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文科省から“援護射撃” 前川氏vs安倍官邸は全面戦争突入
2017年6月4日
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加計学園疑惑で「総理のご意向」文書は「本物」だと告発した前川喜平前文科次官による新事実の暴露が続いている。さらにここへ来て、問題の文科省文書が省内で「共有」されていたことを示すメールの存在を民進党が公表。文科省関係者からの情報提供だといい、“第2の前川”による内部告発が現実のものとなった。前川vs安倍官邸はいよいよ全面戦争だ。
「そもそも官邸と闘うという気持ちは全然なかったが、乗りかかった船だ」―。共同通信のインタビューでこうつぶやいたという前川氏。トップエリート官僚だけに、行政が歪められたことは看過できないとはいえ、政権を揺るがす気はなかったのだろう。だが、告発が完全無視されたうえ人格攻撃まで受け、怒りに火がついたようだ。
前川氏は1日、獣医学部新設について内閣官房参与から「早く進めてほしい」と要請されたと明らかにしたことに続き、2日の東京新聞のインタビューでは、18年4月開学のスケジュールを「内閣府に作らされた」と明かした。これぞ、官邸周辺が束になって文科省に圧力をかけていた実態であり、こうした新事実の暴露がまだまだ続く可能性も、テレビのインタビューでにおわせている。
■「前川の乱」はついに「文科省の乱」に
そしてついに、文科省内から前川氏への“援護射撃”である。〈官邸の最高レベルが言っていること〉と書かれた昨年9月26日の内閣府審議官との打ち合わせ概要の文書。これが文科省内で共有されていたことを示すメールのコピーと問題の文書を民進党が入手し、きのう公表した。
メールは打ち合わせの翌27日、「CC」で省内の10人以上に送信されている。文面には〈昨日の概要を共有します〉と書かれ、問題の文書が添付されている。前川氏ではない文科省関係者からの内部告発だという。
これについてきのうのNHKでは、文科省の現役職員が「(文書は)専門教育課から関係各所にメールや紙で伝達された」と匿名で答え、「個人のパソコンに残っている」と断言していた。いよいよ内部告発が止まらなくなってきた。前川氏は省内で人望があったという。前川氏ひとりが悪者にされ、一方で現役は抑圧され続ける。そんな現状に、耐えきれない官僚が出てくるのは自然なことだ。
元文科省審議官の寺脇研氏(京都造形芸術大教授)がこう言う。
「ひとりで起こした『前川の乱』が、ついに『文科省の乱』に発展した。これが『霞が関の乱』になったら、安倍首相も菅官房長官も止められません。三流官庁が立ち上がったのです。他の役所は何をしているんですか」
松野文科相は「確認できない」といつまでシラを切り通せるのか。文科省は陥落寸前。安倍首相も逃げられない。