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64 名前:名無しさん@引く手あまた[] 投稿日:2006/12/16(土) 05:57:36 ID:AouGLMmo [1/10]
某財閥系商社で、あるプロジェクトが進行していた。
商社としては、初の純国産外食フランチャイズの立上である。
このプロジェクトを立ち上げた本人であり、その商社の若手NO.1との
呼び声高いO課長が1店舗目の店長になった。
1ヵ月目の目標売上は800万。
何もかもが手探りの状態でスタッフを集め、食材を調達し、慣れない手付きで
野菜を刻んだ。
雑務に追われ、頻発するクレーム対応に追われ、親会社に提出する膨大な資料に追われ…
スタッフの人心掌握する間もなく、退職と採用を繰り返した。
265 名前:名無しさん@引く手あまた[] 投稿日:2006/12/16(土) 06:06:39 ID:AouGLMmo [2/10]
寝る間もないとはこの事だ。
入社4年目に担当した中東のナフサ取引では、1週間で10時間も睡眠が
取れなかったが、それを遥かに上回る激務。
1店舗目なので発注業者など最低限のインフラしか整っていない。
朝6時に家を出て市場で仕入れし、8時に店について仕込み、10時にスタッフ
の朝礼をして11時OPEN。ランチタイムを過ぎれば仕込みが尽き、夜の
仕込みの為に休む間もない。19時~22時のディナータイム、そして閉店25時
までのバータイムを終え、それから明日の準備と清掃。26時からやっとPC
を立上げ、手早く報告書をまとめ、家について床につくのは朝4時だった。
外食の店長がきつい、とは聞いていたが
(当然、このケースは新規事業の雛形という特殊なものだが)
今度ファミレスに行ったら食器はキレイに重ねて帰ろう、
とO課長はしみじみと思ったものだった。
それでも、本物を追求したこの新しい価値観を理解してくださるファン
は急速に増えていった。O課長の手の切り傷も日に日に少なくなっていったし、『店長!』と親しげに呼んでくれるスタッフも増えていった。