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香芝市は大阪のベッドタウン。人口約７万３０００人で、増加率は西日本で最も高い。旭ヶ丘地区では、この５年で人口が倍増し、約６５００人に。ほぼ５人に１人が６歳未満という。同市は新住民の育児に対する不安、負担を減らそうと、今月、ニュータウンの中心に子育て支援センターを着工。来春開所で、学童保育でも利用される。
厚生労働省によると現在、子育て親子同士の交流、相談などが週３日以上行われているのが全国で約４０００か所あるという。今年度中に約６０００か所に、将来は中学校と同じ数の約１万か所に増やす。子育て中、自宅へこもりがちになる「密室育児」による孤立感の解消が狙いだ。
直美さんと同じ旭ヶ丘に住み、３歳の男児がいる優子さん（３４）（仮名）は「私も出産後の２、３か月、外で会話らしい会話をしたことがなかった」と振り返り、「集いの場は中学校区に一つというより、本当はベビーカーを押して行ける場所にあってほしい」と願う。
その距離を埋める役割を期待されているのが、育児サークルだ。メンバーの自宅や商店街の空き店舗なども、交流の場として生かしている。奈良県天理市にある育児サークル代表で、元保育士の矢田紫真子さん（３４）は「仕事で子どもにかかわったけれど、自分の育児では悩むことが多かった。身近に語り合える相手や場所が大切」と訴える。
香芝市の旭ヶ丘地区で、直美さんや優子さんが期待を寄せる子育て支援センター建設地の脇では自治会館の建設も進む。同市児童福祉課の担当者は、高齢者と子育て世代の交流も期待する。自治会長の田中康二さん（６３）は「子どもさんを預かったり、おじいちゃん、おばあちゃんの知恵を授けたりすることもできるのでは。地域のきずなも子育てのお役に立てるはず」と話す。
（2007年09月25日 読売新聞）