11/03/24 11:16:39.18
ロシア宇宙庁のペルミノフ長官は、火星や他の惑星への有人飛行に備えて、原子力を使った宇宙船の開発に着手し、2012年までに基本設計を終える方針を明らかにしている。
旧ソ連は小型の原子炉を搭載した人工衛星を打ち上げていたが、新宇宙船は出力がけた違いに大きい「メガワット級」にする方針。
事故による放射能汚染の恐れも指摘されている。
ロシア通信によると、建設には9年間かかり、170億ルーブル(約530億円)の費用が必要と見積もられている。
メドベージェフ大統領も「立派な計画だ」と賛同し、政府に財政支援を促した。
アメリカのスペースシャトルなどは、液体水素を燃やす化学反応により噴射ガスを発生させて飛ぶ。
化学ロケットと呼ばれるこの方式は大きなパワーを出せる半面、燃費が悪い。
長期飛行では大量の燃料が必要になるので、火星には不向きだ。
これに対して原子力宇宙船は燃費に優れ、長距離を短期間で飛行できる。
ウランの核分裂反応により、少量の燃料で膨大なエネルギーが得られるからだ。
原子炉の熱で水素を噴射したり、電気を起こしてプラズマを噴射する方法がある。
原子力宇宙船についてはロシアは旧ソ連時代の1960年代に研究に着手。
2009年、火星を視野に本格的に開発する方針を明らかにした。
宇宙用原子炉に詳しい日本原子力研究開発機構の岩村公道上級研究主席は「コストを度外視すれば、技術的には開発可能だ。
ただ、打ち上げ失敗で原子炉が地球に落下する危険性は否定できない。
このリスクをどこまで許容できるかが根本的な課題」とみている。