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【産経抄】
トランプ氏の日本嫌いはどこに起因するのか 5月9日
産経ニュース:2016.5.9 05:03
URLリンク(www.sankei.com)
「不動産王」として売り出し中だったドナルド・トランプ氏の政治的野心はこの頃、芽生えたのかもしれない。
1987年、ニューヨーク・タイムズなど有力紙に、意見広告を載せて、政府を批判した。
▼「日本やサウジアラビアのような金持ちの同盟国に、防衛負担をさせない外交政策は軟弱だ」。
マスコミは「未来のキッシンジャー(元国務長官)にでもなるつもりか」と冷やかしたものだ。
今や国務長官どころか、米大統領選で共和党候補指名を確実にしている。
▼意見広告の2年後、三菱地所が、ニューヨークの象徴でもあるロックフェラーセンターを買収する。
トランプ氏は、日本非難の急先鋒となった。
「私の事務所に来た日本人が、いきなり室内をカメラで撮り始めた。無礼を大目に見ていたら、いきなり切り出してきた。『アイ・ウオント・プロパティー! アイ・ハブ・マネー!』(不動産が欲しい。お金はある)」。
当時、得意にしていたジョークである。
▼先頃ネブラスカ州で開かれた政治集会では、日本の牛肉関税にかみついた。
日本が米国に輸出する自動車にも高関税をかけるべきだと言うのだ。
この主張も80年代から、まったく変わらない。
当初は、移民やイスラム教徒をめぐる暴言が、注目された。
実は「日本たたき」の方がずっと、年季が入っている。
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▼そのトランプ氏の著書『敗者復活』には、世界的なギャンブラーとして知られた日本人が登場する。
トランプ氏のカジノで、1000万ドルも負けた後、日本の自宅で何者かに惨殺される。
ホテルニュージャパン火災で実刑を受けた横井英樹氏とも、ビジネス上の因縁があった。
▼別のタイプの日本人と親交を深める機会があれば、対日観も少しは違っていただろうか。