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■ ■中世ファンタジー世界総合 7■ ■ - 暇つぶし2ch167:クリストフ ◆pSc2XoBK8wZ2
12/02/09 01:48:49.21 0
>>157 ヘイラム
> 一度敵とみなせば容赦するな、そいつらを焼き尽くせ。

命令されるのは嫌いだ。
だが、"自分の意志で"命令に従うことには何の忌憚もない。
集団戦では―特に乱戦では。
指揮官の元、隊の意志と行動を統率し、戦力を効率的に運用するのが正しい。
少なくとも、クリストフは士官学校時代にそう教えられてきた。

指揮官が敵を殲滅しろと言った。
ならば答えは一つである。

「Yes」(了解)

指揮官は敵の炎殺を所望である。

「Yes, commander」(了解、指揮官殿)

洞窟のような閉鎖空間に生死不明の敵を残すことは、将来後方からの奇襲あるいは前方の敵と連携した挟撃の可能性を否定できない。
だから今確実にやれという事である。
この瞬間、クリストフ・ルシエはモンスターハンターから、ただ一介の兵士へと回帰した。
士官学校で作法を叩き込まれた、あの頃のような。

使う魔法は決まっていた。詠唱は既に口をついている。
広範囲に渡る火炎魔法で敵を殲滅する。スペルの詠唱は長い。

クリストフは詠唱と同時に周囲の状況を確認した。
洞窟の酸素は大丈夫か。これから爆燃を起こすことで酸欠状態を作り出すことはないか。
あるいは、不完全燃焼による有毒ガスの発生はどうか。

ふと脇を見れば、先ほど燃やしたスライムの炎が揺らめいている……風がある。
洞窟に風が吹いているということは、最低限2つ以上の空気口があり、外気が内部に流入しているということである。
深刻な酸欠と大量の有毒ガス発生の心配はなさそうである。

少年がワンド(魔法の杖)を振るうと、呪文は完成した。
Dragon breathと呼ばれる、広い範囲を炎で焼き尽くす魔法だった。
閃光と爆音が響くと、竜の息吹が席捲したその跡には、もはや生ける物の何も無い様に思われた。


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