03/08/05 01:12
>>606
機体構造の弾性変形は設計の課題である事ももちろんだが、操縦上も大きく影響する。
かなり微小な時間の話ではあるが、AOA増加→リフト増加→翼変形→機体が浮き上がる、というプロセスをたどる。
また、どうやら翼弦長が長い程、翼周りの循環の強さの変化に対する所要時間が増えるようである。
つまり巨大な翼であればあるほど、いきなりAOAを増やしてもそれがリフト増加に反映されるまでタイムラグがあるようで、どうやら過渡的な時間というものも存在する事は、何となく大型機のパイロットの共通認識である。
こういう事はなかなか航空力学の数式からは見えてこない世界だし、またパイロット側から学者に伝えにくい話でもある。
以前、接地間際の地面効果の影響について業務用SIMで検証してみる機会があったが、なかなか現実通りのフィーリングを得られなかったと聞く。
上記の、大型機のタイムラグについての認識が不足していたのではないかと思う。
SIM上の地面効果は、ある高度になったらいきなりドカンと揚力が増えてバルーニングしてしまう。
しかし実機の場合、地面効果の立ち上がりがもっと遅く、機体を浮き上がらせるまで時間がかかるように思える。
つまりすぐに接地する場合には地面効果が本領発揮する前に接地してしまうが、接地点が延びるようなケースでは地面効果が100%効いて来るので、非常に接地点が延びてしまう。
現象としては地面効果が効かずにすぐ接地する場合か、もしくはメチャメチャ効いて相当に接地点が延びるかの2種のいずれかであるという気がする。
少なくとも先のSIM検証のように、一定高度でただ一律にその場で飛行機を浮かせるようなものでは無いことは確か。
さて、Dq.ナカマシは今日は夜更かしできないので寝る!
またいずれ。