16/06/05 17:03:30.73 CAP_USER9.net
安倍晋三首相は1日の記者会見で消費増税の2年半延期を発表する一方、衆参同日選は回避するとした。
民進党は消費増税を延期する法案まで出したのだから、安倍首相の方針に賛同するのが道理だが、なぜ批判したいのかさっぱりわからない。
参院選では「アベノミクスの失敗」を争点に掲げるというのだが、アベノミクスの柱で、民進党が批判的な金融緩和政策は、雇用の改善という形で結果を出している。
ちなみに、4月の有効求人倍率は1・34倍と24年5カ月ぶりの高水準だ。
沖縄県、鹿児島県以外の45都道府県で有効求人倍率が1を超えている。民主党政権時代、最大8都県しかなかったのと好対照だ。
国内総生産(GDP)が低迷しているのは、民主党政権時代に成立した消費増税法によって2014年4月から消費税率を5%から8%に引き上げたためである。
3党合意があったので、自民党と公明党の責任も免れないが、10%への再増税先送りは、やる場合とやらない場合のメリット・デメリットを合理的に判断した結果であろう。
GDP低迷を放置しておくと、雇用まで悪くなる。理論的には、8%から5%に減税するのが経済政策の筋だが、
消費税は社会保障目的税とされているので、実際に減税する場合、社会保障関係予算の組み替えなどが必要で、実務的・政治的に困難だ。
そこで、消費増税を延期した上で、消費減税と実質的に同じ経済効果となるような財政支出増を行うのが現実的な解となる。
筆者の試算では、消費増税スキップと30兆円程度の財政支出を行えば、20年度の名目GDPは630兆円程度になり、財政再建も容易に達成するだろう。
逆に消費増税を強行すれば、名目GDP600兆円も財政再建も達成は不可能だ。
経済成長と財政再建を同時に達成するには、再増税を中止することがベストであるが、ギリギリの政治折衝の末、経済成長にダメージを与えない期間として、19年10月までの「2年半」が出てきたのだろう。
20年の東京五輪を控えて景気過熱を予防する役割もある。
もちろん、19年4月の統一地方選、同年7月の参院選の後という政治日程も考慮されているはずだ。
18年9月の安倍首相の自民党総裁任期を1年超えているという点も注目に値する。
また、今の衆議院議員の任期は18年12月までであり、19年10月までのことに責任が取れない。
ということは、今回は盟友の公明党の意向で衆院解散を見送ったが、そのうち解散するという手も残っている。
過去に日本がサミット(主要国首脳会議)議長国を務めたのは1979年、86年、93年、2000年、08年と5回ある。
このうち、政権交代の不安があった08年以外はすべて衆院選が行われた。
ひょっとしたらサミット議長国の年に衆院解散という経験則は今年もあてはまるかもしれない。
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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