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NHK特集「警世」松下幸之助と日本経済 1975年9月12日放送
だいたいその、戦後30年というものはね、高度成長に経済が発展してきました、
復興といいますか。それはその通りに違いはないけれども、
それはやはり外国の援助というものによってね、やったわけですわな。
だからね、日本国民の自力によって戦後の復興したんやないんですね。
結局、30年間の間には、そのー、自力更生というようなことを言う人も有りますけども。
3年も4年も戦争して負けたと、普通であれば、昔であれば民族が奴隷になったり、
或いはつまり非常に苦しみを味わいますわな。
…ところが日本は戦争に負けたその日から救済されてるでしょう、早く言えば。
まあ一つその、技術もあげましょうと、まあ一つ食べ物も援助しましょうと、
政治の方も教えましょうと。そういう結構なねえ、負け方というものは無いでしょう、
昔からずっとねえ。要はね。そこにそもそも甘えがあったわけですわな。
その甘えが積もり積もって今日そのつけを払わなくてはいけなくなったわけですわな。
30年のつけを今支払いせんならんという状態ですな。そう考えますな。
今は精神的な貧困を持っているわけですな。国民の考えが一致しないです、
みんなお互いにね、精神的なエゴというか、そういう考え方が強いですな。
そこで、これからは精神的なエゴとエゴが衝突して国民がバラバラになってきたと。
そこから今度はものを失うという状態にまでなってきたわけですわ。
戦後30年にしてようやく日本は精神的な敗北をしたんですな、早く言えば。