10/11/08 14:16:55 0
まず、ドルゥーズによる苦肉の策を見ていこう。
ドゥルーズは、時間に関する四つのパラドックスを挙げている。
その中に、現在と過去の同時性、なるものがある。
はたしてドゥルーズが、ベルグソンの持続を正しく継承していたかは疑問である。
というのは、ドゥルーズは、現在が過ぎ去る根拠として純粋過去を挙げているが、
本当は、現在が持続しているからこそ、その根拠としての純粋過去が存在する、
というべきで、ドゥルーズ時間論には「持続」というそもそもの条件が示されていないのである。
だからこそ、ドゥルーズは現在と過去の同時性を考えざるを得なかった。
すなわち、仮にドゥルーズが持続の概念を正しく継承していなかったとしても、
時間が立体モデルをもつことによって、時間の「進んでいく」原理は一応示されるのである。