10/07/02 00:17:45 jWj6qlQj0
>>968続き
よく比較される「八日目の蝉」では、物語のいびつさを隠していない。
誘拐されて他人を母親と思い込まされていた子供は、
大人になってその時の誘拐犯に対する愛情も、幸福もほとんど忘れて、
それでも本当の家族と正常な感情の交流が持てず苦しみ、その原因を作った犯人を憎んだ。
そして犯人の女は、その子を愛しつつも一生会わないという、犯した罪にふさわしい罰を自身に科す。
(最後は会いたくてたまらなかったその子に出会ってしまい、名前を呼ぶが
その子は、一瞥しただけで、相手が誰であるか気が付いたうえで立ち去るという、
罰とも救いともつかない複雑微妙な見事なラストシーンであった)
この手の物語はこうなるのが正常だと思うんだけどね。
まあそうしてしまうと似すぎてしまうので、あえて(なんとなくの)ハッピーエンドに持って行く意図は
ある意味チャレンジングでもあり評価できるが。うまく処理しきれたとは私には思えない。
(多くの人は違和感も持たず満足しているみたいなんで、大多数に対しては成功したってことだろうけどね)