10/11/16 20:24:18 0
「対中強硬派」として中国が警戒する前原誠司外相が、持論を封印し日中関係修復に動いている。
横浜で日中首脳会談を受けて14日に開かれた日中外相会談は、前原氏ら日本側の働きかけを中国が
受け入れて実現した。楊潔※(よう・けつち)中国外相との信頼関係構築を模索し、慎重な発言を
するようになった前原氏。中国側も同氏の「軟化」を歓迎しているとみられ、2人のつながりを
関係改善に結びつけようとする両国の思惑が重なる。(※は竹かんむりに褫のつくり)
前原氏は以前から中国脅威論を唱え、中国メディアから「タカ派」(中国国営新華社)と批判されて
きた。尖閣諸島沖の漁船衝突事件後、前原氏が中国の対抗措置を「ヒステリック」と批判した後は
さらに燃え上がり、中国が10月末のハノイでの首脳会談を拒否した理由を「前原外相の言動」とした
中国メディアもあった。
政府関係者によると、中国側からは、前原氏の発言が首脳会談開催の障害になっていることが非公式
に伝えられていた。13日の首脳会談も中国側は受け入れの表明を最後まで先延ばしした。政府高官に
よると「前原氏も『自分のせいで2回も首脳会談が流れたと言われてはたまらない』と、最近は発言に
注意するようになった」という。
前原氏はハノイで初めて楊氏と会談した際、横浜での外相会談を持ちかけ、「横浜は観光客が多く、
ぜひ直接案内したい」とまで提案したという。案内は実現しなかったが、日中首脳会談の後、13日夜に
開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の夕食会で、両外相は約2時間、隣同士の席で
話した。「私は野球でしたが、スポーツは何をやっていますか」(前原氏)、「卓球です」(楊氏)など
和やかな会話を交わす中で、外相会談の開催に合意した。
ただ、外相会談では楊氏が「首脳会談は、双方のハイレベル(の政府高官)が何度かの有益な接触を
踏まえて実現した非常に容易ではないものだ」と訴えた。首脳会談までの道のりの険しさを強調する
ことで、前原氏にくぎを刺し、軟化姿勢を定着させたいという思惑も透けて見える。
▽毎日新聞
URLリンク(mainichi.jp)