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・「私は無料が好き。ゲーム無料はモバゲー」「今日からあなたもキャバ嬢。接客でナンバーワンを
目指せ!キャバ嬢ゲームもグリーで」……。
まるで携帯ゲームが日本の地上波をジャックしているかのようだ。今年9月に関東地区で
放映されたテレビCMの銘柄別ランキングで、携帯電話向けゲームサイトの2大巨頭、
グリーの「GREE」とディー・エヌ・エー(DeNA)の「モバゲータウン」が、前月に続いて
1位と2位を独占した。合計の放映回数は4150回。どんな商品やサービスをもしのぐ旺盛な
広告出稿。それだけ儲かっている証左である。
この11月1日、2010年7~9月期決算を発表したDeNAとグリーの2社は、とんでもない
収益力と成長力を見せつけた。DeNAの売上高は前年同期比3.2倍の271億円、純利益は
同4.5倍の76億円。グリーの売上高は同82%増の124億円、純利益は同74%増の37億円。
釣りスタの目的は、より多くの種類の大きな魚を釣ること。操作は携帯電話の
ボタン1つ。グリーは、そんなシンプルなゲームに、ソーシャルな要素、つまり友達や知り合いと
なったユーザーとのコミュニケーションを巧みに絡め、釣果やアイテムを自慢したり競い合ったり
する楽しみを演出した。これが、グリーに莫大な課金収入をもたらした。
確かに、ゲーム自体もアイテムも無料だ。ただし、より大物や珍しい魚を楽に釣ることができる
高級なアイテムとなると、交換までの道のりは果てしなく遠い。そこで重宝するのが「ゴールド」と
呼ばれる仮想通貨である。
例えば、「水神」という高級ざおは2万ポイントで交換可能だが、それだけ貯めるには、ハゼやザリガニなどを
約1000匹も釣らなければならない。ところが、ゴールドであれば1000ゴールドで交換できる。
月額1050円が課金される「釣り★スタプラスコース」に入会すれば、その場で1000ゴールドが手に入り、
即座に水神を手にできる。つまり、労力や時間を、現金で買うことができるのだ。
(>>2-10につづく)
URLリンク(www.nikkei.com)