10/09/22 11:34:02 cE8Lwdv3
「今さら言うことは何もない。行方不明になった時点で一度死んでるんだ。思う存分やってくれ」
「本当にいいんですか?今ならまだ止められます。クロス運転が成功したとしてもブレーカーが落ちてしまったら?」
「その時は俺たちは税金泥棒さ。ただし何もせず手をこまねいていてはやぶさが帰還出来ないまま終わってしまったら、
やっぱり俺たちは税金泥棒だ。どっちがいい?
・・・それに俺たちにゃ、もともと選択の余地なんて残されちゃいないのさ。もし失敗するようなことがあればミッションはそこで終了、
影響がどこまで広がるか見当もつかん。しかし成功したとしても、事業仕訳けによって宇宙開発は縮小の一途を辿ってる。
どっちに転んでも分のない勝負さ。もしかしたらM-V-5を打ち上げた時、すでに結果は解っていたのかもしれん。そうは思わないか?」
「それでもやるんですか?」
「技術屋にゃ不向きな性格だな。いつも割りくわせちまってすまないと思ってるよ」
「どこ行くんです?」
「上層部の許可を取り付けたとは言え、失敗する可能性の方が遥かに大きいんだ。そうなりゃテレビ局や新聞記者の連中が黙っちゃいないよ、
こちらから会見して時間を稼がにゃ。これもプロジェクトマネージャの務めってやつさ」
「川口さん」
「はい?」
「いや、何でもないです」
「じゃ、起動確認、よろしくね」
(機動警察パトレイバー・劇場版)