13/01/29 13:11:55.11
どこかの空港。兄(15)と、てつこ(11)が、
空港の待合席で人を待っている。
「どんな子だろうね?」
『あわてなくても、もうすぐわかるわよ』ソワソワ
きょうは2人の両親が、久しぶりに何日か日本へ帰ってくる。
そして一緒に、てつこ達の弟もやってくるのだという。
てつこは口では否定するものの、弟に会うのが楽しみで仕方ないようす。
「弟が来たら、いっしょに拳法習わせる?」
『まさか!10年早いわ。まずは礼儀からしっかり教えて
どこに出しても恥ずかしくない弟にしないと・・・』
「教える気まんまんじゃないか」ハハハ
『え!?ちがうって、もう!』ドギマギ
そこへ小走りでやってくる、両親の仕事仲間らしき男性。
みかん箱ほどの大きさの、樹脂製のキャリーケースをかかえている。
「てつこちゃん!お兄さん!」タッタッタ
『早乙女さん・・・?』
「もうしわけない!博士たちは来れなくなった。
ちょっといろいろ事情があってね」顔を見合わせる兄妹2人。
「あの、ぼくたち今日、弟が来るって聞いてたんですけど・・・」
『え!?そうなの!?弟!?
ぼくはこの箱を、きみたちに届けるとしか聞いてないんだけどなあ・・・
なるべく早めに、人目につかないところで開けるように、だそうだよ』
「はあ」
『ごめん、ぼくもちょっと急いでるんだ。
博士には家のほうに連絡を入れてもらうように伝えておくよ!じゃ、また!』
タッタッタッ キャリーケースを手渡し、足早に去っていく早乙女さん。
「ごくろうさまです・・・」ポカーン