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経済論理の濫用による政策論議の歪みについて
─ 財政政策と国債問題を中心として ─
平成24年7月7日
青木 泰樹 (帝京短期大学教授)
URLリンク(trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp)
他方、主流派経済学の立場に身を置きつつ、もしくはそれに正面から対立することな
く現実経済をも分析しようとする一群の経済学者やエコノミストもいる。
彼等の学問的立ち位置はかなり微妙で、わかりにくい。
そうした集団の中に「現在はデフレであり、デフレは経済にとって悪しきことである」と認識し
金融緩和政策によって景気浮揚を図るべきだと考えている人達がいる。
ただし、彼等は「デフレ=悪」であるが、「デフレ=不況」とは考えていない。
にもかかわらず景気浮揚(不況からの脱却)の必要性を主張していることが、
彼等の論理的基盤を益々わかりにくくさせている。
ケインズ経済学もしくは景気変動を許容する枠組みを持つ経済学説(ただし実物的景気循環論を除く)
以外に不況を想定することはできないからである。
彼等は、デフレからインフレに至るまでの間の通貨の再膨張を意味するリフレーションという言葉にちなんで、
一般に「リフレ派」と呼ばれている。
おそらくリフレ派の多くは、言葉の適否は別として「マネタリズム亜流」と考えられよう。