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270 名前:名無しさん@引く手あまた[] 投稿日:2006/12/16(土) 06:55:21 ID:AouGLMmo [7/10]
長い沈黙が続いた。
社長はずっと計画書を見ている。
数字を発表する時も視線はずっと計画書に注がれたままだった。
『この・・・・』
専務が口を開いた。 見かねた常務がフォローに入ろうとした瞬間だった。
やり手の専務は口元を柔らかに
『昨日の、ね。営業データをみてるんだけどさ』
毎日、O課長が本部に送っていた報告書だ。
『閉店時間って25時だったよね?これみると、昨日だけ26時00分に
なってるんだよね』
『なんでなのかな?』
専務の口調は、保育園の先生が子供に話しかけるように柔らかだ。
問い詰めているわけでも咎めているわけでもない。
ただ単純に疑問を口にしただけ、という感じだ。
『はい。実は閉店直後に1組の老夫婦がいらっしゃいまして』
昨日、期限最後の営業日。25時に立て看板を仕舞っていた所、丁度
70代と思しき老夫婦が来店したのだった。
折角来て頂いたのだから、と先にスタッフを帰し、看板を閉まったまま
O課長一人で応対したのだった。