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この作品であまり理解されなさそうなところは、
雪がおおかみとして山で生きていくことを決めたところだろう。
花と観客は、人間だから、おおかみこどもといっても、
10歳の子供が親から離れて山で生きていくというところにピンとこない。
「いやいや、無理だろ」とか
「おおかみじゃなくて人間として生きろよ」とか
花も、自身が20歳になっても自分の未来を確信しないまま、母さんになってしまった。
普通の人間ならそれほどおかしくもないこと。
だから、10歳の雪が山で生きていくことを必死で止めようとする。
幻の中でおとうさんに「おおかみなら10歳で大人だよ、大丈夫っしょ」と言われても、
雨は私が守ってあげなきゃ、と必死に探しまわる。
雨は雪と違って子供の頃から泣き虫でおとなしかったし、
一度川で溺れ死にかけたから心配で仕方がない。
おおかみにでも、人間にでも、選べるよう育ていこうと決めた花だけど、花は人間だから。
でも、山へ駆け上がって咆哮する息子の姿を見て、
やっと、もう親を離れおおかみとして自立して生きていける、ということを理解する。受け入れる。
だからせめて、「しっかり生きて」と最後の言葉を送る。
(これは、現実でも母親が自立した子供へ持つポピュラーな感情だよね。
「どこで何していても構わない、元気でいてくれれば」的な)