FFDQバトルロワイアル3rd PART16at FF
FFDQバトルロワイアル3rd PART16 - 暇つぶし2ch490:All the world's a stage 11/16
12/09/09 02:28:08.97 +SMjkd6A0
青年はきょろきょろと辺りを見回し、それから、自分の身体に視線を落とす。
白いローブが、漆黒に変じている事に気付いた彼は、慌ててザックからしまったばかりの剣を取り出した。
翳した刀身を覗き込む、赤い瞳に映ったのは、銀の髪を翻す魔王の姿。
驚きのあまり、青年は杖を地面に落とし、途端に再び煙が沸き起こる。
彼が我に返った時、鈍く輝く刀身は、白いローブを着た茶髪の男を―青年本来の姿を映し出していた。
何が起きたのか考えるまでもなく、杖の名と、かつての持ち主を思い出し、青年は得心する。

(変化の杖……変化……意識した人の姿になれる道具ってことかな?)
その推論を証明する為、青年は杖を拾い上げると、今度は、友の姿を思い浮かべて振りかざした。
先ほどと同じように、剣に映して確認してみると、果たして想像通りの姿になっていた。

(……便利っちゃ便利なんだろうけど、使い所が難しそうだなあ、コレ)
複雑な表情を浮かべる『友』の顔を見やり、青年は思う。
例えば、元の姿で負っている怪我を程度に応じて再現してくれるならば、
無害な仲間に変化して、他人を騙して治療を頼むといった用途に使うこともできた。
だが、刀身に映っている人物は、不自然すぎるほど綺麗な服装で、傷一つ負っていない。
これでは、大抵の人間は違和感を抱くだろう。
それに、これほど目立つ杖を持ち続けていなければ変化できないというのもマイナスポイントだ。
手に隠せるだけ、少女から借り受けたドレスフィアの方が、使いやすいかもしれない。

(だけど……ね~)
青年は杖を仕舞い込みながら、眠らせた少女の方を見やり、心の中で肩をすくめる。
世の中には、驚くほど騙されやすい人物がいることも確かなのだ。
(どう考えても、班長とリルムとギード以外、全員引っ掛かりそ~……)
仲間や知人の顔を思い返しながら、青年は、まだ何か残っているものがないかと、周囲を見回す。

―そして。
見つけてしまった。

それは、見落とすにはあまりにも大きすぎた。
同種の魔物に比べればやや細長い、しかし堂々たる体躯を力なく横たわらせた、竜の死骸。
脳天を貫かれ、半開きになった口からだらりと舌をはみ出させ、濁った瞳で虚空を仰ぐその姿に、青年は思い出してしまった。
記憶を取り戻す前、仲間達との会話の中で聞いた台詞を。

亀の姿をした賢者・ギード。
友と別れる前、青年は彼に、召喚獣や幻獣について幾つかの質問を投げかけた。
その流れで、賢者は、飛竜がフェニックスに転生する事例について触れた。
 "何故飛竜だけがフェニックスに転生できるのか、考えられるのは肉体的な素質"
 "飛竜の舌は万病に効く"
 "つまり、飛竜の体には、先天的に癒しの力が―"

―癒しの力が―

491:All the world's a stage 12/16
12/09/09 02:32:34.13 +SMjkd6A0
「……あは、ははははは。うっふふふふふ」

それは、他者が見れば、あまりにも突拍子のない発想だったかもしれない。
しかし賢者の推論を補足する事例を、青年は知っていた。
より正確に言うならば、『実践した事があった』のだ。
グレンデル。トライエッジ。ドラゴンイゾルテ。メルトドラゴン。アルケオダイノス。ルブルムドラゴン。
俗にドラゴン種と称される強大な魔物の血肉を、『たべる』ということを。

無論、青年が行った捕食行動はG.F.エデンの助力を借りたものであり、人が行うソレと比較して消化能力と効能の強化という恩恵が加わっている。
しかし、重要なのは、ドラゴン種の肉が『殆どの傷やステータス異常を治療するほど、高い回復効果を秘めている』ということなのだ。
そして、『飛竜という異世界のドラゴン種の舌にも、強力な治療効果がある』ということなのだ。

「思ったんだけどさ……
 僕の世界でも通用して、ギードの世界でも通用するなら、この世界でも通用してもいいんじゃないかな?

青年は目を三日月のように細めたまま、鏡代わりに使っていた剣を握り締める。
そしてふらふらとよろめきながらも、横たわる竜の元に辿りつくと、半開きになった口蓋の奥に、躊躇いなく刃を突き刺した。

「まったくもう、皆にお礼を言わないといけないな。
 ここで死んでてくれてありがとう、ってさ」
零れた言葉は、演技ですらなく。
剣自体の重みを利用し、薄い舌を叩き斬る。
死後硬直が始まっているのか、食肉のそれよりも少しばかり硬い手ごたえだが、噛みきれないほどではなさそうだった。
断面からどろりとはみ出た、ゼリーのような血を舐めとり、毒性や異常がないことを確認する。
ざらついた表層をこそげ落とそうかとも考えたが、それも面倒だと、一旦剣を置く。
そして火を熾すため、ザックからランタンを取りだそうとし―
ふと、小さな羽虫が数匹、死骸から流れている血に集っていることに気付いた。

(もしも……もしもスコールの考え通り、アルティミシアが僕らを監視してるとしたら……)
青年は思案する。
火を使えば食べやすくなるだろうが、煙や臭いが出てしまうし、万が一通りすがる者がいれば気づかれてしまうだろう。
ならばいっそ、狂人は狂人らしく振舞うべきなのではないか?
映画に出てくる殺人鬼のように、少しでも猟奇的で残虐に見えるように。
宿敵の死にさぞや御満悦であろう魔女へ、見せつけてやるべきなのではないか―

「くくっ、くふふふふっ」
青年はわざと笑ってみせながら、剣を再び竜に突き立てた。
流した血を食事で補おうというなら、どのみち、養分は必要なのだ。
少女がかけてくれた魔法のおかげで、内臓は空腹を覚える程度にまで回復している。
蛇に似た薄い舌一枚では、到底足りない。
「悪いね~。僕、これでも肉食系男子ってヤツなんだ」
鱗に覆われていない腹部は容易く刀身を喰い込ませ、胸元まで咲かれた切れ目から柔らかさを失いつつある内臓が零れ落ちる。
あばら骨の奥に切っ先を潜らせれば、熟した果実のような肉塊もぶちりと抉り出せた。
青年は、舌の肉もろとも、最早二度と脈打つことのないソレを口に運び―

492:All the world's a stage
12/09/09 02:37:11.48 +SMjkd6A0
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ください しばらくお待ちください しばらくお待ちください しばらくお待ちください しばらくお待ちください しばらく
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     /`ーヘ                             <´ ̄ニニニニ三\__      ,r‐‐、_,.‐--、_____ノヽ
  _r-、 |   )´                              ゝ-‐‐‐=ニ二__,.-‐‐ \   / /ヽ \ ̄`ヾ   ノ
  }ヽ y'  / ヽr‐、_r 、                          `ー-----‐'''"     \ヽ  ! !  ヽ  丶  '<て´。
 /  {  |   }  {`                                    ___    _r‐、 | |   {ヽ  ト、___ >o
 ヽ-ュ‐`ハ`ー-く、_,r'     ノ`ー-、                           i' l `ヽr-' / ̄フ、__> ゝハノ_) >゚。
 j⌒´ ノo。゚o}   ヽ   〈 ̄`ヽ  /⌒ヽ                     {   〈 /   i'´| `'‐-ー´\,ゝ `o゚
ノ  /  ∞ {  ヽ丿 ノ-ヽ   }ノ_ノ  }                      ヽo ゜。∨  r-'ヽ |
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    `ー、__ト、ノ| |  ト、_r'`ー-< o゚8, o                         { /  |´ lヽ!  ∨ l
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 フ>'    / /  ! !
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待ちください しばらくお待ちください しばらくお待ちください しばらくお待ちください しばらくお待ちください し
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493:All the world's a stage 13/16
12/09/09 02:37:41.04 +SMjkd6A0
「ごちそうさまでした、っと」

赤黒く汚れた唇をぺろりと舌で舐めとりながら、青年は立ち上がった。
口中に広がる血の味は、喉を滑り落ちて、胃から全身に広がっていく。
じんわりと染み渡る感覚に薄笑みを浮かべながら、彼は残った内臓を蹴り飛ばし、掻っ捌いた竜の腹に押し込んだ。
傷口を重ね合わせて閉じてしまえば、遠目からは『喰われた』とは気づくまい。
観客を気取り、どこかで嗤っているだろう魔女を除いて。

(あーあ、いくらでも笑えばいいさ、アルティミシア。
 あんたが夢を見ていられるのは今だけなんだ。
 夢が終わるその時までは、御望み通り踊ってやるよ)

青年は緑の杖を振りかぶった。
自らの血と竜の血で赤黒く染まったローブを、幻影の煙が覆い隠していく。
その瞳の奥で揺らめく憎悪の光に、『観客』は気づいただろうか―

「さて、大事な大事なユウナを探すついでに、皆を迎えにいかないとね~」
わざとらしい裏声で呟きながら、青年は―否、軽装の少女は、同じ顔をした同行者の元へ戻って行った。

494:All the world's a stage 14/16
12/09/09 02:38:17.43 +SMjkd6A0
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「アーーーッヒャヒャヒャヒャヒャ!!」

奇しくも、青年が食事を終えたのと同刻。
世界の南端に立つ塔の天辺で、1人の男が高笑いを上げていた。
何がそれほど愉快だというのか、問う者など誰も居ない。
それでも彼はひとしきり笑い続けたあと、唐突に「ツマラン」と吐き捨てた。

「まったく、あいつらは少しは働いてくれてるんでしょーかね?
 サボってていいのはぼくちんだけなんですよ」
道化師じみた化粧と衣装に相応しく、男はおどけた言動を取り続ける。
だが、彼を知る者はこう言うだろう。
『それらは全て、破綻した精神と邪悪な心を押し隠す為の仮面にすぎない』と。
あるいは、『深慮智謀を廻らせて紡ぎあげた奸計を、ひた隠すための演技にすぎない』と―

「ま、ぼくちんはこれでも、やるときゃやる男ですからねェ。
 あんな厨二病患者や行き遅れ女を信じてナーンモしないなんてのは、脳味噌に筋肉が詰まったバカがすることだ!」
ぴょいんぴょいんと軽快に跳ねながら、男は笑う。
その無防備な様は、殺し合いという状況を理解していないのではないか、と思えてくる程だ。
しかし、彼は何も知らないのではない。
識っているのだ。
この付近に、彼以外の人物がいないということを。
その右手に握られた小さな機械―対人レーダーによって。
だからこそ誰に気兼ねする事もなくじっくりと休息を取ることも、思索を巡らせながら騒ぎ立てることもできるのだ。

(そう、あの行き遅れ女の行き先はわかってる。
 こいつがあれば、誰にも会わずに移動する事だってできちゃいマース。
 つまり、かねてからの事を調べる大チャーンス! ってなわけです!)

道化が脳裏に描いているのは、この舞台の地図。
建造物の配置はおろか、地形までシンメトリーで構成された大地など、人為的に作り出さない限り存在しえないものだ。
ならば、製作者の意図は?
鍵を握るのは明らかに点在する祠と中央の城だ。
しかし、彼はささやかな事情から―少年を殺めた事も剣士をカッパにした事も女性を騙した事も、彼には『ささやか』だ―直接の調査に移せなかった。
重なる戦闘で魔力を消費していたこともあり、休息を優先せざるを得なかったのだ。
だが、今は違う。
数時間の休憩は、体力も魔力もそれなりに回復させた。
レーダーが手元にあれば、誰にも会わずに移動することも、誰かに会うために移動することも、どちらも可能だ。
この世界に留まれるのは残り半日である以上、手早く行動する必要はあるが……

(なに、私の頭脳と実力ならば、数ヶ所に絞って調査すれば十分間に合う。
 おおよその見当はついているしな)


495:All the world's a stage 15/16
12/09/09 02:39:04.39 +SMjkd6A0
道化は甲高い笑い声を途切れさせることなく、自らの荷物を拾い上げ、階段を下りていく。
小部屋の一つもない、階段と壁だけの塔内は、人を迷わせることもない。
数分後、苦も無く外に出た道化は、鼻歌交じりに背伸びをし―塔の傍らに残されている、朽ち果てた祠を見やった。

(元々は逆五芒星の配置だったんだろうケド、あの荒れ具合じゃ廃棄されて長そうだ。
 空や溶岩の海からしても、ここは地底のようですし……
 恐らくは、この世界を作る際、幻獣界みたいな異世界と繋がりを持たせるための魔法陣を構成してたんでしょう。
 そしてあの祠はリサイクルされずに、放置プレイされたと)

道化は踵を返し、草叢を掻き分けて歩き出す。
打ち捨てられた祠に何かがあるとは思えない。
彼が調べ、利用しようと考えているのは、まだ『生きて』いる祠だ。

(最も、全部廃棄済みかもしれませんけどねェ。
 少なくともぼくちんならそうします! しますとも!)

それでも歩を進めるのは、己の思考が万人に通じるモノではないと、狂人なりに自覚しているからであり。
祠が稼働していた場合の利用価値と、空振りになった時の労力を天秤にかけた上で、前者の方が沈んだからである。
(そう―価値だ。
 残りの祠が生きているなら、それがどの用途で使われていたにせよ、価値がある)
地図を見れば、中央の城が重要な施設だということは、誰でも予測はつく。
では、残りの祠は何の為に配置されているのか?
道化が、この世界が地底であることと結びつけた上で考え付いた仮説は、三つあった。

一つ。先ほど述べた通り、異世界とこの世界を繋ぐためのもの。
一つ。中央の城を守るため、防護結界を張るためのもの。
一つ。魔力を増幅し、中央の城に送り込むためのもの。
―そして、道化は思う。
どれが正解であろうとも、十二分に利用できると。

世界と世界と繋ぐ扉であるならば、少し手を加えて起動させれば、魔女の元に生存者全員を転送させられるかもしれない。
生存者が魔女を倒すより、首輪の機能によって全滅させられる方が早いだろうが、道化に言わせれば『それはそれでユカイ』だ。

城に結界を張るためのものならば、起動させてしまえば、城内にいる生存者を結界内に閉じ込めることができる。
殺人者が中にいれば殺し合いは加速するだろうし、もし魔女が空気を呼んで城内に旅の扉を作らなければ、全員タイムオーバーで始末することができる。

そして、魔力を増幅するためのものならば……祠の術式を解析し、逆転させて起動することで、膨大な魔力を一か所に集めることができる。
かつて道化が奪い取り、そして眠りについている三闘神の力を目覚めさせることも、不可能ではない―


496:All the world's a stage 16/16
12/09/09 02:39:37.79 +SMjkd6A0
「アーひゃひゃひゃ!! 夢がひろがりんぐですねェ!!」
死者が遺した闇よりもなお暗い、漆黒の意思を胸に秘め。
観客など求めぬ道化は、闇の世界と呼ばれた大地を歩く。
まるで、自分自身すらも踊らせているかのように。



魔女の目を欺くべく、狂人を演じて回る役者。
破滅を目指し希望を摘むために、謀略を廻らせる道化。
今だに目論見を明かさぬまま、舞台を見つめ嘲う観劇の魔女。

最後に笑うのは、果たして誰なのだろうか―


【アーヴァイン(変装中@シーフリュック、右腕骨折、右耳失聴、冷静状態、HP1/4+リジェネ(強)、MP微量)
 所持品:ビームライフル 竜騎士の靴 手帳 弓 木の矢28本 聖なる矢15本
     G.F.パンデモニウム(召喚×)、リュックのドレスフィア(シーフ)、波動の杖
     スタングレネード、コルトガバメント(予備弾倉×1)、ドラゴンオーブ、ちょこザイナ&ちょこソナー、
     ランスオブカイン、スプラッシャー、変化の杖)
 第一行動方針: 脱出に協力しない人間を始末する/ユウナを止めて、首輪を解除する
 最終行動方針:生還してセルフィに会う
 備考:理性の種を服用したことで、記憶が戻っています】
【リュック(パラディン、睡眠)
 所持品:ロトの盾 クリスタルの小手 ドレスフィア(パラディン) マジカルスカート
     メタルキングの剣、刃の鎧、チキンナイフ、
     ロトの剣、首輪×2、ドライバーに改造した聖なる矢×3、祈りの指輪)
 第一行動方針:アーヴァインを治療する
 第二行動方針:ユウナを止める/皆の首輪を解除する
 最終行動方針:アルティミシアを倒す】
【現在位置:南東の祠北・北東の祠への分かれ道から南の岩山】

【ケフカ(HP2/3、MP3/5)
 所持品:ソウルオブサマサ 魔晄銃 魔法の法衣 アリーナ2の首輪
 やまびこの帽子、ラミアの竪琴、対人レーダー、拡声器
 第一行動方針:結界の祠を調べ、利用できそうなら利用する
 第二行動方針:ターニア、セフィロス、ユウナを利用して邪魔な連中を始末する /「できるだけ楽に殺す方法」を考えつつ全員を殺す
 最終行動方針:ゲーム、参加者、主催者、全ての破壊】
【現在位置:架け橋の塔→移動】


497:名前が無い@ただの名無しのようだ
12/09/10 20:52:25.50 fjDSL7D1O
食べちゃらめえぇぇww

アーヴィンの所持品から祈りの指輪が抜けてる?

498:名前が無い@ただの名無しのようだ
12/09/10 23:15:16.69 Mpz/zGmM0
長編乙&GJです
待っててよかった

499:修正
12/09/11 00:22:31.90 vx1K5D430
指摘ありがとうございます、
>>496の状態表を以下の通り修正します

【アーヴァイン(変装中@シーフリュック、右腕骨折、右耳失聴、冷静状態、HP1/4+リジェネ(強)、MP微量)
 所持品:ビームライフル 竜騎士の靴 手帳 弓 木の矢28本 聖なる矢15本
     G.F.パンデモニウム(召喚×)、リュックのドレスフィア(シーフ)、波動の杖
     スタングレネード、コルトガバメント(予備弾倉×1)、ドラゴンオーブ、ちょこザイナ&ちょこソナー、
     ランスオブカイン、スプラッシャー、変化の杖) 祈りの指輪
 第一行動方針: 脱出に協力しない人間を始末する/ユウナを止めて、首輪を解除する
 最終行動方針:生還してセルフィに会う
 備考:理性の種を服用したことで、記憶が戻っています】

500:大事なことは先に話してください 1/5
12/09/14 00:52:05.05 GfvOKm8S0
「ここ、か」
草叢を踏み拉き歩き続ける事、数十分。
ラムザは無事に、南東の祠に辿りついていた。
先刻出会った、奇妙な少女二人組の言葉が真実であるならば、ここにリルムが保護されているらしい。

(―いや、疑っていては始まらない。
 信じよう、ここにリルムがいると)

疑心暗鬼は身を滅ぼす。
ラムザは頬を叩き、銀髪鬼の恐怖から未だ立ち直れない己に活を入れた。
か弱い少女を保護し、殺人者すら確保するに留めているというのだ。
祠に居る人々が非好戦的かつ不殺主義者であることは間違いない。
さらに念の為に、数分ほど意識を集中させ、ナイトから話術士へとジョブチェンジする。
これでリルムが機嫌を損ねたままであっても、誤解を解くことができるはずだ。

「……よし!」
意を決し、扉に手をかける。
精緻な竜のレリーフが施されたそれは、見るからに固く、重く、侵入者を徹底的に拒んでいるようだ。
だが、ラムザが取っ手を強く引いた途端、突然扉が勢いよく開いた。
「うぐっ!?」
額をしたたかに打ちつけ、思わず体勢を崩してしまう―
そんなラムザの視界を横切って、走り去ろうとする小さな影が一つ。

「リ、リルム!?」

赤い帽子から零れる金の髪をなびかせた少女は、彼の声に驚いたのか足を止めた。
「ラムザ?! なんでここにいるの!?」
隻眼をしばたたかせ、少女―リルムはラムザの元に駆け寄ってくる。
しかし、すぐに祠から出てきた理由を思い出したのか、彼女は慌てながらキョロキョロと左右を見回した。
否、正確にはラムザと『祠の入り口』を交互に見やったのだ。
それが何故なのかは、数秒後に判明した。

「リルム! 待て!」
若い、というにはやや年のいった緑髪の男が、少女の名前を呼びながら飛び出してきた。
顔色こそ悪くはないが、腹部の破けた服と、そこに滲んだ血の跡が痛々しい。
「お前の気持ちはわかる! よーくわかる!!
 だけどな、外は怖い奴らがいーーっぱいいるんだ!!
 子供一人で出歩くなんて、死ににいくようなもんなんだぞ!!」
「子供扱いするなー!!
 リルム様は骸旅団のダンチョーなんだぞ!!
 どんな奴が来たって、あの銀髪ヤローが来たって、ちょちょいのちょいでやっつけてやる!!」
「だああああああっ! そういうところが子供なんだよ!
 いいか、ちょちょいのちょいって出来る相手ばっかりだったら、誰も殺されたりしてないんだ!」

501:大事なことは先に話してください 2/5
12/09/14 00:54:29.14 GfvOKm8S0
漠然とした既視感を覚えながら、ラムザは呆然と二人のやり取りを見つめる。
状況が把握できない。
どうにか理解できることといえば、何か事件があって、リルムが外に行きたがっているということと、男がそれを止めたがっているということだけだ。

「あの……何があったんですか?」
「へたれにーちゃんは黙ってて!!」
「今は取り込み中なんだ、後にしてくれ!!」
「……」
いかに話術士といえど、端から話を聞いてもらえなければ、その能力を生かすことはできない。
だが、それでも状況を知りたいという想いが、彼を動かした。
「二人とも落ち着いて下さい。一体何があったんですか?」
身体を割って入らせながら、言葉を紡ぐ。
「こんな所で口喧嘩していたら、逆に危険ですよ。
 リルムも話を聞いてあげるから、一回中に入ろう、ね?」
「お、おう」
「むーっ……」
話術士のスキル『説得』。
戦場では敵の足止めに使われることが多いが、本来はこのように、相手の感情を鎮め対話に持ち込むための技だ。
体よく成功した、その勢いに乗り、ラムザは二人の背中を押して祠の中へ連れて入る。
カチャリ、と扉を閉めたところで、男はようやく我に返ったらしく、ラムザをまじまじと見やった。

「……ていうか、あんた誰だ?」
「ラムザだよ。
 カインに騙されて、アイツとユウナの悪口ばっかり言ってるへたれにーちゃん」
リルムが頬を膨らませながら答えた。
異論を唱えたかったが、先に聞かねばならぬ事が有ると思い直し、咳払いのみに留める。

「ええと、貴方がヘンリーさんですか?
 リルムがご迷惑をおかけしたようで、申し訳ありません」
「いや……あんたも大変だったな。
 この子を連れ歩いてたんだろ?」
「なによなによ、おっさんたちが二人して、リルムのこと邪魔者扱いして!
 えーんえーん」
嘘泣きを始める少女を余所に、緑髪の男は苦笑交じりに右手を差し出し―ふと、眉間にしわを寄せる。
「ん? 俺、あんたに名乗ったっけか?」
「いえ、先ほど出会った女の子達に、この子と貴方の事を聞いていたもので……」

ラムザの答えに、一瞬、ヘンリーは得心したように表情を緩めた。
しかし、すぐにまた、眉をひそめてしまう。
「女の子……達?」
「ええ。リュックとリックと名乗ってましたけど……仲間じゃないんですか?」
首を傾げるラムザに、ヘンリーとリルムは揃って顔を見合わせ、もっと深く首を傾げた。

「「リックって誰?」だ?」

502:大事なことは先に話してください 3/5
12/09/14 00:55:18.60 GfvOKm8S0
「……えっ?」
「えっ?」
予想外の返答に、ラムザとヘンリーは間抜けな声を上げることしかできない。
「なにそれこわい」とリルムが呟く中、二人で首をひねり―
考えても埒が明かないと判断したラムザは、別の質問を投げかけた。

「それより、リルムは何を騒いでいたんですか?
 子供1人で出て行こうとするなんて、ただ事じゃない」
(もっとも彼女ならいつもの事だけれど)、と心の中で呟きながら、ラムザは交互に二人へ視線を移す。
「リルムは無鉄砲だけれど、良い子だということはわかってます。
 無茶をする時は、仲間を案じる気持ちや正義感に由来していることが殆どでしたから。
 ……一体、誰に、何があったんですか?」

今までの威勢はどこへやら、リルムは照れたようにもじもじと俯く。
ヘンリーはぽりぽりと頬を掻きながら、困ったように息を吐いた。

「あー……うん。
 ちょっと色々あってな、話すと長くなるんだ」
呟いてから、ヘンリーは急に声を潜めた。
「ただ、話す前に、確認しておきたいんだが……
 ここのことをあんたに教えたのは、リュックと、あの子と一緒にいた奴で間違いないんだな?」
「え? え、ええ。
 リルムから僕の事を聞いていたとかで、ここに大人たちと一緒に、リルムがいると」
軽装と重装備という違いはあるけれど、顔も身長も瓜二つな少女の姿を思い出しながらラムザは答える。
「それでリックって名乗った軽装の子が、話のお代とかで、幾つか道具を持って行って……
 ああ、いや、なんでもないです」
「なるほどな。
 ……リルムの態度からしても、あんたが信用できる奴だってのは間違いなさそうだ。
 あんたになら事情を話してもいい、んだが」
盗み聞きを怖れている隠密のように。あるいは、台詞の続きが思いつかない役者のように。
ヘンリーはきょろきょろと辺りを見回しながら、言葉を濁す。
その様子と、珍しく口を挟んでこないリルムに不審さを覚えつつも、ラムザは彼の言葉を待った。
数分の沈黙―その果てに、ふと、ヘンリーが視線を止める。

「……ラムザ。あんた、肩口に虫が止まってるぞ」
「え?」
言われて横を見てみると、蛾とも蜻蛉ともつかない大きな虫が、右肩に止まっている。
慌てて手で払いのけようとすると、一瞬早く、虫は静かに宙へと羽ばたいた。
ヒュン、と風切音が鳴った。
―ラムザがそう認識したのと、飾り気のないナイフが虫の胴体を床に縫い止めたのは、殆ど同時だった。

503:大事なことは先に話してください 4/5
12/09/14 00:56:49.60 GfvOKm8S0
「ここはな、闇の世界って呼ばれてる、魔王の膝元なんだ。
 こんなちっぽけな虫だって半分魔物化して、血を吸ったり肉を喰らったり、酷いのになると毒を持ってたりする。
 殺意を持ってる連中ばっかりが敵だと思ってると、足元を掬われるぞ」
「……なんでそんなことを知ってるんですか?」
「ん? ああ、別行動してる仲間が、魔王と戦った勇者だの魔王本人だのなんでね。
 危険な情報は、道すがら話して貰ったり、別れる前にメモ書きにまとめてもらったのさ
 まあ、ピサロの奴には昨日別れたっきり、ずっと会えてないんだが……」
「ピサロ……彼が?」
ラムザの脳裏に、レーベで見かけた眼光鋭い男の姿と、バラバラに引き裂かれた無残な死体が過ぎる。
だが、ピサロの死を知らぬヘンリーは、無邪気に笑う。
「ああ。人間嫌いって話だし、御大層な肩書だけど、腹を割ってみりゃ意外と話の通じる奴さ。
、あいつが無事に戻ってくれば、ここの守りも任せられるし、俺も安心して別行動できるってもんだけどな……」
「おっさんこそ怪我人のくせに何言ってんの!
 きちんと休んでないと似顔絵描くぞ!」
リルムの抗議に、ヘンリーは慌てて両手を振った。
「わ、わかってるから止めろって! 似顔絵だけは勘弁してくれ!」

緊迫感を欠いたやりとりに、ラムザは再び奇妙な感覚を覚えた。
二人組の少女と話していた時、抱いた違和感と同じだ。
(なんだろう…… 何かを隠されているような気がする。
 騙されているような、遠ざけられているような、そんな感じがする)

けれども、眼前の二人も、先ほど出会った少女達も、敵意があるようには見えない。
そもそも悪意があるならば、少女達は不要な道具ではなく命を奪っていっただろうし、
ヘンリーが投げたナイフも虫ではなく、ラムザを射抜いているはずだ。
納得のいく答えを出せないラムザの耳に、ヘンリーの声が響く。

「と、とにかくだ。
 俺達は怪我人ぞろいだし、虫の被害も馬鹿にならないんだ。
 ここにいる間だけでもいいから、見つけたら潰してくれ」
「あ、はい」

ラムザが頷いたことを確かめてから、ヘンリーは踵を返した。
そのままリルムの手を引き、祠の奥へ―階下へと降りていく。
結局、リルムはどうして外に出ようとしていたのか……その答えも聞けないままだ。
「……しょうがないな、もう」
ため息を一つついてから、ラムザは二人の後を追った。

504:大事なことは先に話してください 5/5
12/09/14 00:57:03.18 GfvOKm8S0
【ヘンリー (重傷から回復、リジェネ状態)
 所持品:アラームピアス(対人) リフレクトリング バリアントナイフ 銀のフォーク キラーボウ
     グレートソード、デスペナルティ、ナイフ  命のリング(E) ひそひ草 筆談メモ
 第一行動方針:祠の警備
 第二行動方針:出来れば別行動中の仲間を追いかけて事情を説明したい
 基本行動方針:ゲームを壊す(ゲームに乗る奴は倒す)】
【リルム(HP1/3、右目失明、魔力微量)
 所持品:絵筆、不思議なタンバリン、エリクサー、 静寂の玉、
レーザーウエポン グリンガムの鞭、暗闇の弓矢 ブラスターガン 毒針弾 ブロンズナイフ
 第一行動方針:アーヴァイン達とソロ達が心配
 第二行動方針:他の仲間と合流
 最終行動方針:ゲームの破壊】
【ラムザ(話術士、アビリティ:ジャンプ・飛行移動)(HP3/4、MP3/5、精神的・体力的に疲労)
 所持品:アダマンアーマー、ブレイブブレイド テリーの帽子 英雄の盾 エリクサー×1
 ミスリルシールド、スコールのカードデッキ(コンプリート済み)、スタングレネード×2
 エクスカリパー、ドラゴンテイル、魔法の絨毯、黒マテリア
 第一行動方針:リルムを守る/祠の人達から話を聞く
 第二行動方針:アーヴァイン、ユウナのことが本当なら対処する
 最終行動方針:ゲームから抜ける、もしくは壊す】
【現在位置:南東の祠入口→奥へ】

505:名前が無い@ただの名無しのようだ
12/09/14 14:50:04.04 rGW7bFPb0
投下乙!
いやー、虫潰しに協力させられる話術士……
この微妙なすれ違いが何か余計なものを生まなければいいんだけど……

あ、それと月報データおいておきますね。
FFDQ3 662話(+ 3) 22/139 (- 0)  15.8

506:名前が無い@ただの名無しのようだ
12/09/14 18:30:28.81 +65KnWP6O
乙です
読者側にだけ分かるこのもどかしさ
話術士の特性が吉と出るか凶と出るか

507:エド(前編) ◆O0LqTosP8U
12/09/16 23:18:06.67 Xh3KGSC80
皆さんお久しぶりです、エドです。ラジオやってた人です。
今週末から某所でラジオツアー3rdが始まるようで、我がFFDQ3rdも語られるらしいです。

というわけで、9/21(金)にFFDQ3rdのラジオをしようと思っております。

508:エド(後編) ◆O0LqTosP8U
12/09/16 23:20:52.26 Xh3KGSC80
時間帯としては21:30~あたりを予定。遅れたりするようであれば連絡します。
ご都合がよろしければ、皆さんも「おー、やっとるやっとる」と冷やかしに来ていただければ。
以前のような無茶な長時間配信は不可能ですが、宜しくお願い致します。

URLは当日貼りに来ます。それでは、エドでした。

509:名前が無い@ただの名無しのようだ
12/09/18 22:32:07.18 MyyJaLhEO
ロワらじ復活ktkr!!待ってたよ!!

510:エド ◆O0LqTosP8U
12/09/21 21:35:39.72 lv6jJq6b0
お待たせ致しました。これで大丈夫だと思います。

URLリンク(std1.ladio.net:8000)

したらばにもスレッドを立てますので、まとめサイトさんからどうぞ。



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