12/08/16 18:37:04.26 swi10DJB
>>238
雪と雨は人間であり同時に狼である「おおかみこども」だ。
どちらの生き方を選ぶか、どちらに重点を置くかは、当人たちが決める事だ。
特に雨は、「おおかみはいやだ」って、自己同一性に苦しんでいた。
彼を、花は、「お母さんはおおかみが好きよ」って言って承認し、支えた。
その彼女が、おおかみとしての自己を確立し、自己を肯定しようとする雨を、否定してはいかん。
それでは、台無しになる。
そして、実際、台無しに成り掛けていた。
だが、夢の中の「彼」の言葉の助けも有り(亡夫たる彼から承認された事は、彼女を癒す上で物凄く重要)。
花は、雨の成長と自立を、了解できた。
花は、雨が、おおかみとしての自分を確立し、彼を自分の庇護下に置く事への依存状態から抜けられた。
花は、自分が、然るべき役目を遣り遂げた事を、消化出来た。
「あなたにまだ何もしてあげられてないのにっ・・・!」
これに対する雨の返答が、あの咆哮である。
「ぼくはおおかみとして一人前です。お母さんがここまで育ててくれたのです」
そう告げたのだ。
この時、花は、母親として、報われたのである。
捨てられたアダルトチルドレンは、成熟した大人に成れたのだ。
この物語の花の本質は、「アダルトチルドレン」「共依存」という概念で読解すると理解出来る。
雨と雪が育つ物語であると同時に。
病んだ子供だった花が、成長し、治癒し、解放される物語なのだ。