14/09/28 12:00:00.62 oFOBpkfb0
電車のホームでもの凄い勢いで古雑誌を集めているオッサンがいる。
よく見ると、長州力ではないか。
働き口のなくなった中年男性の悲しい末路といえばそれまでだが、なんとも惨めな話だ。
ホームや電車のど真ん中を動きまわり、ハイスパートで次々に雑誌を回収していく長州力。
棚に残された雑誌が売り物になるかどうか分別するその厳しい視線は、
まるでかつての現場監督時代を彷彿とさせる。
一心不乱にホームのゴミ箱をあさり、雑誌を抱え込んでいくその忙しない姿は、
木の樹液をすするメスカブトを連想させる。
雑誌の多いポイントに近づく同業者には、「またぐな、またぐなよ、コラっ!!」と激しく恫喝する。
古雑誌回収には、同業者間の取り決め(縄張り、時間帯)があるのだが
、長州力にはそんなものは関係なかった。
長州力の魂の叫び声が聞こえてくるかのようだ。
『俺こそがど真ん中だ。アレだ。心はいつもハイスパート。
アレだ。(同業者との)交流(戦)なんてありえない、潰すか潰されるかだ。』
額のタオルが垢と汗でどす黒く汚れていた。
かつてサイパンで日焼けのためだけに流した汗ではない、今は生きるために流す必死な汗なのだ。
噴き出るその汗は、まるで長州力の中でマグマが沸々と湧き上がっているかのようであった。
長州力の魂の叫び声が聞こえてくるかのようだ。
『さぁ、次の電車が(ホームに)到着したぞ、アレだ。
俺の勝負は終わらない。オイ、金沢、俺はいつだってど真ん中だ。』
ガタンゴトン、ガタンゴトン・・・・・・・・。