17/02/12 14:31:26.90 CAP_USER9.net
URLリンク(headlines.yahoo.co.jp)
安倍晋三首相との共同記者会見で、トランプ米大統領が選挙戦で示したような対日強硬姿勢は鳴りを潜めた。そこには、譲歩したようにみえて、実利を得ようとする巧妙な「トランプ流」が垣間見えた。
「米国民は日本とその伝統に対し、深い尊敬の念を抱いている」。トランプ氏の安倍首相への配慮は、用意した紙を読み上げた会見の冒頭発言から目立った。
「日本が経済面でも安全保障面でも米国に『ただ乗り』していると描く1980年代のレトリック」(笹川平和財団米国のジェフリー・ホーナン研究員)を多用してきたトランプ氏だが、この日は封印。象徴的なのが安保分野で、負担増要求に応じなければ在日米軍の撤退の可能性までちらつかせていたが、「首相そして日本の人々に対し、米軍を受け入れてくれていることについて感謝したい」とまで語った。また沖縄県・尖閣諸島に対する防衛義務を果たす立場に言及し、共同声明にも盛り込んだ。
トランプ氏が最重要視するのは米国内の雇用創出であり、対日関係でも貿易不均衡の改善や2国間での自由貿易交渉を狙う。将来、通商問題での譲歩を迫るため、今回は安保分野で日本側に「満額回答」を示したとも言える。
また、尖閣諸島に対する防衛義務は、実際にはオバマ前政権の政策を踏襲しただけだが、これまで強硬姿勢をとっていただけに、「譲歩した」と思わせる効果もあった。
中国の習近平国家主席との初の電話協議が9日夜、首相の到着後に行われ、「一つの中国」政策を認めたことも対日けん制との見方もある。米ライシャワー東アジア研究所のケント・カルダー所長は「トランプ氏が安倍首相に多くの(交渉)カードを持っていると示そうとした」とみる。その上で、日本との同盟関係を重視するばかりでなく、中国と対峙(たいじ)させ、米国自身はアジア地域から引いていく危険性があると指摘する。
一方、トランプ氏の過激な外交姿勢がトーンダウンしているとの分析もある。トランプ政権にとって、日本に対する同盟関係の確認と、中国に対する「一つの中国」政策は重要な「交渉カード」のはずだった。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、ティラーソン国務長官が中国との緊張を解くために「一つの中国」政策を認めるよう助言したと紹介。アジア訪問を終えたマティス国防長官も含め経験豊富な側近がトランプ氏の外交姿勢に影響を与えていると指摘した。【ワシントン西田進一郎】