11/01/10 23:37:54
>>263 同趣旨
いまこそ必要な政治の指導力
(略)
明治の初めに3500万人で出発した日本の人口はほぼ一貫して増加してきた。しかし周知のように2005年から
減少に転じた。
日本人のものの考え方を様々な角度から分析し続けた山本七平氏は「日本人の意識の転換にいちばん大きく
作用しているのは、人口増加と人口構成の変化ではないか」と書いている(福武書店「一九九〇年日本」)。
山本さんによると日本人の意識構造の中に「人口は増え続ける」という観念が埋め込まれていて、その中で自分の
生活水準を落とすまいとして必死に努力する。これが明治以降の日本人の生き方だ、という。
この考え方はつい最近までの日本国民の成長志向をうまく説明している。「他人を意識し、みんなに負けては
いけない」ということで頑張るのだ。
それでは人口減少が続くと国民意識はどう変わるのか。
「競争心がなくなる」「周りをあまり意識しなくなる」ということになるのではないか。
(略)
人口減少はまだ始まったばかりだが、すでに人々の意識を変え始めている。しかもその変化の方向は「頑張る」
「冒険する(リスクをとる)」「より良い社会をつくる」という成長志向型とは逆である。
このままでは日本経済の活力はますます失われていく。
(略)
(一直) 大磯小磯 日経2011.01.08