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日本の病巣~ひきこもる大人たち(1)
自立したはずの社会人がある朝、突然「体が動かなくなった」「会社に行こうにも、
家から出られない」―そんな“大人のひきこもり”が、水面下で深刻化している。
これまで「精神的な疾患の1つ」として診断されたり、「ニート」の中に一緒
くたにされたりしてきたひきこもり。しかし、長期化や高齢化が進む中で、
その存在は、長らく社会から置き去りにされたまま、いまも増え続けている。
ひきこもりの社会復帰の支援を続けるNPO法人『「育て上げ」ネット』
(東京都立川市)には絶えず、ひきこもりの相談の電話がかかってくる。
工藤啓理事長によると、驚いたことに、最近目立つのは40―50代、中年
世代のひきこもり。コンビニに買い物に行ったり、昼間、図書館に行ったりは
するらしい。妻や、あるいはその親が心配して相談してくるというケースだ。
「このままでは死に切れない…」と、70歳代の母親から、泣きつかれたこと
もあったという。
厚労省は、ニート・フリーター対策で、就職などを支援する「ジョブカフェ」
などを設置している。しかし、あくまでも若年者支援。40―50代の子を
持つ親が相談に行っても「ハローワークへ行かれたらいかがですか?」と
言われ、ハローワークでも「本人が来なければ…」などとたらい回しのように
断られる。いったん、社会から離脱した彼らには、行き場はないのが実態のようだ。
明星大学人文学部の高塚雄介教授(臨床心理学)は、東京都の委託を受け、
都内の15―34歳の男女3000人を無作為抽出で調査。回答者1388人
のうち0・72%が「完全ひきこもり」、また4・9%が「ひきこもり親和群
(予備群)」と判断した。その合計は都内で約20万人の計算だ。しかも、
30―34歳が43%と最も多く、35歳以上を含めれば、かなりの数に上る
と高塚教授は推測する。