16/06/03 21:22:34.22 CAP_USER9.net
米ニューヨークに本部がある国連では連日正午から記者会見が行われている。
ニューヨーク支局に赴任して1カ月がたったが、質問内容が加盟国の利害に及ぶようなときには、事務総長報道官が華麗に受け流す場面がよくみられる。
「報道官の回答がどれだけ回避的なものか、雰囲気が分かっただろう」と長く国連を担当する米国人記者に諭されたが、
実際、国連内で共和党の指名候補に確定した不動産王、ドナルド・トランプ氏(69)へのコメントを取ろうとするも、なかなか意見を述べてくれる高官は見当たらない。
米大統領選への“沈黙”は「国連分担金の2割以上を負担する米国の影響力は大きい。
新政権が誕生して、クビになることを恐れているのだろう」という見方をする人もいるが、国連というところは、中立性を重んじる組織なのだとも実感している。
そうした中で、国連トップの潘基文(パン・ギムン)事務総長の「政治的」言動は際立っている。
5月に入ってコロンビア大の講演でトランプ氏を暗に批判したり、韓国・済州島で行われた韓国人記者との懇親会では
「韓国市民として何をしなければならないかはそのとき(今年末の事務総長退任後)に悩み、決心する」と発言したり…。
後者の発言は2017年の韓国大統領選出馬を示唆したと受け止められ、韓国では潘氏待望論が加速しているという。
この発言は、国連内でも波紋を呼んでいる。5月31日の定例記者会見でも、潘氏の大統領選出馬に関する質問が出た。
記者は、1946年の第1回総会で可決された国連決議案について言及。
「潘氏は、事務総長退任後、加盟国の政府の要職に就くということを慎むべきだ、という決議の内容を把握しているのか」との質問に、
国連のドゥジャリク事務総長報道官は「潘氏は間違いなく内容を理解している」と強調し、「事務総長の任期を終えてから何をするか決断する」と繰り返した。
広がる出馬説に対し、潘氏は30日、「私の訪韓中の活動に関連して、誤解のないようにお願いしたい。政治的なものとは全く関係がない」と釈明したが、
潘氏の訪韓前には、金垣洙(キム・ウォンス)国連事務次長が韓国人記者向けにブリーフィングを行ったこともあり、
国連内には「大統領選のために国連を利用しているのではないか」との冷ややかな見方さえある。
米国では次期大統領選が目下の話題だが、国連の事務総長選も今夏から本格化する。
今回の事務総長選では、初めてとなる公開の演説や質疑応答が行われており、候補者の力量や資質を見定めることが可能だ。
次こそは自国ではなく国連の「利益」のために行動するリーダーが選ばれるよう、候補者をじっくり見極めないといけない。(M)
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