12/07/28 08:29:13.48 p+Zhxck+0
※リメイク(PS、DS)版しか知らない人のために
■FC版DQ4のあらすじ
魔族の王のピサロにロザリーと言うエルフの恋人がいた。
エルフの涙は宝石に変わるというところに目をつけたあくどい人間がロザリーを虐待し、ついに殺してしまう。
ピサロは悲しみ人間を憎み、人間に対する復讐を誓う。
復讐のために地獄の帝王エスタークを復活させようとし、それを倒す可能性のある勇者を幼少のうちに殺そうと探し求める。
魔族に住む村を襲われた勇者は旅に出る。
仲間達と出会い、魔王エスタークを完全復活の前に倒すが、
ピサロはそれでも復讐を諦めずに、自分自身が力を得るために進化の秘法を使うが、
肉体的に異様な速さで進化していく副作用で自我を失っていく。
最後の戦いは、進化の秘法の副作用で何もわからなくなったピサロを仲間と力を合わせて殺す。
その後勇者は壊滅してもう誰もいない村に一人で帰っていく。
【デスピサロ】
魔族の王でありながら平和に過ごしエルフのロザリーと愛し合い、ささやかな幸せの日々を過ごしていたが、
ロザリーの流す「ルビーの涙」を狙った人間に彼女を殺され人間たちに復讐を決意する。
単純な悪人ではなく、悲しみとそこから生じる怒りによって悪に走ってしまった悲劇の悪役。
【考察】
デスピサロが悲劇の悪役になってしまったため、彼の「人間を滅ぼす企み」に正当性が与えられてしまったと同時に、
善玉側の勇者一行の、デスピサロ討伐の正義にかげりが生じてしまった。
プレイヤーもわりきれない気持ちを抱えてストーリーを進めることになり、エンディングもどこか後味の悪いものとなったのは異論の余地がない。
ドラゴンクエストシリーズの歴代ラスボスを思い出してほしい。竜王、シド―、ゾーマ、ミルドラース、デスタムーア、オルゴ・デ・ミーラ、ラプソーン。
デスピサロを除く全てのラスボスが絶対悪である。ドラクエよりもストーリーにおいて深いといわれるファイナルファンタジーシリーズでさえ、傾向は同じである。
悪人にはくくれないような敵役が中ボスとして登場することはあっても、ラスボスは、皇帝、ゼロムス、ケフカ、魔女、エクスデス・・・ほとんどが絶対悪であろう。
「勧善懲悪」の構造を作るためには、絶対悪のラスボスは不可欠なのである。
結局、デスピサロは「悲劇のヒーロー」としては一流であったが、「悪の象徴」としては三流だったのだ。