02/06/12 07:41
>403
ドキュター代役に呼ばれてないのに参上(迷惑)
SFの戦闘機は適当なのであまり考えない方が良いかも。
ではX-29は何故前進翼なのか。これには後退角のもう一つの
側面を知る必要があるよ。所謂上反角効果と同じ特性。
飛行機は、パイロットが操縦桿から手を離して飛んだ場合、そのまま
真っ直ぐ飛ぶような「静安定」が必要。その安定性を高める工夫の一つ
が上反角で、期待がある程度ロールしてもちゃんと水平に戻す効果がある。
後退角も、詳細は省くけど同じ効果を持っているので、後退角を付けた
だけで安定性が増す。後退角+上反角なんてやった日には、安定しすぎ
て振動して墜落するので(Mig-15)、超音速機では逆に下反角が付いて
いる事が多い。F-104とか。
ここまで来ると何となく分かるかも知れないけど、要するに前進翼
を付けると安定性が最悪になる。それじゃ駄目じゃん、と思うかも知れない
けど、機敏な動作を行う戦闘機にとって、安定性は実はハンデになる。
じゃあ安定性はどうするか、と言うとコンピュータで何とかする。これが
CCV(ControlConfiguredVihicle)と呼ばれる最近の考え方。前進翼では
ないけど、最新の戦闘機はほとんどこれ。X-29は前進翼のテストと言うより、
CCVの為の実験機だったと言う方が正しいかも。
安定性を下げる手段として前進翼は適役だけど、何故量産されないか。
それは、前進翼だとねじれて翼がめくれ上がった場合、どんどん迎え角が
増していって最後に墜落してしまうという悪い癖があるから。これを防ぐには
非等方性という特殊な性質を持つ複合材で作った翼を使わなければいけない。
多分、信頼性を高めるにはお金が掛かるので量産するのは嫌だな、とかそんな
感じ。