを訊ねると、斯波の口から百合子との出逢いとどれほど彼女を想ってきたかが明かされる。
例によって先走ってしまう斯波。
しかし、その想いを知った百合子は彼を信じ、その身を捧げる。
行為が終わった後、斯波は再びプロポーズする。
条件をつきつけるのではなく、ただ自分と結婚してほしいと。
しかし、百合子が堂々と恋愛し幸せに結婚するのを許せない真島は、
彼女を攫い、貶めようとする。
それを追って助け出そうとする斯波が作り出した隙に乗じて、
百合子は車中から海へと飛び込む。
自分を貶めようとするものに抗うために。
斯波の必死の救出により一命をとりとめた百合子は、
無事に斯波と式を挙げ、夫婦となる。
斯波が実は自らと同じ境遇の子供を無くすために尽力していると知り、
百合子もまた金儲けが卑しいという認識をあらため、彼を支えていく決心をする。
百合子を毎晩愛しぬくと誓い、何度も抱く斯波。
斯波のことは愛しているが、この萎え知らずの男の相手を毎晩するのかと思うと、
百合子はほんの少しだけ不安になるのだった。
397:板移転投票実施決定@詳細は自治スレへ
12/03/24 07:48:27.66 zTg5o0LK
ろくにプレイしていないキャラだから
うまく要約できなかった
長くなってしまったのに、大切な部分が抜けてるかもしれないので
誰かフォローよろしく
398:板移転投票実施決定@詳細は自治スレへ
12/03/24 23:01:50.10
>>397
横だが乙です
ちょっとだけ補足しますね
監禁エンドの正式名は「座敷牢の恋人」
視力を失った百合子の官能を高めるためか、乳首には鈴がくくりつけてある
快感にのたうちまわるたびに、座敷牢に鈴の音が響く
狂ったように激しく交わる二人
快楽の終焉を迎えるとき、百合子は斯波ののど笛を噛み切りたい衝動に駆られるが果たせない
月のものが止まったのを自覚した百合子は、腹の子はどうなってしまうのか・・・、と不安におののきつつ物語は終わる
グッドエンドの正式名は「優しい男」
百合子の態度などお構いなしに、ある時は強引に、ある時は不敵に、そしてまたあるときは誠実に求婚し続ける斯波
百合子と結婚できるなら、たとえほかの男の影があってもまったく気に掛けない
それほどまでに斯波が執着する理由は、斯波グッドルートで明かされる
どん底の少年時代追手から逃げているとき、幼少時の百合子に匿われたこと
そのことが忘れられず、百合子から渡された白いハンカチを、斯波はずっと大事に持っていた
斯波は徒手空拳から実業家に成り上がり、華族の求婚者としての体裁を整えた
その思い出を打ち明けられ、百合子は初めて斯波に身を委ねる
自分もうろ覚えなんで補足が完全でなくてすみません
399:板移転投票実施決定@詳細は自治スレへ
12/03/26 01:14:25.05
黒と金の開かない鍵の弟ルートお願いします。
400:板移転投票実施決定@詳細は自治スレへ
12/03/26 19:01:03.65
>>393~>>398
どうもありがとうございます。蝶毒買ってプレイしてみます!
401:解決まとめ1/2
12/03/28 19:17:56.54
【あ行】
赤ずきんと迷いの森:きつね >>355
Under the Moon:隠しC(乱交)ED>>43/???(キャラ名)>>47-48/カイル純愛>>109,C愛憎Bad>>185
いじわるMyMaster:基本の流れ>>139/アインス>>99/リュカ>>140-141/隠し>>146-147/エヴァンス>>155
デルタ(ハッピーED)>>179-181,(バッドED)>>202/レオン>>210->>214
王宮夜想曲:エドガー >>364
【か行】
銀の冠碧の涙:和泉亮 >>174/浅野泰博 >>276-279/谷村慎一郎(鬼畜ED) >>283-284
クレイジーラビッツ~別れさせ屋の兎桐事務所~:卯乃屋恭介(バッドED)>>315-319
黒と金の開かない鍵。:園村郁人 >>291
【さ行】
仁義なき乙女:那由多龍(天国できっとED)>>97/家族ED>>112-113
朝生義之(うそつきED)>>178/幸せのスミレED)>>325-327/(白に還すED)>>328-329
(一粒の涙ED) >>330/(私の幸せED)>>331
天音京吾(届かぬ叫びED)>>178
Step-二人の関係は一歩ずつ-:楢崎浩太>>65-68
すみれの蕾:学園編の設定 >>369
402:解決まとめ2/2
12/03/28 19:18:28.30
【た行】
蝶の毒華の鎖:共通展開 >>368/瑞人 >>375->>376/真島芳樹 >>377-379>>392/天海鏡子 >>393/斯波純一 >>394-396
月ノ光太陽ノ影:甲斐聡(妊娠ED)>>18/周藤信彦>>87/一輝>>121/智也>>233>>267/遊佐>>262/3Pルート>>264-265
月ノ光太陽ノ影-Another Moon-:甲斐聡>>77-81/一輝>>104/遊佐拓海>>188
つばさの丘の姫王:ペチュニア >>305-306
ツンデレ☆S乙女:奈木颯也(時の番人ルート)>>236>>238
デザートラブ:結城一臣>>28>>30
【は行】
バトラーズ~召しませお嬢様~:右京真治>>297
ブラザーズ~もっと恋するお兄様~:春日雪斗>>175/春日総一郎 >>293-294/春日由鷹 >>312-313
プリティ☆ウィッチ☆アカデミー!:アキト >>359-361
星の王女:立花和希(先に希望もない死にED・全キャラ攻略後のオマケ兄ED)>>11
星の王女~宇宙意識に目覚めた義経~:喜三太>>74/佐藤継信>>127-128/佐藤忠信(歪んだ楔ED)>>227
【や行】
夢をもう一度:雪村繪>>12-13/ストーカー(中田正義)ED>>17
夢をもう一度 幸福の風:秋元健二>>33
【ら行】
ラヴァーズコレクション:村田俊哉>>93
リドル・ガーデン:オーランド(全体の真相も含む)>>246-255
Love☆Drops:佐倉智哉>>35
403:未解決まとめ
12/03/28 19:20:04.51
【あ行】
赤ずきんと迷いの森:狼さん
【か行】
クレイジーラビッツ~別れさせ屋の兎桐事務所~:卯乃屋恭介(グッドED)/稲葉拓巳
【さ行】
Step-二人の関係は一歩ずつ-:八口一
すみれの蕾:トウワ
【た行】
蝶の毒花の鎖:藤田均
つばさの丘の姫王:ダウス
Dessert Love~彼とのはじまり~:榊誠司
といろ小町~紅に染まるそのときまで~:サリィ
【は行】
Pretty flap~ショコラテイスト~:霜月海(出来たら日本帰国理由も)
星の王女3:おおまかなストーリー/アマテラス
星の王女~宇宙意識に目覚めた義経~:佐藤忠信(歪んだ楔ED除く)/後白河法皇
【ま行】
memories:十津道也
【や行】
夢をもう一度:一姫真矢
【ら行】
ラヴァーズコレクション:北村直樹(輪姦ルート?)
Love☆Drops:ユーゴ
ロイヤルズ~誘惑の王子様~:サイード
間違いなどあればどなたか補完よろ
404:板移転投票実施決定@詳細は自治スレへ
12/03/29 13:49:17.70
>>401-403
まとめ乙!
未解決も結構あるんだな
405:板移転投票実施決定@詳細は自治スレへ
12/03/29 18:49:32.01
>>401-403
乙
ついでに支援age
406:板移転投票実施決定@詳細は自治スレへ
12/04/05 18:19:04.21 ap1vkCAC
>>401-403
乙です
>>399 ではないんですが黒と金の開かない鍵の弟
トゥルーエンドしか説明ないのが気になるので
他のエンドのネタバレもお願いします
407:黒と金の開かない鍵・弟ルートBAD集
12/04/05 21:20:39.84
>>406
プレイは結構前にやったので
起動してたしかめてるけど前提が間違ってたらごめん
あと文章力がないので人称とかは補完してほしい、メンゴ
・BAD
「哀しく歪む顔」
弟とギクシャクしている奏(ヒロイン)は透央(チャラくなった同級生)に「お互い元通りになりたい」と相談する
すると朝早く透央がやってきて「お前が好きだ」とややレイプっぽくHする
やめてという奏だがこれは弟からの提案だという「郁人は姉離れしたいんだと思う」
弟は部屋の向こうからそれを見ている。どうしてそんなに哀しい顔をしているのどうして―、で終了
「隠されたもう一つの顔」
弟の自慰を見たけど放置し、元の騒がしい日常が戻ってきたと思った奏
そんな時弟が毎日朝食を作ってるんだけど、たまには料理の一つでも作れよと言う
透央は料理を食べたいというし、確かにたまには手伝わなくてはと思いキッチンで卵焼きを作ろうとする
そこで弟が手伝ってくれるかと思いきや後ろから抱きしめて下着ずらして弟が悪戯
「俺の見たんだからあんたもさせろ」「もっと早くこうしていれば良かった」と言動はレイプっぽいが指入れるだけ
最後に濡れた指を「姉貴卵割るのに失敗しちゃって」と見せつける、いたたまれなくなった奏はその場から逃げる
しかしもう弟から逃げられないだろうという独白で終わり
トゥルーと対になってるBAD
「禁忌の扉」
「お兄さん」との語り合いでトゥルーなら本来は目覚めて「郁人が好き」というのだけれど
こっちはそれがなくて勝手に寝ている部屋(郁人と奏は部屋に別々に鍵をかけている)に入り込んで
押し倒して寝ている自分にキスをしてた郁人に驚いて奏は「やめて」と言ってしまう
それにプッツンしてしまった郁人はそのまま奏をレイプ、奏は処女だったので郁人は「指咥えてみてなくて良かったぜ」とせせら笑い
「姉貴が悪い、俺の気持ちをずっと無視して…」という、奏も「ごめんね、郁人」と元のネガ思考スパイラルに…
ゲーム開始前のダメな姉と完璧な弟に戻った二人、奏はもともと引きこもりだったので郁人は奏をプチ監禁(自宅だけど)
ふたりでH三昧の壊れた日々を続けるのでした
黒と金の開かない鍵とは姉弟互いの部屋の鍵(キャラによってこの鍵の意味は違うが郁人ルートではそういう流れ)というオチでした
408:クレイジーラビッツ~卯乃屋GOOD1
12/04/06 00:32:16.54
横だが>>407乙
それでは自分も未解決のクレイジーラビッツ~別れさせ屋の兎桐事務所~卯乃屋GOODを書いてみる
それまでの流れは>>315-316参照
不知火に食事に誘われる場面でGOODの「卯乃屋に相談」を選択
仕事の途中なので卯乃屋に相談しようと電話をかけるが、コール音のみで電話に出ない
主人公はやきもきするが、不知火は主人公の気持ちなどお構いなしで強引に電話を切り食事に誘う
不知火の作った本格的なフレンチに感激する主人公
食事が進み、ワインも勧められるままに飲むうち、主人公は不知火に告白される
依頼者との恋愛は厳禁だと言っても、依頼期間が終わればいいんだろう、と引く気配がない
不知火の口説きにほだされそうになった時、タイミングよく卯乃屋から電話がかかってくる
電話で卯乃屋に不知火と会っていること、またストーカーが出没したことを説明する
すると、卯乃屋は一瞬黙り、事務所にすぐ戻るように指示を出す
名残惜しそうにする不知火にドギマギしながらも指示に従う主人公
事務所に戻った主人公は、不知火のことで心が揺れつつ寝入ってしまう
それを見た卯乃屋はそっと毛布をかけるのだった
次の日、不知火のストーカーについて、兎桐事務所の面々で作戦会議を行った
ストーカーの好みの男を演じる、という卯乃屋の言葉にチクリと心が痛む主人公
しかし卯乃屋は好きな男を脅すような人間に情けをかける必要はない、という
卯乃屋はストーカーの家の鍵を入手し、不知火の秘密を探ってくるように指示する
単独で行動しなければならない重大な任務に責任を感じる主人公だった
主人公は緊張しながらストーカー宅へ潜入し、捜索を開始した
不知火の写真やポスターで埋め尽くされ、執念を強く感じさせる部屋に寒気を覚える主人公
さまざまなところを捜索するものの、いっこうに秘密らしきものはない
クローゼットを開け、一番下の引き出しに隠されたものを見て、主人公は息を呑んだ
そこにあったものは、不知火が殺人を犯した瞬間の写真。殺されたのは、失踪したグラビアアイドル
血まみれの男物のストール。不知火の手帳。そして、ビニールに入った白い粉
背後に人の気配を感じた時、そこには不知火が立っていた
不知火は殺人の証拠隠滅を図るため、主人公を尾行しストーカー宅まで来たのだった
先日口説かれた時の優しい顔が嘘のように、恐ろしい本性を現す不知火
なぜ殺したのか、問う主人公に、売春と覚せい剤をやめると言ったから、と答える不知火
不知火は従えたヤクザに主人公を縛らせ、証拠を取り上げて拉致する
409:クレイジーラビッツ~卯乃屋GOOD2
12/04/06 00:43:32.87
埠頭の倉庫まで連れてこられた主人公
不知火を筆頭に男どもは、ストーカーは殺して山に捨て、主人公は薬漬けにして売春させようと決める
透明な液体を満たした注射器を見せられ、まさに薬を打たれようとしたその時
卯乃屋と因幡が主人公を救いにやってきた
嬉々としてトンファーをふるい、男どもを倒していく卯乃屋。主人公を人質に取ろうとする男は、因幡によって倒される
高みの見物を決め込む因幡に、主人公は卯乃屋をサポートしないのかと聞く
下手に助けると好物のアイスを冷蔵庫から出して放置するいやがらせをするから、と説明する
二人とも小学生か、と呆れる主人公だった
そうこうしているうちに、卯乃屋はすべての男を倒していた
警察が来て不知火は逮捕された。バックの暴力団もいずれメスが入るだろう
ストーカーを一週間以内に見つけたら勝ち、という不知火との賭けが成立しなくなって、悔しがる卯乃屋だった
その日の夜。月明かりの下、事務所で一人ビールを飲む主人公。そこへ卯乃屋が現れ、杯を共にする
いろいろと離しこむうちに、いい雰囲気になり、卯乃屋にキスされてしまう
が、卯乃屋の態度がおかしい。しばらく考え込んだ挙句に「好きだ」と告白する
また二人の唇は合わさり、今度は深いキスへ
ひとしきり唇をむさぼった卯乃屋は「いいのか?抵抗しないとこのままヤるぞ?」と囁く
「世界で一番の口説き屋に抵抗できるわけがない」と答える主人公。そのまま二人は肌を重ねる
<卯乃屋Hシーンセリフ集>
「ダメだ。いまさら、逃がさない」
「なんでかな。何人ともこうしてきたのに、今日はたったこれだけですげえ興奮する」
「お前でもそういう声、出せるんだな」
「すげえ、色っぽい。もっと聞かせろよ」
「立ってきた。かわいいぜ、おまえのココ」
「待たない」
「ほらこうして、……うん、いい眺めだ」
「お前の胸、ドキドキしてるのが伝わってくる」
「コレ、触ってみろよ」
「これでお前の中をいっぱいに満たしてやるよ。イイとこ、たくさん突いたり擦ったりしてやるからな」
「言葉で責められるのも好きみたいだな。やらしいな、お前は……」
「もっとたくさんかき回してくれ、ってヒクついてねだってる」
「ほら、ココだろ?すごいな、ココ。こうやって擦るとぐいぐい締め付けてくる」
「こうしてみてるのも楽しいが……そろそろ俺も我慢の限界だ」
「力、抜けよ」
「っ……、そんなに動かすなよ。焦るな」
「くそっ、たまんねえな。お前最高だ」
「もっとして欲しいか?言えよ、お前の欲しいのは誰だ?」
「もっと乱れろよ。全部、俺の前にさらけ出せよ」
「俺も……、我慢できそうにない……っ」
「好きだっ……!」
「大丈夫か……?悪い、手加減できなかった……」
そして、二人が結ばれた後、兎桐事務所は社内恋愛禁止のため、主人公はキリコの事務所で働くようになった
卯乃屋と籍を入れた主人公は、第一子を妊娠中
幸せをかみしめる主人公に、子供が産まれたら結婚式をしよう、と言う卯乃屋
卯乃屋が複雑な家庭に生まれ、親とも音信不通なことを知っている主人公は驚く
自分が父親になることで、親との関係も考え直そうとしている卯乃屋をいとおしく思う主人公
二人の幸せはまだまだ続くことを予感させつつ物語は終わる
410:板移転投票実施決定@詳細は自治スレへ
12/04/06 20:15:24.50
乙!ついでにage
411:板移転投票実施決定@詳細は自治スレへ
12/04/08 23:15:24.91
リクエストのあった蝶毒藤田ルート書いてみました
共通展開については>>368参照
ゲーム内の時系列に沿って書いたため、バッドエンドが先になってます
バッドがきつく、かつ公式からも変態度は群を抜いている扱いの藤田なため、文字だけでも駄目だという方は最後の方だけ見てください
412:蝶の毒花の鎖 藤田ルート1
12/04/08 23:20:12.64
藤田は、百合子が幼いころから野宮家に仕えていて、よく百合子にチョコレエトなどのお菓子をくれていた。
現在は、野宮家の家令として、傾いた家を何とかしようと奔走している。
ある日求婚者の斯波から食事に誘われた百合子は、藤田を供に連れて行きたいと申し出る。
が、そのようなことはできない、とにべもなく断られる。
帰宅後、藤田は百合子の申し出を断ったことを詫びる。
「家来が主人と食卓を供にする僭越なことはできない」という藤田に、百合子は「一緒に食事をしましょう」と命令する。
困惑する藤田をよそに、藤田にもっと近づきたい百合子は、自分たちの身分を知られないところへ、一緒に遊びに行こうと誘う。
どうせ自分はいつかは嫁いで、藤田とは別れてしまう。そんな気持ちから、そういったのだった。
屋敷に来た鏡子の話に衝撃を受ける百合子。
落ち込む百合子に、藤田がホットチョコレエトを作って慰めようとする。
もっと鏡子の話を聞いてみたい、と思う百合子だったが、なぜか藤田は賛同しない。
よくない評判のある鏡子と親しくしてほしくない、という藤田に、百合子は癇癪をおこす。
癇癪を起こすほど元気になった百合子を見て、安堵する藤田だった。
斯波に天海家の食事会に誘われるが、百合子はあっさり断る。
そして藤田に、以前言っていたとおり、一緒に外出しようと誘う。
困って、その申し出は受けていないという藤田だったが、でも拒絶していないという言葉を百合子に返される。
病床の繁子を置いていけないという藤田だったが、女中に任せておこうと説き伏せる。
どうにも煮え切らない藤田の態度に、なら一人で行くという百合子。
仕方なく藤田は折れ、二人で浅草の活動写真に行くことになる。
珍しく和服を着た藤田と浅草までやってきた百合子。
外でも藤田はつい姫様と呼んでしまうが、注意され「百合子さん」と恥ずかしそうに呼び直す。
活動写真の小屋は人でいっぱいだった。
見えない、という百合子を藤田は唐突に背負う。
「子供じゃあるまいし、こんなの恥ずかしい、」という百合子に、「私から見たら、あなたは子供ですよ」という。
背負われて藤田と密着していることで、その体温や鼓動を密に感じる。
また、男くさい藤田の体臭を、なぜかいやだと思わず、いつまでも嗅いでしまう百合子だった。
活動の後、二人は喫茶店にやってきた。
早く帰りたがる藤田だったが、百合子が行きたいとねだったのだ。
アイスクリームを食べながら、百合子の縁談の話になったとき、藤田は少し悲しそうな顔をした。
話題を変えようと、あえて明るく藤田が活動の俳優にそっくりだと話すと、今度はムッとした表情になる。
理由を尋ねると、「異人の姿をしていて良かったことは何もない」と答える。
藤田のことを聞きたい、という百合子に、英国人の血が混じっているだけで平凡な人生だ、という藤田。
「そんなお前が好き」という百合子。
しかし、「男に対して、そういうことを軽々しく言ってはいけない」と藤田にたしなめられる。
ここで分岐
【性格が好き】
【目の色が好き】
413:板移転投票実施決定@詳細は自治スレへ
12/04/08 23:23:43.29
<目の色が好き、を選ぶとバッドエンド「上海愛玩人形」へ>
自分は幼いころからこの目が原因でいじめられてきた、だからこの目が嫌いだという藤田に、百合子は返す言葉がない。
いやなことを思い出させたと詫びる百合子。
身体的特徴はあまり口にしない方が無難、と藤田は忠告する。
間もなく訪れる母の死。部屋にばらまかれた桔梗。しかし、その言葉には意味がないと考える。
そして、三郎が百合子を拉致して暴走する。アヘンで狂った無謀運転の果ての事故。
その事故で重傷を負い、視覚と聴力を失った百合子。
そんな百合子をやさしく扱う謎の男。
どことも知れない屋敷で豪華な料理を食べさせ、美しいチャイナドレスを着せている。
自分と同じ甘い香りのする男は、夜毎百合子と枕を共にする。
男に優しく抱かれ、忘我の時を過ごす、そんな日々に幸せさえ感じている。
もし、自分の視覚と聴覚が戻るのなら、一目この男を見たい、男の声を聞きたい、と思いながら……。
※性格が好きを選ぶ
それを聞いて、藤田は妙な顔をする。
いつもお説教をするからうっとうしがられているだろうと思っていたのに、以外にも百合子は自分のことを考えて忠告してくれていることを理解していた。
感激して、「姫様は本当に大人になられたかもしれませんね」という藤田。
もっと一緒にいたいという百合子に、藤田は「私は、そういう身分の差さえなければ……」と本音を言いかけて口をつぐむ。
深く追及しようとするが、病床の繁子が心配だと遮って帰宅を急ぐ。
もどかしく、拒否されるのが怖いという思いを抱えながらも、もっと藤田と一緒に過ごしたい百合子だった。
帰宅して、藤田は誘ってもらったことへの礼を述べる。
また行きましょう、と声をかけた百合子に答えず、ほほ笑むだけの藤田。
そんな藤田を見るとチクリと胸が痛むのを覚えるのだった。
そして訪れる母の死。火が消えたように静まり返る野宮家。
両親の死に思いを馳せ、それに関わる桔梗について考える。
ここで分岐
【桔梗の名前に意味がある】
【桔梗の花言葉に意味がある】
【意味はない】
<意味はないを選び、ひたすら藤田をいたぶる選択をするとバッドエンド「永遠の下僕」へ>
さまざまな出来事の末に藤田と結ばれた百合子だが、身分のことを考えるとやはり結婚はできない。
そこで百合子は、「お互いのことには干渉しない」を条件に斯波の求婚を受け入れた。
嫁ぐとき、男妾としての藤田を伴って。
数年後。斯波との間に一男一女に恵まれた百合子に、娘時代の初々しさは見る影もない。
公然と藤田とただれた関係を持っている。
藤田など、他の使用人に「奥様の犬」とひそかにあだ名されているが、それを知ってもどこ吹く風。
歪んだ関係だが、百合子は藤田を愛している。そして、藤田も。
巨大な藤田の道具に突かれながら、百合子の乳首から母乳が滴り落ちると、それを歓喜の表情で舐めしゃぶる藤田。
「姫様の乳イ」と狂喜する藤田の、百合子の母乳に対する執着はもはや病的なものだった。
壊れたように乳を、そして百合子を求める藤田。
淫靡な快楽にふけりながら、何度も絶頂を迎える二人。
奉仕される主人と奉仕する犬。その関係はこれからも永遠に続く。
414:蝶の毒花の鎖 藤田ルート3
12/04/08 23:28:57.55
<桔梗の名前に意味があるを選ぶ>
桔梗の意味について考える百合子だが、雲をつかむような話で答えが出ない。
そこへ藤田がお茶を勧めに来るが、そんな気分ではないと断る。
遠慮勝ちに藤田は、なにか百合子を慰めるようなことはできないか、と申し出る。
そこで百合子は、藤田のピアノが聞きたい、という。
一瞬戸惑う藤田だったが、了承し広間で「小犬のワルツ」を披露する。
もともと藤田は、百合子のピアノの教師として雇われたのだが、百合子がちっともピアノに興味を示さないので、別の仕事をするようになり、家令にまで取りたてられたのだ。
ここで、藤田の過去が語られる。
藤田のことをもっと知りたい、家族同然なのに何も知らないのは悲しすぎる、という百合子。
心の底からそう説得する百合子に、遠慮がちに承諾する藤田。
嬉しさのあまり、百合子は藤田に抱きついてしまう。
少し赤い顔をして困り果てる藤田をよそに、嬉しさに満たされる百合子だった。
ある日、百合子は夕食の時間が近づいたので居間に降りてきた。
藤田をあちこち探し回って、見つけたのはなんと厨房だった。
スーツを着込んだ大の男が、レースの襟のついた白いかっぽう着をまとって調理する姿を、ちょっと可愛いと思う百合子。
料理担当の女中が休んだので、代わりに藤田が腕をふるっていたのだ。
料理ぐらい自分でも作れる、なぜそう言わないのかと怒る百合子。
百合子に料理などさせるわけにはいかない、という藤田からおたまを奪い取る。
が、ほぼ完成に近づいた、手の込んだ料理を見て目を見張る。
料理が好きで、以前料理屋で働いていたこともある、と語る藤田に呆れる百合子だった。
できた料理を器に盛ってください、といわれるままに手伝う百合子。
しかし、みそ汁を椀に入れようとして熱い飛沫が手に飛んでしまう。
慌てて百合子の手を握り、流水で冷やす藤田。
百合子は火傷より、背後から抱きすくめる藤田の鼓動が気になって仕方がない。
握られたところが痛い、というと慌てて藤田は手を離す。やっと自分のしたことに気がついて頬を赤く染めている。
その表情の変化に嬉しさを覚える百合子たった。
渋る藤田を説得して、一緒に食卓を供にする。
藤田の料理のうまさに、女としてのプライドが打ち砕かれたと感じる百合子。
百合子の身分では料理などすることはない、その代わりに自分が何でもする、と語る。
なぜそこまで尽くすのか問うと、先代(百合子の父)に恩義があるから、と答える藤田。
一目で異国の血を引くと知れる自分をここまで取りたててくれた恩に答えなければならない、と語る藤田に、百合子の胸は痛んだ。
お互いに、幸せになってもらいたい、という気持ちを再確認する二人。
しかし、主従の線を引いてしまう藤田と、家族も同然と考える百合子の気持ちはすれ違う。
この身に触れず、遠くから見守っているだけの状態に、じれったさが募る百合子だった。
そして、思う。「自分は藤田に恋をしているのだろうか」と。
数日後。母方の祖母がやってきて、百合子に見合い話を持ってきた。
それを知っても、藤田は笑顔を浮かべたまま祝いの言葉を述べるだけ。
その鉄面皮に、次第に憎らしさの感情が芽生える百合子。
この話を受けようかしら、という百合子の言葉にも、決して表情を崩さない。
百合子の心は、藤田に対する感情で荒れ狂う。
恋しい。憎い。相反する心を自分でも持て余す百合子だった。
見合いを終えて帰ってきた百合子を、いつもと変わらず藤田が出迎える。
見合いの最中、藤田のことばかり考えていた、という百合子。複雑な表情の藤田。
そこへ、他の男と見合いしたことに対して、激怒した斯波が乱入してくる。
斯波と言い争う百合子を見ても、藤田は顔色一つ変えない。
見合いは断るつもりだ、という言葉を聞いて斯波は矛先を収め、悠々と帰っていく。
感情をあらわにしない藤田と対照的な、斯波の激しささえ好ましく思う。
どこまでも冷静な藤田に対して、また相反する感情が湧きおこるのだった。
415:蝶の毒花の鎖 藤田ルート4
12/04/08 23:32:59.74
次の日。百合子は天海邸に赴いた。
例の桔梗の謎を解くべく、何か手掛かりはないかと鏡子に尋ねようと思ったのだ。
ちょっとの間だけだからという理由で、行先は藤田に告げずに。
両親の死にまつわる出来事、とりわけ桔梗のついてのことを語り、何か知っていることはないかと聞いた。
鏡子は薄々事情を知っているようだったが、それを聞き出す前に藤田が迎えに来た。
百合子の手をつかんで、強引に車に乗せる。車中の藤田は無言で、運転は荒っぽいものだった。
家に帰っても、やはり藤田は無言で何も言わない。
不安を隠せない百合子に、なぜ黙って出かけたのか、と感情を押し殺した声でたずねる藤田。
「私がどれだけ、心配したと思っているんですか!」はじめて聞く、藤田の荒げた声。
そこで百合子は、藤田が今まで自分を探していたことに気付いた。
二人で言い争うさなか、百合子は藤田への思いを打ち明けてしまう。
動きが止まる藤田。癇癪を起す百合子。そして、百合子にとって初めての口付け。
我に返った藤田は、謝罪の言葉を叫んで走り去る。
一人置き去りにされた百合子は、藤田の行動を理解しかねていた。
翌日。藤田はますます鉄面皮ぶりに磨きがかかっている。
百合子を訪ねてきた斯波は、飽きもせず百合子に求婚を繰り返している。
「あなたと一緒になりたいんだ」と熱心に求愛の言葉をささやく斯波。抱きすくめられ、オーデ・コロンの香りに包まれる百合子。
情熱的な愛の言葉に、いっそ嫁いでしまおうか、とさえ思わせる。
そのとき、ドアの向こうから立ちつくす藤田の姿が見えた。
百合子から視線をそらす藤田。鉄面皮は、あっけなくはがれおちてしまっている。
百合子は斯波から急いで離れた。百合子の具合が悪そうだ、と思った斯波はまた出直すことにした。
今度来たときは求婚の返事を聞かせてもらいたい、という言葉を残して。
斯波か帰った後、茶が間に合わなかったことをわびる藤田。濃密に絡み合う二人の視線。
そこへ兄の瑞人がやってきて、藤田に茶の用意を言いつける。
普段はいないのに、こういうときに出てくる兄を、少しだけ恨めしく思う百合子だった。
斯波のことを聞いた瑞人。その胸元に残る、薄い一筋の傷。
瑞人は、金のために斯波と結婚するのは反対だが、一人の男として惹かれているのなら反対はしない、という。
斯波のことは好きではない。しかし、あの強引さ、不遜さに魅力があるのも事実だ。
結婚しないのか、と問う百合子に、結婚よりも先に金のことを何とかしようと思っていると答える瑞人。
心配しないでいい、という瑞人を不可解に思う百合子だった。遊び歩いている瑞人に、金のことが何とかできるなどと思えない。
そんな思いを振り切り、話題が藤田のことになると、「僕は藤田に嫌われていると思うし……」という瑞人。
家の女中といい仲になり、結果的に藤田の彼女を寝取ったことが何度もあったというのだ。
驚きあきれ、藤田に同情する百合子。昔のことだし、いまでは彼女もいるんじゃないかという瑞人。
そのことに思い当り、自分も権力をかさにきて藤田を苦しめていたのではないか、と暗澹とした気持ちになる。
その後、また兄は金策をしに出かけたようだ。
ここで分岐
【兄に任せる】
【兄が心配だ】
416:蝶の毒花の鎖 藤田ルート5
12/04/08 23:38:31.43
<兄が心配だを選ぶとバッドエンド「秘密倶楽部」へ>
急いで瑞人の後を追う百合子。 藤田が引き止めるのにも構わずに。
着いたところは天海邸だった。その中に入っていく瑞人。
ここで百合子は、天海邸で売春などいかがわしい行為が行われているという噂を聞く。
にわかには信じがたい百合子だが、白人女性と連れ立った瑞人を見てしまう。
百合子は、鏡子に事の次第を問いただす。
日本の習い事をしたい、というロシアの伯爵夫人に瑞人を紹介しただけだ、という鏡子。
安心した百合子は、鏡子が売春の仲介人だといううわさを聞いたと失言してしまう。
その夜、瑞人は帰ってこなかった。
次の日、玄関の開く音に瑞人だと思って出迎える百合子。
しかし、そこにいたのは幼馴染の秀雄だった。路上で倒れて眠っていた瑞人を発見し、野宮家へ連れてきたのだ。
しかも秀雄から、瑞人の体に縄で縛った跡があった、と聞いて驚く。
しばらく瑞人から目を離さない方がいい、という言葉を残して秀雄は去っていく。
そこへ庭師の真島が姿を現した。こういう瑞人の醜態は初めてではない、と真島から聞いて衝撃を受ける。
以前は毎週のように妓楼から連絡が来ていた、と話す真島を藤田がとがめる。
が、瑞人のことなら何でも知りたいと思った百合子は、藤田の言葉を退けた。
気がついた瑞人を問いただす百合子。瑞人は、平然と売春について肯定した。
妓楼での浪費を肩代わりしてくれた芸者が自殺し、首の回らなくなった瑞人は鏡子に相談してあっせんを受けたというのだ。
制止する百合子だったが、瑞人は聞く耳を持たない。
瑞人の部屋を出た百合子は、真島から瑞人が母の着物をこっそり売っていてことを聞く。
再び天海邸を訪れた百合子。鏡子は留守だったが、女中から料亭で百合子を待っていると伝言を受ける。
その足で料亭に向かう百合子。満面の笑みを浮かべて出迎える鏡子。
ムキになって問い詰める百合子に、鏡子は瑞人が身売りをしているのはあなたの身代わりだと答える。
零落した野宮家に目を付けた裏社会の者が、借財をかたにに百合子を見せものにしようとしていたというのだ。
瑞人と百合子の美貌。そして、百合子が持つ甘い蠱惑的な体臭。
瑞人はその身代わりとして、その体を弄ばれていたという。藤田も、それで了解した、と。
自分だけが何も知らなかった。百合子はその事実に裏切られた思いでいっぱいになる。
だったら、自分も皆を裏切ってやるのだ。どうせ、野宮家は落ちるところまで落ちたのだから……。
荒縄で戒められ、天井からつりさげられた百合子。
その身にまとう衣は何もない。ただ、白い眼隠しがあるのみ。
鞭で叩かれ、ひどい扱いを受けるほどに、百合子の香りは強くなる。
目隠しがずれた時、その目は藤田の姿をとらえた。
なぜここにいるのか、と思ったのもつかの間、鞭が与える激痛に思考はかき消される。
百合子が下されると、その体に無数の男女が群がってきた。
そこにあるのは、快楽、凌辱、そして阿片。
百合子の体液にも、甘露とばかりにむしゃぶりつく唇の群れ。
暴力的に犯されながら、獣のように快感を感じる百合子。
「なぜか、そうしている姫様が一番美しい」という藤田の声が聞こえた。
417:蝶の毒花の鎖 藤田ルート6
12/04/08 23:45:10.34
<兄に任せるを選ぶとトゥルーエンド「姫様と執事」へ>
瑞人への詮索をやめた百合子。そこへ藤田が訪れる。
夕食の支度を手伝うという百合子に、それより風呂に入ってほしいという。
意味がわからずきょとんとする百合子だったが、斯波のコロンの香りに嫉妬した藤田は入浴を勧めたのだった。
女のように嫉妬してみっともない、と癇癪を起す百合子。
「私は女々しいんです」と、その言葉を肯定する藤田。
女に裏切られて捨てられるのが恐ろしい、百合子だっていずれはこの家を出ていくのに、なぜそう挑発するのか、と。
過去の女性関係から傷つき、トラウマとなったことから、そういう行動しか取れないのだ。
男らしい斯波より、美しい瑞人より、そんな藤田に惹かれることを止められない。
百合子は、藤田に恋人はいないのか尋ねた。
三年前(つまり瑞人に恋人を奪われたとき)からはいない、こんな自分と一緒になってくれる女性はいない、と自嘲する。
だったら誰にも奪われないように藤田のものにしてほしい、藤田の香りで埋め尽くしてほしい、と自分の気持ちを藤田にぶつけた。
それでも怖気づく藤田。勢いで百合子は尋ねる、昨日の口づけは何だったのか、と。
百合子を恋い慕う気持ちと、主従のはざまで迷う藤田。
そんな藤田を、百合子は抱きしめる。しかしそれでも、「身分違いは不幸になる」という。
藤田の恋人を瑞人が奪った事実を口にすると、ものすごい力で百合子を抱きしめる。
藤田をひどい言葉で挑発すると、とうとう理性が崩壊し、百合子に激しく口づける。
感情をぶつけ合った後、藤田に詫びる。
「好きです、姫様」とお互いの気持ちを確かめ、きっと幸せにすると誓う。
病気で休んでいた女中が帰ってきた。女中の夫は、庭師の真島に似た人を満州で見た、という。
その人物は、阿片売買の大物で、あちらの裏組織とも密なつながりがあるそうだ。
気になった藤田は、女中の夫に話を聞きに行った。
やはりその人物と真島は同一人物だった。満州に現れた日と、休みを取った日が一致していたのだ。
以前から真島をあやしいと思っていた藤田は、その事実を確かめに出て行った。
残された百合子は、真島の部屋に行き、いたずら心から部屋を捜索してみた。
そして、部屋の中から見つけた桔梗。そこへ背後から真島が声をかける。
お仕置きが必要ですね、と真島がとりだしたものは一丁の銃。
百合子が憎い、いや百合子のみならず、いくら殺しても飽き足らないぐらいこの家を憎んでいるという真島。その言葉に慄然とする。
別れの言葉とともに、ほほえみを浮かべた真島は引き金を引いた。
百合子は生きている。助けに来た藤田がかばって手傷を負ったのだ。
余裕の笑みを浮かべる真島に、もうすぐ警察が来る、という藤田。
百合子の両親を死に追いやり、借金のかたに瑞人と百合子を堕落させようとしていた真島。しかし、その理由は分からない。
警察の気配を感じた真島は、「もう会うことはないんでしょうね」とつぶやいて姿を消した。
418:蝶の毒花の鎖 藤田ルート7
12/04/09 00:04:36.82
すべてが終わって、瑞人と語り合う百合子。真島とはいったい誰なのか。そしてその目的は?
答えの出ない問いをするが、瑞人は生返事ばかり。
部屋に戻って、あの夜会の日の真島のことを思い出す。
あの優しい真島が阿片売買の大物だなんて、いまだに信じられない百合子。
そこへ響くノックの音。傷の手当てをした藤田が病院から戻ってきたのだ。
胸がいっぱいになった百合子は、藤田を思いきり抱きしめる。
お互いに、むちゃなことはしないように言いあう二人。
そして重なる二人の唇。今度は、唇のみならず、肌でさえも……。
傷ついた腕を気遣いながら、ようやく二人は結ばれた。
異人の血を引く藤田の道具は巨大で、激痛にさいなまれるが、それでも藤田と結ばれたことに嬉しさを覚える百合子だった。
その後、百合子は斯波の求婚を断り、家を出た。不服そうな斯波、悲しげな瑞人。
ピアノ教師に戻った藤田と百合子は所帯を持った。
相変わらず藤田は百合子を姫様扱いし、家事などとんでもないと百合子にはやらせない。
家を出てから、毎日藤田は百合子を抱いている。それも、百合子が失神してしまうまで、何度も何度も。
勘当同然の扱いを受けているが、あの苦難に満ちた野宮家では、二人が結びつくのもやむを得ない、と考えるものも多い。
その親戚から牛肉の差し入れがあり、ビフテキにしたという藤田。
会話を重ねるうち百合子に男らしくふるまってほしいと言われ、それでは、と藤田は押し倒す。
藤田は、百合子の胸を執拗に愛撫する。乳を飲みたい、という発言に百合子は呆れる。
隆起しきった男根を見せつけ、「欲しいでしょう?」と藤田は尋ねる。
自分の腕より太いもので突かれ、脳髄をとろかされるような快楽を味わう。
事後、いつもより生理が遅れていて、妊娠を予感する百合子。
そんな藤田に幸せか、と尋ねれれ、幸せよ、と答える。
「私の姫様……。永遠に私の姫様です……!」藤田はそう言って、百合子に口づけた。
そしてまた、繰り広げられる快楽の饗宴。
テーブルの上で、藤田の焼いたビフテキがむなしく冷えていた。
以上です。2のタイトル入れ忘れましたorz
うまく要約できず、読みにくい長文ですみません。
419:板移転投票実施決定@詳細は自治スレへ
12/04/11 10:24:06.90
乙です
420:板移転投票実施決定@詳細は自治スレへ
12/04/13 18:45:01.34
>>407
乙です
素早いレスありがとうございました
このスピードで筋がわかる文章がかけるなんて
すごいですね
421:板移転投票実施決定@詳細は自治スレへ
12/04/14 19:49:05.06
蝶毒の女探偵ルート教えてください
422:板移転投票実施決定@詳細は自治スレへ
12/04/14 20:54:17.92
>>421
基本的には>>377の真相解明エンド参照
少しだけ補足
莫大な借金から、とうとう野宮家は爵位を返上した
百合子も今は一庶民として、出版社で働いている
佐和子と結婚した秀雄、ピアノ教師になった藤田、諦めず求婚を繰り返す斯波、まっとうな生業にはついていない瑞人
真相解明した手腕を買われ、探偵社の仲介役となった鏡子が持ち込む事件を解決している
二足のわらじをはく日々を送りながら、いくら斯波に求婚されようと、一生独身を通すだろうと百合子は思う
道端に咲く桔梗。その悲しいまでの青さに、愛した人の面影を重ねながら…
これで蝶毒のバレがないのは秀雄ルートのみになったな。需要があれば投下するが
423:板移転投票実施決定@詳細は自治スレへ
12/04/14 21:33:31.28
>>422
乙です、出来ればお願いします
424:板移転投票実施決定@詳細は自治スレへ
12/04/15 01:23:03.82
>>422
ありがとうございます
そのルートだと秀雄結婚しちゃうのかw
425:板移転投票実施決定@詳細は自治スレへ
12/04/15 19:32:44.40
藤田ルート物凄く詳しいなw
細かい気持ちの変化まで全部書いてあるんじゃないか
>>422
あとは秀雄だけなんで、できれば投下お願いします
426:422
12/04/16 12:27:13.19
遅くなったが秀雄ルート投下しておく
ゲームの面白さの十分の一も伝えられない要約で申し訳ない
誤字脱字等あるだろうが、一つご容赦願いたい
427:蝶の毒花の鎖 秀雄ルート1
12/04/16 12:29:07.76
物語の主人公は野宮子爵家の娘、百合子。その16歳の誕生日に、にぎにぎしく開かれた夜会
家同士の付き合いがある尾崎男爵家の一人息子、陸軍少尉の尾崎秀雄も招かれていた
幼馴染ではあるがやや疎遠となった今、冷たい容貌や態度の秀雄に近づきがたいものを感じる
秀雄と顔を合わせた時、この宴が自分の結婚相手を探すためだと耳にする
結婚について聞かれ、嫌だがしなければいけない、と答える百合子に「手を引いて逃げてやろうか」と言う
冗談だと笑う百合子。だが秀雄は家のことを考えるなら、金持ちとの結婚は義務だと言い切る
家のことをバカにされたと憤る百合子だったが、逆に秀雄こそ自分の家をバカにするなと返す
莫大な借金があるとはいえ、代々続く大名華族の野宮家には、維新以降に家を興した勲功華族の尾崎家を成り上がりと蔑む者がいるのだ
しばらくして、秀雄はさっきのことを詫びに来る
今日の自分はおかしくないかと百合子に聞かれ、「いつもよりきれいだ」と、どもりながら答える秀雄
秀雄の体から立ち上るせっけんの香りに、なぜか泣きたくなる百合子だった
夜会の途中で乱入してくる暴漢。秀雄は血刀をふるって対抗する
あわや暴漢に切り伏せられようとする百合子
死を覚悟した瞬間、華麗に登場して窮地を救ったオーデ・コロンの香る男
それを見て、秀雄は苦虫をかみつぶした表情を隠しもしない
突然屋敷中に響く母の悲鳴。何者かに殺された父を見て、母が上げたものだった。その傍らには青い桔梗
その日以降、野宮家に暗雲が立ち込める
日を改めて、百合子を助けたあの男、貿易商の斯波が求婚に訪れる
金で買われるのは嫌だと百合子は拒否するが、母の繁子は乗り気だ
その日から三日もたたないうちに再び野宮邸を訪れた斯波。斯波は、百合子を外へ食事に行こうと誘う
兄の瑞人はこの縁談に反対で、妹と二人で外出させるわけにはいかない、と条件を付ける
秀雄に付添いを求めると、最初は戸惑うが瑞人に説得され承諾する
428:蝶の毒花の鎖 秀雄ルート2
12/04/16 12:32:19.38
食事の席で、斯波から秀雄の婚約者について初めて知らされた百合子。茫然自失の体で後のことは覚えていない
帰ってきた野宮邸の前で話をする二人
聞けば、婚約者は名門華族白田家の一人娘だという
なぜ話してくれなかったのか、となじる百合子を、ただ幼いころ一緒にいた関係で何でも打ち明けられるわけではないと切り捨てる
冷たくとげとげしい秀雄に打ちひしがれる百合子
秀雄と百合子の縁談が持ち上がったこと、百合子の母繁子が一笑に付したこと、それに怒った親せきが意趣返しに名門の令嬢との縁談を画策したことを話す
百合子は今までの非礼を謝った。秀雄に怒りの色はない。それどころか、「縁談に乗り気ではない」とまで断言する
先日の夜会での出来事を思い出して「どこかに連れて行ってくれないかな」というと、秀雄は驚く
お互いの身の上に持ち上がった縁談を思い、暗澹たる気持ちになる
せつなげな表情の秀雄は、令嬢と結婚しても、他に愛する人がいるから幸せにできない、と打ち明ける
それではお互い不幸になるだけだと返すが、どうせ華族の結婚など体面のためにするものと言われ反論できない
秀雄と結婚できていれば、きっと幸せになれたという百合子
なぜか秀雄は憤り、「結婚は遊びじゃない。お前は俺の子が産めるのか」と真剣に問う
すぐ冗談だ、と秀雄はごまかしたが、その言葉を信じるほどほど鈍感な百合子ではない。そして、その言葉に秘められた意味も。
この日から、百合子は秀雄を幼馴染としてではなく、一人の異性として意識していくことになる
野宮邸を訪れた斯波から、天海家の食事会に誘われる
あまり気は進まないが、秀雄とその婚約者も招かれていると聞いて、百合子の胸はざわめく
穏やかならぬ気持ちを抱えながら、百合子は兄の瑞人と食事会に出かけることになる
食事会当日。政界財界の貴顕淑女が一堂に会し、贅を凝らした食事会に気後れする百合子
斯波と鏡子が交わす当意即妙な会話の最中も、百合子の目線は秀雄を探していた
しかし、意に反して秀雄とその婚約者の姿はない
彼らがいたらいたで平静を保てないだろうが、いないならいないでやにわに不安が募る
宴の途中で、瑞人は帰宅を促す。周囲は儲け話に興じるものばかり。金儲けの亡者だと蛇蝎のごとく嫌う瑞人
秀雄のことを思うと後ろ髪がひかれる思いだったが、正直に打ち明けるわけにもいかず食事会を中座する
帰ろうとする野宮兄妹に、斯波が声をかける。「秀雄の姿を見たが、挨拶だけして帰ってしまったようだ」と
どうやら、婚約者が気分を悪くして食事会に参加できなかったようだ
期待はずれの思いを胸に、百合子は席を立ったのだった
食事会の会場であるホテルを出ようとしたその時、後ろから聞き覚えのある声がかかり、百合子を引き留める
軍服姿のまま息せき切って走ってきた秀雄だった
帰ったのじゃなかったのか、と問う瑞人に、秀雄は「連れの女性が気分が悪くなったので、部屋を取って休ませていた」と答える
再び百合子に帰宅を促す瑞人だったが、秀雄と話がしたいとやんわり拒否する
瑞人は、百合子が食事会に来た目的は秀雄のようだ、と図星をさして先に帰宅する
夜の銀座のにぎわいの中、居心地のいい沈黙に満たされたままそぞろ歩く二人
秀雄の婚約者について話しているうち、いかに自分がおてんばなのか思い知る百合子
しかし、秀雄はそんな百合子を好ましいとみている
そうして語らううちに、遠かったお互いの距離が縮まるような気がした
秀雄は打ち明ける。「自分が冷たいのは意地を張っていたからだ。百合子にとって、自分は不必要な存在に思えて」と
この瞬間、二人の間にあった見えない壁は打ち砕かれた
頬を染め、急いでさっきの言葉を打ち消す秀雄。本心とは裏腹な言葉が泳ぐ
夜の街に生暖かい風が吹く。立ち尽くし、お互いを見つめあう二人
秀雄と交わす会話、そして、秀雄と共に過ごす時間。この瞬間も、言い知れぬ幸せを感じる百合子だった
429:蝶の毒花の鎖 秀雄ルート3
12/04/16 12:34:22.93
そして訪れる母の死。母を死に追いやった桔梗。百合子も悲しみに打ちひしがれ喪に服す
それから、秀雄はしばしば野宮家を訪れるようになった
百合子も、それを福音のように感じている
母の死からひと月近くたった時、秀雄は一つの提案をする
知り合いから浅草のオペラの券をもらった、そろそろ家から外出してみればどうか、というのだ
秀雄の婚約者に罪悪感を抱きながらも、気遣いに感謝して提案を受け入れる
浅草は大変な人混みだった。はぐれないように秀雄に手を握られ、心が温かくなるのを感じる百合子
オペラが終わり、食事をしようと誘う秀雄。婚約者のいる秀雄に依存してはいけないと戒めるが、百合子の心のタガは緩んだまま
もう少しだけ秀雄と一緒にいたい、と思う
その時、人込みから響く男の声。秀雄の同僚の軍人だった
酔いの回った軍人は、百合子と秀雄の仲を下卑た言葉で揶揄する
憤然として鉄拳をふるう秀雄。たちまちあたりは大混乱になる
軍人同士のけんかを、百合子はただ見ているだけしかできない
秀雄は百合子を人力車に乗せて家に帰るよう指示し、駆けつけてきた警官に出頭したのだった
浅草の事件から数日後、相も変わらず不遜な態度の斯波がやってきた
そして、秀雄が例の件で謹慎を命じられたと聞く
斯波が去った後、いてもたってもいられなくなった百合子は、ささやかな見舞いの品を持って、尾崎邸を訪れたのだ
部屋に通された百合子。秀雄は傷だらけだったが元気そうだ
部屋には秀雄が昔から好きだった鳥類の剥製、そして動物学の書物が並んでいる
秀雄の幼少時代を思い出し、しばし思いを馳せる百合子
浅草の件で百合子は謝罪するが、秀雄は「お前のせいじゃない、お前との仲を馬鹿にされるのが我慢ならなかった」と答える
その言葉に意味を問おうとした時、女中がドアをノックする。秀雄の婚約者がもうすぐ来る、と
帰ろうとする百合子の腕をきつくつかみ、秀雄は屋敷を出て近くの河原にまでやってきた
婚約者と会うより、百合子と会っていた方がいい、と胸中を吐露する秀雄。我知らず、百合子の胸は高鳴る
燃えるような夕焼け空の下、百合子に請われた秀雄はぽつぽつと婚約者のことを語る
婚約者の名は白田佐和子。由緒正しい名門白田侯爵家の一人娘
そんなことを語りながらお互い無言になった時、写真屋が一組の男女を撮影する声が聞こえた
百合子は、幼いころの秀雄との思い出を語る。バツの悪い思い出話に、不機嫌な表情になる秀雄
その時写真屋が二人に歩み寄り、秀雄と百合子も写真を撮ってはどうかと勧める
未婚の男女が共に写真に写るということがない時代、それは恋人同士か夫婦であることを意味する
「ひとつ撮ってみるか」という秀雄の誘いに、百合子は迷いながらも承諾してしまう
撮影後、秀雄の顔がぼろぼろだ、と笑う百合子
傷だらけなのに、よくも写真など勧めたものだ、と
秀雄に引き寄せられ、急に視界が暗くなる。そして、百合子の唇に重ねられた秀雄の唇
心臓は早鐘を打ち、頬は紅潮している。恐ろしいまでの幸福に満たされる
初めての口づけ。お互いに別の相手と縁談があるというのに
それまでの甘い空気はどこへやら、罪悪感を感じた百合子は秀雄と口論になる
そして、けんか別れした百合子は夢中で屋敷まで帰る
遊びで口付けなどできない、生真面目な秀雄。その秀雄をどうしようもなく愛してしまった百合子
この状況にどう片を付けていいかわからない百合子だった
430:蝶の毒花の鎖 秀雄ルート4
12/04/16 12:38:04.97
数日後。百合子は鏡子の訪問を受ける。
元気がないのを心配した斯波が牛鍋を食べさせたいと言っていたと、鏡子から外出の誘いを受けるが、無論瑞人は反対する
鏡子なら両親の死に関わる謎、とりわけ桔梗について知っていることがあるかもしれない、と百合子は承諾する。しぶしぶ瑞人も同伴する
外出先の料亭で斯波と合流する三人。既に斯波は出来上がっている
斯波は百合子に、秋草が描かれた金蒔絵の鼈甲櫛を送る
高価な品を送られても困ると拒否するが、斯波は強引に百合子の髪に櫛を付ける
それを見て似合うとはしゃぐ鏡子。仕方なく似合っていると認める瑞人
鏡子は、斯波はシベリア出兵が決まって儲かっている、もっといろんなものをねだってしまえとけしかける
酒が進み、桔梗のことは聞きだせる雰囲気ではなくなっていた
百合子は、食事の間も秀雄のことばかり考えてしまうのだった
その日の夕方。ようやく野宮邸を訪れた秀雄
憎まれ口を聞く百合子に、秀雄は話をしようと庭に出る
硬い表情の秀雄は、百合子と結ばれるためにシベリア出兵に志願したと告げる
戦争未亡人の再婚は難しい。秀雄のシベリア行きを聞くと、白田家は婚約を破棄してくるだろう、と目論んでそういう選択をしたのだった
秀雄はなおも続ける。斯波か、あるいは他の誰かの男と結婚する百合子を見たくなかった、と
だが、秀雄自身が戦死してしまう可能性もないとはいえない
茫然とする百合子に「万が一の時はこれをくれた男に頼れ」という秀雄
斯波からもらった櫛を、うっかり髪に差したままにしていたのだった
何もかも一人で決めてしまった秀雄に怒りが募る百合子。感情のままに言葉をぶつける
罵り合いのさなか、秀雄が好きだと口走る百合子。それを聞いて一瞬秀雄の頬が染まる
秀雄も、「俺でなければ、あの物好きな成金以外にお前の相手はいない」と返す
どさくさにまぎれ、お互いの気持ちを告白してしまった
泥沼の口論がしばらく続いた後、呆れて背を向け、別れの言葉を口にした秀雄。
自分はどうするべきなのか。焦燥感にさいなまれた百合子はある行動に出る
【諦める】→白エンドへ
【追いかけてひっぱたく】
秀雄を追いかけ、その頬に平手打ちをお見舞いする百合子
茫然とする秀雄に、百合子は怒りに任せて秀雄をなじる
百合子のためを思っての苦渋の決断を非難され、秀雄も怒りが募る
後は売り言葉に買い言葉。二人の大声を聞きつけた真島が仲裁に入る
「残された時間が少ないなら喧嘩しないでください」という真島。その言葉に我を取り戻す二人
秀雄は後日出直すといい、野宮家を去って行った
その時、秀雄が落としていったものがある。例の、河原で写した二人の写真だ
写真を胸に抱きながら、百合子は秀雄の帰還を毎日祈ろうと決意する
翌日。軍服姿で野宮家を訪問した秀雄。無言のまま絡み合う二人の視線。こみ上げる様々な感情
やがて秀雄は口を開いた。「浅草に行って、十二階に上りたい」と
「この国を覚えておきたいんだ」という秀雄の言葉に、百合子は従う
十二階の屋上で、秀雄に肩を抱かれ、周囲を見渡す百合子
他愛もない話をしながら、物悲しさがこみ上げるのをどうしようもできない
絶対帰ってきて、と言われ、「俺は帰ってくる。絶対帰ってくる」と誓う秀雄
二人は固く抱き合い、お互いの唇を求めあった
秀雄は震える声で「お前の全てを見せてくれないか」と願う
その言葉に秘められた意味を理解したうえで、自分も秀雄を感じたい、と答える百合子だった
ふと、あの夜会の夜を思い出す。あの時も、秀雄に連れて行ってと答えたことを
あのときは戯れだったが、今となっては、秀雄と真剣にどこかへ逃げてしまいたいとさえ思う
ただの幼馴染から、一人の男性として愛するようになったのは、百合子にとってごく自然な流れだったのだ
431:蝶の毒花の鎖 秀雄ルート5
12/04/16 18:22:42.38
うらぶれた待合に入り、夢中で口づけを交わす二人
あらゆる所へ口づけをしながら、愛の言葉を囁く
いつしか口付けだけでは飽き足らず、お互いの肌を求めるようになる
秀雄は経験がない様子で、女の帯の解き方もわからない
そのことに驚く百合子。秀雄は瑞人よりも年上で、既に経験があると思い込んでいたのだ
しかし、潔癖で女にだらしない瑞人を嫌っていた秀雄は、そういう誘惑も一切断っていたのだろう
その幸福に酔いしれる百合子。ぎこちないながらも、二人はお互いを高め合う
隔てるものがなくなったとき、重なる肌と肌。溶け合う心と心
事後、秀雄と枕を並べながら語り合う。百合子のために秀雄は出征する。その事実を重く受け止めながら
かすれる声で「俺を待っていてくれるか」と問う秀雄
泣きぬれる百合子に「お前と俺はもう夫婦だ」と告げる
時間の許す限り、固く抱きしめあう二人だった
秀雄はシベリアへと出征した。百合子の耐える日々が始まる
数日後、秀雄からの手紙が届く。はやる心を抑えて開封する百合子
そこには几帳面な文字でシベリアの大地、軍の様子などがつづられていた
文を読み進むうち、二人で撮ったあの写真をなくしたから別のものを送ってほしい、と秀雄の希望が書かれていた
さっそくいいものがないか引き出しを物色する百合子
その中に、一年ほど前に使用人と撮った写真があり、自然な表情をしているそれを送ることにした
自動車の音が外から響き、藤田が来訪者の名を告げる。「白田佐和子様です」と
緊張の面持ちで佐和子と対面する百合子。美しいが表情の変化に乏しいその顔からは、なにも窺えることができない
突然の来訪を詫びる佐和子。単刀直入に秀雄のことを切り出す
百合子にとって、秀雄はどんな存在かを問われたのだ
【ただの幼なじみ】→うそつきエンドへ
【大切な人】→鳥エンドへ
正直に、幼馴染として、そして一人の男性として大切な人だと答えた百合子
秀雄に恋をした佐和子は、百合子がどのような女性か確かめ、胡乱なものなら二度と秀雄に近づけないようにするために来たのだった
嘘いつわりのない誠実な心を感じ取った佐和子は、目尻に涙を浮かべて敗北を受け入れる
聞きたいことは聞いた、とばかりに佐和子は茶も飲まずに帰っていく
秀雄のこと、佐和子のことで千々に心が乱れる百合子だった
そしてまたやってきた斯波。伊達男らしく、赤い薔薇の花束と贈り物を持って
求婚を断った百合子を、軍人のことかと言い当てる斯波
斯波は、たとえ恋人がいようと、百合子を妻にさえできればいいとうそぶく
身分目当ての求婚だと受け取り鼻白む百合子
秀雄の存在を知ってもなお諦めない斯波に困惑していると、いつの間にか訪れた鏡子が助け船を出す
全力で警戒する斯波をさておいて、鏡子は百合子に尋ねる。「白田家の佐和子さんが来たのね」と
聞けば、佐和子は無断で家を出奔し、どこへ行っていたか尋ねられても答えないという
白田夫人から相談された鏡子は、秀雄との縁からここに来たのではないかと思ったのだ
込み入った話になるから、野宮家来訪の件は内密にしておく、という鏡子
そして、鏡子から帰宅した佐和子が婚約解消を口にしたことを知る
秀雄を愛しているにもかかわらず、二人の間に割って入ることはできない、と知るや身を引いた佐和子の潔さに打たれる百合子
話は変わって鏡子は、白田夫人が古書収集の趣味があること、亡き母の繁子も読書家だったこと、
母の書物を買い取る仲介をすることなどを伝えて去っていく
瑞人に相談すると、どの本を処分するかは百合子が決めればいい、という
百合子は、真島に蔵の整理を手伝ってほしいと願う。繁子の品を整理すると聞いて、一瞬動きが止まる真島
了承した真島から、秀雄の消息について聞かれ、手紙が来た、と答える百合子
真島に励まされ、胸に熱いものがこみ上げるのだった
432:蝶の毒花の鎖 秀雄ルート6
12/04/16 18:29:00.21
その夜。まどろむ百合子は、窓から見える明りにおののいて目を覚ます
その光は、蔵のあたりに位置していた。何か盗まれたらどうしようと思うが、兄も藤田も帰ってこない
決心した百合子は一人で蔵に近づく
その中にいたのは三郎だった。蔵の中を荒らす様子に激昂する百合子
理性のかけらもない三郎は、百合子をとらえて犯そうとする
そこへ響く一発の銃声。右肩を打ち抜かれ、無様なうめき声をあげて倒れ伏す三郎
かけつけてきたのは日本にいるはずもない、夢にまで見た愛しい人
百合子が送った写真に写っていたのは、大陸で有名な阿片売買の大物。そのことを知って危機感を抱いた秀雄は、軍律に背いて帰ってきたのだった
駆けつけてきた真島を一喝し、正体を暴く秀雄
いくら問い詰められても、真島はとぼけてしらを切る
蔵を荒らした理由を問われ、「思い出が欲しかった」とつぶやく真島
真島は銃を取り出し、百合子につきつけながら茂みに隠れる
慌てて追いかける秀雄だが、時すでに遅し。三郎の口を封じ、まんまと逃走したのだった
後日、秀雄の部屋で語らう二人。真島のことを話しながら、話せば話すほど謎に包まれていくのを百合子は感じる
この話はもうよそう、という秀雄。二人の仲はようやく周囲に認められたのだ
嬉しいが、またいずれ出征してしまう不安に駆られた百合子に、秀雄は軍を辞めると宣言する
かねてから望んでいた、鳥類の研究をするため大学に入りなおす、と
シベリア行きといい、軍を辞めることといい、相変わらず秀雄は何でも一人で決めてしまう
この性格はきっと変わらないのだろう
家庭を持っても、お互い子供のように言い争うに違いない。そう思った百合子はおかしさを隠せなくなった
秀雄は百合子の手を取って口付け、「これから同じ鳥かごに入って暮らすんだ。最高だな」という
苦難の末につかんだ幸せの極みを味わい、ほほ笑む二人だった
【グッドエンド・鳥】
数年後。夫婦となった秀雄と百合子の間には、二歳になる息子が生まれている
鳥類学者となった秀雄は、奥地の調査に行くときも百合子を必ず伴う
日本領である、南海の島に大学の研究者と新種の鳥の調査にやってきた秀雄と百合子
百合子は、あまりの未開ぶりに癇癪をおこす
例によって言い争う二人。こんなところはちっとも変わらない
が、笑い顔も増え、冗談の一つも口にするようになってきた秀雄
百合子の機嫌を取りながら、濃密な空気が二人の間に漂う
他の仲間に気兼ねしながら、熱帯夜の下熱烈に愛し合う秀雄と百合子
事後の寝物語に、いつしか話題は瑞人のことになる。困ったことに、放蕩を改めない瑞人
秀雄は、瑞人が百合子に対して抱く感情について、うすうす気が付いている
幼いころの思い出話から、「百合子を剥製にしたいと言って母親をギョッとさせた」と思いだす秀雄
その言動に寒気を覚え、これなら母が拒否しても仕方ないと思う
結ばれるまでの回り道は、実は秀雄のせいではないかと少し恨めしく思う百合子
だが、そんな秀雄を抜き差しならないところまで愛してしまっている。それは秀雄も同じこと
先に寝入った秀雄を追いかけるように、百合子にも眠りが訪れたのだった
433:蝶の毒花の鎖 秀雄ルート7
12/04/16 18:39:03.40
【バッドエンド・うそつき】
佐和子に秀雄のことを聞かれ、ただの幼馴染とごまかした百合子
白田家というと、政界でも有数の大立者だ。その娘の意向に逆らうことが、貧乏華族の百合子にできるはずもない
それを聞いて、怪しい女を秀雄に近づけるわけにはいかない、安心して秀雄と一緒になれると佐和子は宣言する
命をかけて、百合子と結ばれようとした秀雄の真心を台無しにしてしまったのだ
佐和子はすぐに野宮邸を辞する。百合子は秀雄との将来を思って暗澹となる
百合子のことを思ってシベリアから帰ってきた秀雄。だが、白田家との縁談は保持されたまま
諦めたくない、と苦しい思いで口づけを交わす二人だったが、様々なしがらみが二人を縛りつける
尾崎家を出た百合子を迎えたのは、斯波だった。最近の斯波は、見境もなく百合子を追いまわすようになっている
お互い、別の相手と結婚するしかないのか、と諦めた百合子だった
二年後。斯波の妻となった百合子。秀雄を諦めたくはなかったが、白田家の圧力からそれを受け入れざるを得なかった
決まった時の決まった時間に秀雄との逢引を繰り返している
白田家、斯波家の暗黙の了解の中、行われているこの逢引
白田侯爵の婿となり、軍での出世街道を登る秀雄。容貌の冷たさにも磨きがかかってきた
秀雄は、百合子の下の毛を剃刀で剃る。百合子の必死の哀願にもかかわらず
斯波の妻となったことを「うそつき」と罵る秀雄。彼が反応する女性はただ一人、百合子だけ
夜ごと斯波に抱かれている百合子には、詫びることしかできない
斯波の子を身ごもっていると知りながら、強引に交わる秀雄。百合子もそれを受け入れる
嫉妬に駆られながら、暗い快楽に酔いしれる二人
交わりながら、秀雄は百合子に罵倒の限りを尽くす。痛みに似た快楽を与えながら
極まったとき、「消えてなくなってしまえ!」と叫ぶ秀雄。情事の余韻のさなか、百合子はそうした方がいいか尋ねる
震える声で「嘘に決まっているだろう」と答える秀雄。泣いてすがりつく秀雄を、愛おしいと思う百合子
歪んでしまってはいるが、そこに存在したのはやはり愛以外の何物でもなかった
お互いをの全てを嘘で塗り固めながら、これからもこの逢瀬は続く
【バッドエンド・白】
シベリア行きを決めた、去りゆく秀雄を諦めた百合子。
翌日浅草に赴いた二人は、古びた待合で結ばれる
帰還を約束する秀雄。涙ながらに待つと誓う百合子
そうして秀雄は出征していったのだった
訪れた斯波から、この戦争は長引くと聞いて不吉な予感に駆られるが、百合子にできるのは待つことだけ
しかし、待てど暮らせど秀雄は帰ってこない。手紙は時折届くが、徐々に疲れをにじませたものへと変化していった
そして季節は秋となり冬となり。年が明け、野宮邸にも雪が降り積もる
極寒のシベリアに思いをはせる百合子
そんなとき、瑞人が帰ってきた。疲れた様子の瑞人は、尾崎家に行ってきたことを告げる
内々に、秀雄の戦死の知らせが伝わったと残酷な真実を告げた
百合子の頭は、言葉の意味が理解できない
そして、婚約解消を急いだ白田家から鏡子を介して瑞人が持ち帰ったもの。それは、あの河原で撮った写真だった
薄汚れたその写真を、秀雄は常に肌身離さず持ち歩いていたのではないか、と瑞人は言う
直立不動で写った写真を見ている百合子の視界がぼやける
激情に駆られ写真を破り捨てようとするが、秀雄の形見であることに思い至り思いとどまる百合子
ふと、脳裏に在りし日の秀雄の面影がよみがえる
初めての口づけ。交わした愛。そして、果たされなかった約束
写真をつかんだ百合子は、瑞人の制止も聞かず家を飛び出した
力の限り駆けて、着いたのはあの思い出の河原
見渡す限り一面の白、白、白。倒れ伏した百合子に、しんしんと雪が降り積もる
しかし、なぜか冷たさは感じない。その時、聞こえたのは耳に懐かしい声
秀雄が、百合子を迎えに来たのだ。これでようやく結ばれる、と百合子の胸は嬉しさでいっぱいになる
重苦しい肉体を脱ぎ捨て、魂となった二人は、もう二度と離れないと誓って天駆けるのだった
434:板移転投票実施決定@詳細は自治スレへ
12/04/16 18:53:42.29
これで蝶毒はすべてのルートのバレがそろったな
だが、初回限定版のエクストラディスクやフルコンプのご褒美シナリオが楽しすぎるので、気になる人は買って損はないと思う
スレを長々独占して申し訳ない
435:板移転投票実施決定@詳細は自治スレへ
12/04/16 19:11:25.83
長文おつおつ
436:板移転投票実施決定@詳細は自治スレへ
12/04/16 23:47:34.98
長文乙
だが>>427の冒頭の百合子の年齢16歳ってのは間違いではw
百合子の年齢は設定されてないし、名目上は18歳以上のハズ
437:板移転投票実施決定@詳細は自治スレへ
12/04/17 00:26:19.42
学習院の現在で言う高校を卒業して最初の誕生日だから
実際百合子は18歳以上な気がするな
なんにしても長文乙
蝶毒の説明はどれもガッツリ書いてくれたので、プレイ後のまとめ的に読むのも面白いな
プレイ前に読んじゃうとちょっと勿体無い気がするw
438:板移転投票実施決定@詳細は自治スレへ
12/04/17 09:29:45.04
銀の冠碧の涙の榛名ルートお願いします
439:板移転投票実施決定@詳細は自治スレへ
12/04/17 20:44:01.80 CBW92mxm
1
440:銀の冠碧の涙 榛名ルート1
12/04/19 00:07:43.85
>>438
あっさり描写だがよかったらドゾー
主人公の高橋綾は、恋人である谷村慎一郎からプロポーズされるが、受けるべきかどうか迷っている。
ネット通販が趣味で、様々な商品を注文するのが好き。
ある日、商品の注文をしたところ、配達に来たのがいつもの人ではなく、バイトの青年だった。
青年の名は榛名誠。
いかにも今時の男の子、といったチャラい見た目、ノリの榛名。
綾の下着が見えていると言って追い出されたり、あっけらかんとキスをねだったり。
しかし、彼と接するうちに、意外と真剣な面が見えはじめる。
職場の後輩、和泉亮からキスされて悩む綾。
思わず榛名に打ち明けると、口調こそチャラいものの、「本気でないなら、これ以上気を持たせるようなことはしない方がいい」と答える。
真摯な回答に綾が驚いていると、「自分は生き方が軽いから、言動まで軽くなると中身がなくなってしまう」という意味のことを言う。
榛名に「見直した?」と聞かれて同意する綾。
だが、「惚れた?」と聞かれて即座に否定する。あからさまにがっかりする榛名。
しかしめげない榛名はこれから遊びに行こう、と誘う。仕事を休んで一緒に行く綾。
水族館や海でデートを楽しみ、少しだけ榛名のことを知る。
慎一郎と結婚した綾。(慎一郎と別れて榛名に付き合いを申し込まれるエンドもあり)
籍こそ入れてないものの、一緒に暮らすようになったのだが……。
仕事が多忙で出張続きの慎一郎は、めったに家には帰ってこない。
帰ってきたと思えば、睡眠をとっただけですぐに仕事に出ていく。
さびしさが募った綾は、榛名会いたさに通販の回数が増えていく。
通販を頼むたびに、榛名との会話が楽しくて仕方がない綾。
通販を頼むたびに、心の隙間が埋まっていくような気がする。
榛名は楽器のチェロ奏者で、オーディションを受け続けている。
時間の自由がきくことと、チェロを預ける倉庫があるから運送会社のバイトを選んだ、と。
外出先でチェロを奏でる榛名。その音色に聴き入る綾。
榛名にキスされ、罪悪感を覚えながらも彼に惹かれることを止められない。
441:銀の冠碧の涙 榛名ルート2
12/04/19 00:15:58.98
とあるきっかけから、榛名の家族について聞く綾。珍しく榛名は言葉を濁す。
実は榛名は、とある会社社長の息子。兄が一人いる。
榛名自身は兄が後継ぎだと思い、音大に進んだのだが、親戚の者が兄より榛名の方が出来がいいのに、なぜ後継者にしないのか、と抗議したのだ。
それが原因で、兄は心を病んでしまう。
いたたまれなくなった榛名は家を出て、一人で生活するようになったのだった。
その後、綾はダイレクトメールが開封されていたり、怪しい手紙が届くなど続く嫌がらせに神経質になる。
慎一郎に相談するが、実害はないと取り合わない。
精神的に追い詰められ、榛名に今すぐ来て、と言ってしまう。
駆けつけた榛名にすがる綾。そんなもろい様子の綾を、榛名は抱く。
目覚めた後、風呂場で一緒にシャワーを浴びながら、クンニ&フェラ。
事後、二人が会話を交わしていると、一本の電話がかかってくる。
慎一郎からだった。「あの書類は、破って捨ててほしい」と。
自宅に仕掛けられた盗聴器から綾が浮気したことを知り、婚姻届を破棄するように言ったのだった。
携帯のアラームが鳴り、申し込んでいたチェロのコンクールの時間が来たと知った榛名。
綾を一人にはしておけない、という榛名だったが、夢をかなえるように言われて、コンクールを受けに行く。
コンサートホールで開かれたオーディションの二次予選を、綾は休みを取ってこっそり見に行っていた。
その後、榛名のコテージで、買ってきたケーキに火をともして、ささやかだが祝う二人。
いい雰囲気になった二人は、再び愛し合う。
榛名に送られて家まで帰ってきたとき、玄関先で慎一郎が待っていた。
そして展開されるガチ修羅場。殴られる榛名、それをかばう綾。
榛名は、悪いのは綾を放置していた慎一郎だ、と怒りを露わにして言い返す。発揮されるチャラ男の本気。
綾の平手打ちを受けた慎一郎は、一言詫びて誰とも目線を合わせずに去っていく。
慎一郎に殴られ、左手が動かなくなった榛名は、綾と病院へ行く。
チェロが弾けなくなったらどうしようと思ったが、骨や神経に損傷はなく、きちんと手当てをすれば元どおりになると聞いて安心する。
この出来事をきっかけに、榛名は一生チェロを続けようと決意する。
そうして綾は家を出た。
後日。コンクールは落ちていたが、榛名は留学を勧められることになった。
待ってて欲しいという榛名。承諾する綾。
留学費用の貯金に悩む榛名に、綾は一緒に住もうと勧める。
「いつでもHできるしね」と、こういうところは相変わらずチャラい榛名。
榛名の愛の言葉に、幸せというものを実感した綾だった。
以上です。
これ以外に、榛名をコンクールに行かせずにセフレ状態を続けるエンドもあります。
とにかく榛名はいいギャップ萌えの塊でした。
442:板移転投票実施決定@詳細は自治スレへ
12/04/19 08:10:51.70
>>440-441
ありがとうございました
ギャップ萌えか、榛名ルート結構面白そうですね
443:いけない名無しさん
12/05/11 16:24:15.36
仁義なき乙女の灰谷ルートのストーリーどなたかお願いします
444:いけない名無しさん
12/05/24 17:16:01.63
買う金ない子に教えてあげて
445:いけない名無しさん
12/05/28 12:09:04.41
教えたげてよう
446:いけない名無しさん
12/06/15 13:14:19.43
まだまとめきってないけどwikiを作っておきました
URLリンク(ponkotsu.r.ribbon.to)
447:いけない名無しさん
12/06/17 00:32:20.03
>>446
つくったんかいw乙
448:いけない名無しさん
12/06/18 10:48:46.98
>>446
乙
449:いけない名無しさん
12/06/19 23:13:16.87
未解決まとめから「赤ずきんと迷いの森」狼さん√GoodEDまでいきます。
長くてごめん。台詞の言い回しとか、微妙な細かい部分の前後とかが
違うかもしれないけどその辺は許してくださいませ。
450:【赤ずきんと迷いの森】狼さんルート(1/8)
12/06/19 23:14:37.26
「叔父さんのところにパンとワインを届けて」と継母に頼まれた主人公。
だが地図通りに行ったところ、そこは村の人たちに恐れられている
迷いの森で、おまけに叔父さんの家だと印のついた場所は断崖だった。
あやうく崖から落ちそうになった主人公は思う。
「つまりは全部嘘で、ママはわたしにいなくなって欲しかったわけね」
主人公は自棄になり「じゃあ、お望みどおりすごい死に方してやる!」と
迷いの森の狼に食べられることを決意する。だが出会った「狼さん」は
主人公をまだ子どもだといい、自分は成熟した大人しか食べない主義だと
その願いを一蹴した。それでも「狼に食べられたい」などとは
よほどの事情があるのだろう、と話を聞いてくれ、主人公に行くあてが
ないことを知ると「まぁ、育てれば自分好みの極上の肉になるかもなぁ」
などと言って自分の家に住まわせてくれることになったのだった。
こうして主人公の森での生活が始まった。
森には狼さん以外にも色々な住人がいた。狼さんに憧れており、彼の家に
住み込んだ主人公にライバル意識をむき出しにしてきたきつねさん。
きつねさんの同僚で一緒にレストランで働いている良き隣人たるウサギさん。
彼らが働くレストランのオーナー、山猫さん。
そして可愛いがどこか不思議な小人さん。
森の中にある、だれもが不気味がる灰色の花畑に現れる謎の存在ナイトメア。
彼らは皆その名前でしか呼ばれない。なぜならこの森の中では
主人公以外の者は「本名を名乗る」と恐ろしいことになるからだ。
だんだんと森のルールにも馴染み、ここでの生活にも慣れてくる主人公。
共に暮らす狼さんは森の中では特別な存在で、争いや災いから森と住人を
守るためにいつも尽力していた。その尽力の見返りとして彼は物を
買ったりする時の支払いなどを免除されているのだが、そのため狼さんの
元で庇護されている主人公も、何不自由なく暮らすことができた。
主人公はただの居候では心苦しいと家事を引き受けるのだが、料理をすれば
狼さんは満面の笑みで「美味しい」と誉めてくれる。彼は日々の生活の中
いつも優しく親切だった。
森の住人は「狼さんが人間なんか食べてるのをみたことない」と言うし、
狼さんが自分を食べるというのも方便なんじゃないのかなとも思ったりするが、
それはあまりに自分に都合がよすぎる考え方だと主人公は自戒する。
いくら親切にしてくれていても狼さんは「食べる」約束を忘れていないことを
ほのめかすし、それにレストランのオーナーである山猫さんはこう言っていたのだ。
「狼さんは人間を殺したことならありますよ」と。
山猫さんは出会った当初から主人公のことを「美味しそう」などといっており
「狼さんはあなたを子ども扱いするけれど充分に食べごろです」などと
何かにつけ妖しく誘いをかけてきていた。狼さんはそんな山猫さんに対して
「(主人公は)自分が育ててる肉だから手出ししたら容赦しない」と
予防線をはってくれ、かつ主人公にも充分警戒するようにと言い置いていたので
主人公は必要以上に山猫さんには近づかないようにしていた。
山猫さんは主人公にとっても狼さんにとってもどこか油断のならない存在で
彼は森の番人たる狼さんの言い付けに逆らって「灰色の花畑」に出入りしていた。
花畑にある花は全て灰色でどこか禍々しいのだが、不気味だと森の住人から
厭われるのは夜になると花畑の中を白く透明な人影が徘徊するところだった。
花畑に現れるナイトメアが言うには、この人影は「名乗ってしまった人の魂」だという。
彼は小人たちからそれを聞いたようだが詳しくは知らず、ただ恨みや悲しみを
抱えたまま、ただ嘆くしかない魂を切なそうに見ているのだった。
451:【赤ずきんと迷いの森】狼さんルート(2/8)
12/06/19 23:15:09.80
その上、花畑には森に災いをもたらすリンゴの木があるのだった。
リンゴの木はどうやら魔性の力を持っているようで、昔、うっかり枝を
折ってしまった者がいたのだが、その時など森の中はあらゆる天変地異に襲われ
大変だったのだという。そんな恐ろしい森に住人が居続けるのは別段我慢している
からではない。彼らは森から出られないのだ。この森には、昔ここで死んだ魔女の
呪いがかけられており、住人たちは出ようとしてもまた森に戻ってきてしまうのだ。
だからこそ住人はお互いに助け合い、森の平和を守る狼さんを頼りにしていた。
そんな彼に逆らってまで尋常ではないこの花畑に出入りする山猫さんの意図は
誰にも分からなかった。だが、主人公もまたこの花畑を心から恐ろしいと思いつつ、
どこか気になる気持ちを捨てきれないのだった。
狼さんには「怖いものみたさなんて子供」と言われつつも。
主人公が森で落ち着いたある時、狼さんは一度家に戻ってみてはどうかと
水を向けてきた。継母はさておき、父親は「叔父さんの所に行ってから戻ってこない」
娘を心配してるかもしれないし様子だけでも見に行ってはどうだと。
気遣う言葉に勇気をもらい主人公は自分の家を見に行ってみた。
だが、自分の食器が袋にいれて捨てられているの見た上、お腹に子どもがいる
継母が父親と楽しく過ごしているのを目の当たりにしてしまい、もう自分の居場所は
この家のどこにもないと主人公は泣きそうになりながら森に逃げ帰ってきた。
そんな主人公をパトロールの途中で見つけた狼さんは何も聞かず、
ただおかえりと出迎えてくれたのだった。
さすがにその出来事に気落ちしてしまう主人公。
するとそんな彼女のため、狼さんは森の住人を誘ってピクニックを開いてくれた。
きつねさんやウサギさん、小人さんも皆、主人公が元気がないことを心配していた。
山猫さんですら主人公を慰め、次に悩みごとがあれば自分にだけ話してください
などと本気か冗談か分からない言い方で主人公を励ましてくれた。
森の住人は、みな優しい。その優しさが嬉しくて主人公は涙がでそうだった。
そしていつまでも落ち込んでいられないと思ったのだった。
冬が近づき、主人公は狼さんのためとせっせとマフラーを編んでいた。
気分を変えて家の外で、木々の間に腰を下ろして冬の気配を感じながら
編み物をする主人公。マフラーにイニシャルをいれてあげたいと考えて、
主人公は今さらながらに狼さんの本当の名前を知らない、と思った。
―名乗ってはいけない、名前を聞いてはいけない。
この森のルールにすっかり馴染んでいたからだ。
そんな時、主人公は森に迷い込んできた中年男に出会う。森に来て久しぶりに見る
同じ人間だ。だが男はとんでもない不埒者であった。襲われそうになり、主人公は
必死に狼さんに助けを求める。森をパトロールしていた狼さんはすぐに
来てくれたのだが、男は銃を持っており、二人は絶体絶命の窮地に陥ってしまう。
主人公は「森のルール」を思い出し、知恵をめぐらし男から本名を聞き出した。
すると名乗った男は尋常ではない力によって灰色の花へとその姿を変えてしまったのだった。
『名乗った者、名前を呼ばれた者は花へと姿を変える』
それはこの森にかけられたもう一つの呪いであった。
とんでもないことをしてしまった、人を殺してしまったと恐怖と罪悪感に
おののく主人公。だが狼さんは主人公を支えながら
「お前が奴の名前を聞き出さなければ二人とも殺されていた。
それに死んだわけじゃない、花になっただけだ」と必死になだめていた。
それはある意味では事実だ。だが男の人生を奪ったことには変わりないと思う主人公。
そんな中、山猫さんが二人の前に現れる。彼は場にそぐわぬウキウキした様子で
男が変じた灰色の花を根から引き抜くと、それを花畑に植え替えると笑いその場から去った。
452:【赤ずきんと迷いの森】狼さんルート(3/8)
12/06/19 23:16:07.01
その不可思議な毒気に当てられて呆然とする主人公だが、狼さんはもう一度
彼女に語り掛ける。この事を忘れることはできなくても、必要以上に自分のせいだと
思いつめないで欲しいと。約束してくれ、と狼さんは真摯にそう言い募ったのだった。
主人公は森に来てからよく悪夢をみるようになっていた。
誰かが、誰かをナイフで刺す夢だ。そして真っ赤に染まる手。
ある夜、飛び起きた主人公はあまりに怖くなり、狼さんの部屋に行ってしまう。
受け入れてくれた狼さんは主人公の悪夢の話を聞いて「夢は夢だ」と優しく諭してくれた。
だが、主人公は血に染まった手が誰の手だったのか、それがどうしても気になってしまう。
そして気がついてしまった。夢の中、血に染まった手は狼さんのものだったと。
だがそれを口にしてしまった主人公は、すぐに深く恥じ入った。
優しい狼さんを夢の中で殺人者にしたからだ。だが狼さんは言う。
血に染まった手を俺のものだと思ってくれて良かったと。主人公が自分で
誰かを殺したと思えば傷つくだろうから。だが、その言葉に主人公は自分を
傷つけたくないからといって狼さんを傷つけたと気がついて思わず泣いてしまう。
狼さんは困ったように笑い主人公を慰めてくれた。そして言う。
「もう泣きやんでくれ。……お前の泣き顔は可愛いけど、ずっと見てると
変な気持ちになりそうだ」すると不意に狼さんは主人公にかすめるようなキスをした。
驚く主人公だったが狼さんは何もしてないかのように振舞っていた。
眠るまで頭を撫でていてやるという狼さん。そして主人公は狼さんと
一緒のベッドに並んで寝ていた。そして「さっきしたこと」が何なのかを聞いた。
だが、とぼけられてしまい「答えられないならさっきと同じことをして」とお願いする。
すると狼さんは一度だけだと言い置いて次はもっと長い、それでも
優しいキスをしてくれたのだった。甘くふわふわする気持ちの中、主人公は
悪夢をいっとき忘れて眠りに落ちた。その寸前狼さんの苦笑交じりの
呟きが聞こえたような気がした。
「……困ったやつだな、俺の気持ちをかき乱して何が楽しいんだ?」
あくる日、レストランに調味料を分けてもらいに行ったものの、そこで狼さんに
気がある大人っぽい女性に、まるで子供だと揶揄されて本気で腹をたてる主人公。
それを帰ってきた狼さんに話せば案の定大笑いされ、主人公はすねてみる。
だけれども狼さんは主人公のことを大人っぽくなってきたと言ってくれた。
色気がでてきたといわれたいと言う主人公の言葉にまた笑う狼さんだが、
それでも色気が出てくるのもすぐかも、と言うのだった。今だって時々不覚にも
どきっとすることがあると。主人公はそれを聞いてすっかり機嫌を直して嬉しくなってしまう。
だが、果たしてそれで良いのかとふと我に返った。
大人になるということはすなわち、狼さんに食べられるということなのだから。
いつしか主人公は狼さんとずっとずっと一緒にいたいと思うようになっていた。
大人になっても狼さんの傍にいられたらいいのに。悩んだ主人公は、相談にのるよと
言ってくれたウサギさんに悩みを打ち明けるのだった。
すると彼はこう励ましてくれた。「なら、恋人になってしまえばいい」と。
恋人になれば大人になって食べられずにすむ。そう言われて主人公は
「狼さんの側にいるため」頑張ってみると決めた。
だが、主人公は自分が恋人になりたいというほどはっきり狼さんが
好きなのかと自問していた。出会ってそんなに時間の経っていない人を、
自分のことを「食べる」と宣言している相手を好きだといえるのかと。
考えれば考えるほど迷ってしまう。そのせいか、主人公は狼さんを前にして
考えていたのとは違う切り出し方をしてしまった。
453:【赤ずきんと迷いの森】狼さんルート(4/8)
12/06/19 23:16:44.83
「大人になっても食べられずにすむにはどうしたらいい?」
狼さんは面食らっていた。「食われるのが怖くなったのか」という狼さんの問いに
顔をあげることができない主人公。そのまま黙ったままうなずく。
すると狼さんは珍しく苛立ったようだった。
「食われるのがそんなに怖いなら出ていけ」という言葉に、主人公は
「行くところがない」と返す。だが、他に行く場所を探したのかという
問いに否を返す主人公に狼さんは軽蔑するように言った。
「楽をして生きていきたい。現状を打破する気力もない。
そういうのを子供だというんだ」
だが呆れられても軽蔑されても主人公の心にあるのは狼さんと
一緒にいたいという気持ちだった。食い下がる主人公に狼さんは挑発的にいう。
「……ならお前は俺の玩具になるか」
男の好きにさせる玩具になるなら、大人になっても追い出さず側に置いてやると
語る狼さんの表情は主人公にとって、初めてみるような冷たいものだった。
悲しくなる主人公だったが、その要求を受け入れると答えてしまう。
すると狼さんは驚いたようだった。一瞬戸惑う狼さんだったが、そのまま
結局主人公を抱いてしまう。行為の後に自分に触れる腕にすがろうとしたとき、
狼さんは主人公の手を振り払った。
「最低だな。男の家にいたいというためだけに、こんな簡単に初めてを捧げるのか」
その剣幕に主人公は家を追い出されるかと思ったが、狼さんは主人公を家におき続けた。
だが彼はすっかり変わってしまい、優しくあたたかな狼さんではなくなってしまった。
日を置かず、気が向くたびに主人公を抱いて冷たい言葉で主人公を傷つける。
相談に乗ってくれたウサギさんはそんな事とはつゆしらず、森で出会うと
ウキウキと「狼さんは捕獲できた? 恋人なれた?」と尋ねてくる。
「恋人じゃなくて、玩具になったわ」
そんな風にいうしかない主人公はただただ悲しかった。
そんなある夜、いつものように狼さんは主人公を抱こうとするが
突然気が変わったと言って主人公を突き放した。もうお前は抱かない、飽きたからと。
森には自分のような飽きっぽい男ではなく一生面倒を見てくれるような奴が
いるはずだからそっちをあたれと。自分にしたのと同じことをすればいいという
狼さんに主人公は嫌だといい募る。だが、狼さんは彼女に向かって言った。
「……幻滅したんだよ。お前はもっと一生懸命な子だと思っていた。
こんな簡単に男の玩具になることを了承するような、そんな女だと思ってなかった。
この森にいたいだけなら他にいくらでも男がいるだろう」
主人公は思わず泣きながら言い張った。自分は別にただ森にいられればいい訳じゃない
自分は、狼さんの傍にいたかったんだと。だが狼さんは冷たく言い返す。
「……そんな事は抱かれる前に言うものだ。それでも、そんなこと言われたら
抱く気はなかった。お前に好かれても迷惑だからだ!」
狼さんは激昂したように叫んだ。
「俺が好きだとそんな風に言うのなら、もう俺に顔を見せないでくれ。
お前を見てると気が狂いそうになる。……いや、俺はもうおかしくなってるんだ。
お前が、俺のせいでこの森を嫌いになってしまう前に出ていってくれ!
明日からの居場所について朝までに考えておくから、もう部屋に戻っていろ……」
454:いけない名無しさん
12/06/19 23:23:50.69
連投エラーになってしまったので一旦。
455:【赤ずきんと迷いの森】狼さんルート(5/8)
12/06/19 23:24:24.39
そこまで言われてその場にいられる主人公ではなかった。
だが、部屋には戻らず家を飛び出し森を彷徨い歩く。落ち葉の中に身を沈め
消え入りたいと思いながら空を見ていると、ふと聞き覚えのある声がした。
「……これは素晴らしい落し物ですね」
拾って帰ってもいいかと聞かれ、もうどうにでもなれという状態の主人公は
山猫さんのレストランへ、彼の私室へとついていく。
そこで詳しい事情は伏せながらも、狼さんを怒らせて家にいられなくなった
という状況を話した主人公に山猫さんは楽しそうに笑う。
狼さんならさもありなん、と。
彼はずっと人間を殺したかったに違いない。彼は主人公をいつか殺すために保護した。
それでも、傍に置いていたら情が湧いてしまって殺せなくなってしまった。
それでも人を殺したい本能は止められないからそのジレンマが狂気を招いたのだと。
言い聞かせるような山猫さんの言葉に主人公は衝撃を受ける。
狼さんは自分のことをずっと殺したかった―。そしてはっと気がついた。
にっこりと笑う山猫さんがあまりにも近くにいることに。
彼は主人公を引き倒すと笑いながら言った。狼さんはこんな可愛らしい主人公を
捨てるなんてもったいないことをした。自分はずっと主人公のことを欲しいと
思っていた、だから自分のものになればいいと。
狼さんが相手ならば快楽を感じることをできた行為は別の相手では嫌悪感と
恐怖しか感じないものだった。必死に逃れようとするものの、山猫さんの
力は非常に強く、びくともしなかった。だが、それが不意に体が軽くなる。
狼さんが山猫さんを主人公から引き剥がし殴り飛ばしたのだ。
「人の家に勝手に入られては困りますよ……」
不敵に笑う山猫さんにかまわず、狼さんは主人公を自分の体の後ろに
しっかりとかばった。そして「こいつは俺のものだ。お前にも誰にも触れさせない」と
宣言する。すると山猫さんは狼さんが主人公に手を出してるとは思わなかった、と
言い、主人公が処女ではないならもう興味も失せたと言い放った。
そしてさぁ帰れといわんばかりに二人を部屋から見送ったのだった。
怒った様子でずんずん前を歩く狼さんを必死に追いかける主人公。
名前を呼んでも振り返ってすらくれなかった。
―自分にしたのと同じことをすればいい。
―この森にいたいだけなら他にいくらでも男がいる。
主人公は自分のした行動が、狼さんの言葉を裏付けるような、誤解を招く行動だと
分かっていた。だからこう言わずにはいられなかった。
「ごめんなさい、ごめんなさい……山猫さんの家に行ったりして。
ごめんなさい、そんなつもりじゃなかったの……」
すると狼さんが振り返った。
「この馬鹿! 山猫の家にいったらどうなるかくらい分からなかったのか!?
そんな事も分からないから子どもだって言うんだ!!」
主人公が山猫さんに連れられて歩いているところを偶然きつねさんが見ていて
それを彼が狼さんに伝えてくれたらしい。だからこそ間一髪で助かった。
だが、きつねさんが気がつかなかったら。狼さんが間に合わなかったら。
狼さんは怒ってはいたが、その怒り方は主人公を心から心配する
主人公が大好きな優しい頼りになる狼さんの顔だった。
「ごめんなさい……」
泣きながら謝る主人公に狼さんは、すまなかった、謝るのは自分の方だと言った。
「あんな言い方をしたら、お前が家を出たくなるのは当然だ。
本当に悪かった。……許してくれ」
主人公は許すもなにもなかった。だから狼さんに向かって思いの丈をぶつけた。
456:【赤ずきんと迷いの森】狼さんルート(6/8)
12/06/19 23:24:59.57
「どうしたら好きになってもらえるの……?」
今になってはっきりと分かった。自分は狼さんが好きなのだと。
だが、どうしたら好きになってもらえるのか分からない。
そう訴えると狼さんはそれは難しい質問だ、と答えた。
やっぱり無理なんだと諦めそうになった時、狼さんは主人公を抱きしめてキスをする。
「もうとっくに好きになってるのに、どうやったらこれ以上好きになれるんだ?」
そして晴れて恋人同士になった二人。
狼さんは主人公に対してした酷い言動の数々を謝った。そして主人公のことを
子どもだなんだと言っていたが、自分の方がずっと子どもだったと言った。
「大人になったら食べる」なんて、本当じゃないことくらい分かってくれていると
勝手に思いこんでいたと。主人公は自分のことをすごく信頼してくれてると、
愛情を向けてくれてるとそんな風に思っていただけに、あの時
「本当は食べられることに怯えている」と言われて、失望したのだと。
愛情も信頼も、自分の勘違いだったのだとそう思ってがっかりしたと。
「玩具になれ」という言葉も主人公の性格なら絶対に怒って食って掛かってくると
思っていたのに、あんな風に言われて、今の今まで思っていた主人公とは違い
自分に体を使って媚を売っている女に見えたと。
それでも抱いてしまえばもう止まらなかった。いつか手放さなければならないのに
ずっと自分のものにしたいと思った。主人公の事を愛しいと思いながら一方で酷い事を
強いている。自分に従う主人公を求めながらも、じっと耐える姿を見るのも辛かったと。
「……それでも一番辛かったのはお前だ。本当にごめんな……」
だが主人公は首を振る。一番辛かったのは、出て行けと言われたことだ。
狼さんの傍にいられるのなら、どんなことでも耐えられたのだからと。
それからの日々は本当に主人公にとって幸福なものだった。
狼さんは主人公にとって強く優しく、いつも頼りになる存在であった。
それは昔、近所に住んでいて主人公が大好きだったお兄さんを彷彿とさせる事に
主人公は気がついた。本人じゃないかと思うことも多々あった主人公は
ふとカマをかけてみた。
「……昔、狼さんにプロポーズしたのに全然相手にしてくれなかったわ」
「だってあの時のお前は本当に小さかったから」
うっかりそう答えた狼さんは慌てて話を合わせてみただけだと誤魔化した。
主人公はそれ以上詮索することをやめる。どんなに隠し事がいっぱいでも、
嘘をついていても、自分が好きなのは今の狼さんなのだからと。
だが、その幸福に水を差すのはあの悪夢だった。ナイフで人を刺し、血だらけになる夢。
その夢は更にリアルに詳細になっていき、主人公を苛んだ。
恐怖に叫んで目を覚ます回数が増えていく。そのたび狼さんは主人公をなだめてくれるのだが
主人公も狼さんも悪夢に追い詰められていった。そしてある時、森の中で主人公は
狼さんとウサギさんがこっそりと話しているのを聞いてしまう。
「……あの夢を見るのは俺が傍にいるのが原因かもしれない」
そう語る狼さんの言葉をウサギさんは神妙に聞いている。
「すっかり忘れているようだから安心していたが、思い出し始めているのかもしれない」
「強烈な記憶、強烈すぎて一度忘れる」
ウサギさんはそうぽつりと言った。だが、そういった記憶は潜在意識に刻み付けられ
本当に忘れることはないのだ。
「強烈過ぎる、記憶。自分の母親、刺した」
「あいつが全てを思い出すのが怖いよ」
ウサギさんは狼さんに、自分はいつでも力になると励ますように言っていた。
それらを聞いて主人公は混乱する。二人が話していたのは誰のこと?と。
夢は更に主人公の精神を浸食していく。夜に寝付けずにいたためにお風呂場で
うとうとした主人公はお湯に浸された体が血だらけだという妄想に陥り、
前後不覚に陥って失神してしまった。