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邦画は洋画に足を引っ張られた。
鳴り物入りで封切られた木村拓哉主演の「SPACE BATTLESHIP ヤマト」は、興収約38億円。
「最初にぶちあげていた目標80億円は花火としても、映画会社側は『60億円は狙いたい』と思っていたようだ。最終的には40億円台になりそうで、
損はないが、吹っ切れない数字」と劇場関係者。波動砲も今ひとつ、破壊力がなかったようだ。
邦画の“隠れ本命”と呼ばれていた「相棒-劇場版II-」は、興収約24億円。
第1作の約43億円を上回る可能性は低くなった。「それでも配給の東映はかなり満足。地方の客足はまだ衰えず、さらに上積みが期待できる。
すでに第3作もゴーサインが出た」(ベテラン映画評論家)。
東映は仮面ライダー映画が10億円以上稼いだことも安心材料のようだ。
映画評論家の望月苑巳氏は「映画の中身で勝負するより、見た目で勝負するような作品が多いのが正月映画なのだが、例年は2つ、3つある
大作がなかった。ただ、邦画、それも時代劇は頑張ったと思う」という。
チャンバラがない異色の「武士の家計簿」は約13億円、「最後の忠臣蔵」は約8億円。観客ターゲットを絞った作品では上々の成績だ。
「大作より小規模な作品にスポットが当たったのも特徴」と望月氏。その最たる例が単館公開で始まった「キック・アス」だ。
全国4館でスタートしたが、渋谷の劇場では2日間全回満席の大ヒットスタート。現在は13館に増え、最終的には興収1億円台が確実だ。
「台湾の歓楽街を舞台にしたハードボイルドアクションの『モンガに散る』など、久々に単館系の映画にファンが集まった」と都内のミニシアター関係者は話す。
期待を裏切った洋画も今月封切りの「ソーシャル・ネットワーク」がヒットスタートするなど個々の作品のポテンシャルは高い。
次の稼ぎ時、春休み~GW興行に向け、映画界は盛り返しに向かう。
[ 2011年1月26日17時00分 ]
実はコケてない相棒映画