15/06/10 17:17:21.66 yNMp760Q0.net
松永と純子は逃亡生活のために引っ越さなければならなかった。金主だった女が死んだため、一緒に暮らしていた松永の元に捜査の手が伸びる可能性があったからだ。
松永と純子は不動産営業の虎谷久美雄という男に出会う。この男が最初の犠牲者である。彼は妻と10歳の娘と3人で暮らしていた。この娘も松永の餌食になり、唯一生き残った生存者である。
虎谷は近所で評判のいいお父さんであったが、松永との出会いによって一転する。
アパート探しは純子の役目であった。逃亡生活のために何十件も色々な理由をつけてアパートを借りていたのだ。その便宜を虎谷は計り続け、松永は狙いをつけた。
「虎谷さん、いつもお世話になっております。実はとてもいいお話があるんですけど…」
「なんでしょう、田中さん」
純子は「田中」という偽名を使っていた。純子は嘘の投資話を持ちかけた。虎谷は純子の話に乗り30万持ってきた。「これは使える」松永はほくそえんだ。
後日、純子は虎谷を呼び出した。
「この前の投資話よりさらにいい話があるんです。私よりもいい方をご紹介しますよ」
「それは是非」純子は虎谷を料亭に呼び出し松永に合わせた。
「コンピュータ技師をしております、宮崎と申します」松永は答えた。
競馬予想会社を設立しようと嘘の投資話を持ち出し虎谷を「所長!」と言って持ち上げた。
こうして、虎谷は松永の毒牙にかかった。