10/09/11 13:51:32
分子動力学法には1.分子を古典的に扱う、2.分子間の相互作用を何か仮定するという、近似がある
1.の方は典型的に熱的ド・ブロイ波長が分子間距離より長ければ正当化される。
分子間距離が短くて量子論的な効果が効いてくる場合は分子自体を古典的に扱うのは全然駄目だから、
普通は原子核を古典的に扱って電子を量子論的に扱うということをする。
電子に比べて原子核の方は遥かに重いからほとんどの場合はこの近似で大丈夫
分子スケールでの現象に興味があるときは原子核を量子化する必要は基本的にはない
2.の相互作用の方は、大きい系を扱っていて分子数が多い場合は
相互作用ポテンシャルの形をあらわに仮定する(ファンデルワールス力など)。
分子間距離が短くて電子を量子論的に扱わなければいけない場合は
Schrodinger方程式を解いて電子構造を求めて電子からの力をガチで計算して
分子に働く力を求めるということをする