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【食品】競争力ある日本のコメは「ベンツ」 評価高い日本産をうまく生かせ[12/10/15]
スレリンク(bizplus板)
「ベンツがインド車を脅威と感じる必要はない」。
10月1日に経団連で講演したキヤノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹の発言だ。
山下氏は「日本の農業に競争力はない。だから保護が必要」という長年続けられてきた
日本の農業団体や農林族議員らの主張に真っ向から反対する論客の一人。
日本のコメをベンツに例えて、高品質のコメを世界中に輸出することが日本農業再生の
一助になり、結果的に農地も保全されるため、食糧安全保障にも役立つと強調する。
山下氏によれば、香港市場でのコメの評価は、中国産一般ジャポニカ米がキロ当たり
100円なのに対して、日本産コシヒカリは380円と約4倍。
日本の農家は海外市場にも打って出るべきとの明確な主張だ。
海外ではヘルシーな日本食が人気で日本産米への需要も確実に伸びており、納得させられる
視点だ。だが、現実の農政は生産を減らして高値を維持する価格支持政策を続けており、
はなから海外市場を想定していない。民主党政権になって、農家に生産費と所得の差を
補填(ほてん)する戸別所得補償制度が形の上では導入されたものの、減反に応じた
農家にだけ支払われるため、生産調整はなくならず、以前の減反補助金と何ら変わらない。
EU(欧州連合)は生産調整による価格支持から直接所得補償に切り替えた際、農家に
自由に作物をつくってよいことにした。
そのため、市場での取引価格が下がり、国際競争力もついて、輸出に有利になった。
価格が下がったことで、直接所得補償の総額も抑制され、国民負担も減った。
本来、日本でも同様の農政転換があってしかるべきだが、所得補償がほしい零細な兼業農家が
農地を手放さず、専業農家に農地が集まらないという弊害も続いている。
これでは耕作放棄地増大と超高齢化は改善しない。
それでも台湾や米国に輸出して成功している新潟県の専業農家が出てきたほか、クボタも
今年6月から輸出に本格参入した。そうした先行事例に続く農家や企業が停滞する農政に
風穴を開けることを期待したい。