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ボルダリング
現代では老若男女にスポーツとして親しまれているボルダリングであるが、
源流をさかのぼると、実は発祥は古代中国にあり、元々は武術として発展してきた
技術体系である。
開祖は、「坊・打厘具」(ぼう・だりんぐ)という武道家であり、現在の
「ボルダリング」という名称はこの武道家の名前に由来する事は
言うまでも無いだろう。
彼は自らの指を凶器と呼べるほど極限にまで鍛え上げ、敵の鎖骨や眼窩といった
弱点を狙ってこれを突き刺し、全体重をかけてぶら下がるという殺人技を
得意としていて他流派から恐れられた。
この時代のもう一人の中国拳法の達人「岩・馬」(がんば)とも何度も
対戦したが決着は付かず、生涯にわたって宿敵としてしのぎを削った。
坊・打厘具は、その殺人技に磨きをかける為の指の鍛錬として、河原にある
小さな岩の窪みに指をかけて登る訓練を日課としていた。
これがボルダリングの始まりである。
坊・打厘具の門下生の中に「冠・派針具」(かん・ぱしんぐ)という
男がおり、特にその才能を指の鍛錬方法の開発方面に発揮して名を上げた。
木の板に小さな木片を取り付け、それを指だけで上り下りする方法である。
この訓練は指の強化に絶大な効果を生んだ。これがキャンパシングの
始まりである。
余談だが、坊・打厘具が岩を登る訓練中、どうしても辛くなって
諦めそうになったとき、門弟達は、打厘具の闘志を高めるために打厘具に
向かって宿敵の名を何度も叫ぶ事によって師匠を奮起させたという。
「岩・馬に負けるな!」「岩・馬を倒せ!」「岩・馬!!」「岩・馬!!」と。
この掛け声は現在でも残っている。
民明書房刊
『スポーツの起源-その創造と継承-』より