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「千円で治して」…お金足りず治療中断も 医療機関調査
2010年11月11日
患者の経済的な理由から治療を中断したことがあるという病院や診療所が4割にのぼることが、
全国保険医団体連合会(保団連)の全国調査でわかり、11日発表した。患者が検査や薬を断ることもあり、
保団連では「国民生活の困窮が第一線の医療にあらわれている」とみている。
今年5~10月、歯科を含む会員の病院・診療所に調査票を送り、9677カ所から回答を得た。
「この半年間に主に患者の経済的理由で治療を中断または中止した事例がある」という医療機関は38.7%。
「医療費負担を理由に検査や治療、投薬を断られたことがある」は43.1%。患者の負担分について
「未収金がある」は48.2%だった。
治療中止は糖尿病、高血圧、気管支ぜんそく、うつ病など継続した治療が必要な病気で起きていた。
「原因不明の体重減少で病院を紹介したが受診せず死亡」とか「脳梗塞(こうそく)の後遺症で
寝たきりだったが金銭的に大変なので往診を月1回だけにと言われ、今夏に熱中症で死亡」などの
事態も起きていた。
「いくらかかりますかと診察中にたびたび聞かれる。5年前は全くなかった」
「千円以内でお願いしますと言われた」という回答もあった。
保団連の住江憲勇会長は「必要なときに十分な医療が受けられることが求められる。
患者の窓口負担の大幅軽減が必要だ」と語る。(編集委員・浅井文和)
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