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山口組傘下組長 「一般人に手を出すのは自分たちの世界ではご法度。でも工藤会だけは別の感覚で動いている」
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「あの時目が覚めなかったら、殺されていた」。福岡県中間市の男性市議は２００１年１２月深夜、路上で工藤会系幹部ら
３人から突然暴行を受けた。車で拉致されたが、走行中に意識を取り戻し脱出。近くの土手を転がり落ちて難を逃れた。
３人は翌年７月に逮捕された。０４年２月の福岡地裁小倉支部の判決は、男性が選挙で応援していた元中間市長が暴力団追放
を掲げていたことへの「見せしめの襲撃」と認定し、懲役５〜８年を言い渡した。男性は４カ月の重傷を負い、右目は今も
視力が落ちたまま。「家族や同僚の支えで立ち直れたが、未解決のままなら今でも恐怖があったと思う」と話す。
「一般人に手を出すのは自分たちの世界ではご法度。でも工藤会だけは別の感覚で動いている」。指定暴力団山口組（本部・神戸市）
傘下の組長はそう語る。なぜ工藤会は一般人を狙うのか。０８年に死亡した溝下秀男前総裁の著書に象徴的な言葉が出てくる。
「自分のテリトリーを侵すものに牙を剥（む）く。国家権力であろうが、なんであろうが」
「例えば暴力（団）反対とかされたら＜略＞写真撮って、報復する」
工藤会は終戦直後の１９４６年ごろ、当時の小倉市（現北九州市）を拠点に結成され、
６３年に同市に進出しようとした山口組と抗争を起こすなどして「縄張り」を守ってきた。
捜査関係者は「勢力の維持拡大に障害があると判断すれば、徹底して報復するのが組織の方針」
と指摘する。