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『<日本人>の境界―沖縄・アイヌ・台湾・朝鮮 植民地支配から復帰運動まで』
小熊 英二 19980710 新曜社,778p.
■内容
メタローグ
明治の琉球処分から戦後の沖縄復帰まで、近代日本百年の沖縄、アイヌ、台湾、朝鮮にたいする政策論を検証し、国家がみずからの境界をどのように画定していったのかを考察した大著。
<日本人>の境界をめぐる、日本政府の周辺地域政策論のあいまいさは、かえって<日本人>が自明なものではなく、状況によって変動する言説上の概念であることを明らかにする。
しかしこの概念は、人を国家の資源としていきなり戦争にかりだす、そういった概念なのだ。本書で出会う<日本人>の境界に位置する人々の言葉に、これからどういう社会をつくっていけばよいのかを考えるヒントがたくさんつまっている。(中山修一)
『ことし読む本いち押しガイド1999』 Copyrightc メタローグ. All rights reserved.
■内容(「BOOK」データベースより)
話題作『単一民族神話の起源』から三年。琉球処分より台湾・朝鮮統治をヘて沖縄復帰まで、近代日本の100年にわたる「植民地」政策の言説をつぶさに検証し、「日本人」の境界とその揺らぎを探究する。
■目次
序章
Ⅰ
第1章 琉球処分―「日本人」への編入
第2章 沖縄教育と「日本人」化―同化教育の論理
第3章 「帝国の北門」の人びと―アイヌ教育と北海道旧土人保護法
第4章 台湾領有―同化教育をめぐる葛藤
第5章 総督府王国の誕生―台湾「六三法問題」と旧慣調査
第6章 韓国人たりし日本人―日韓併合と「新日本人」の戸籍
Ⅱ
第7章 差別即平等―植民政策学と人種主義
第8章 「民権」と「一視同仁」―植民者と通婚問題
第9章 柳は翠、花は紅―日系移民問題と朝鮮統治論
第10章 内地延長主義―原敬と台湾
第11章 統治改革の挫折―朝鮮参政権問題
Ⅲ
第12章 沖縄ナショナリズムの創造―伊波普猷と沖縄学
第13章 「異身同体」の夢―台湾自治議会設置請願運動
第14章 「朝鮮生れの日本人」―唯一の朝鮮人衆議院議員・朴春琴
第15章 オリエンタリズムの屈折―柳宗悦と沖縄言語論争
第16章 皇民化と「日本人」―総力戦体制と「民族」
第17章 最後の改革―敗戦直前の参政権付与
Ⅳ
第18章 境界上の島々―「外国」になった沖縄
第19章 独立論から復帰論へ―敗戦直後の沖縄貴族論争
第20章 「祖国日本」の意味―1950年代の復帰運動
第21章 革新ナショナリズムの思想―戦後知識人の「日本人」像と沖縄
第22章 1960年の方言札―戦後沖縄教育と復帰運動
第23章 反復帰―1972年復帰と反復帰論
結論