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尖閣ビデオ流出事件で、仙谷由人官房長官は海上保安庁の鈴木久泰長官の更迭は示唆したが、
馬淵澄夫国土交通相や自身の責任は回避する姿勢を明確にしている。
絵に描いたような「トカゲのしっぽ切り」だが、サラリーマンの世界なら、
手柄があれば自分のもの、失敗すれば部下に責任を押しつける無責任上司は最も忌み嫌われる。
民主党政権は、無責任体質が染みついているのか。
仙谷氏は10日午後の記者会見で鈴木長官の責任について「強制力を執行させる部局なので
強い権限の代わりに重い責任がある」と述べ、辞任は不可避との考えを表明。
一方で馬淵氏や自身については「政治職と執行職のトップの責任のあり方は違う」と述べ、
引責辞任は必要ないと示唆した。
民主党若手議員は「ここで辞任したらあしき前例ができる。馬淵氏が辞任なら、
警視庁のものとみられる資料が流出したので、岡崎トミ子国家公安委員長も自動的に辞任だ。
当然、菅直人首相の任命責任も問われる。辞任ドミノにつながりかねない」と政権側の都合を解説する。
ただ、民主党は野党時代、政権側にスキャンダル、省庁に不祥事があれば、
すぐに閣僚の辞任を求めてきた。例えば、「政治とカネ」や「バンソウコウ」で赤城徳彦氏、
汚染米流出問題などで太田誠一氏が農水相を引責辞任した。
しかし、「政治主導」を掲げた民主党は政権交代後、政治家が役職を辞さない
「身内に甘い」(自民党中堅議員)姿勢が目立つ。
表のように、引責辞任したのは鳩山由紀夫首相(当時、以下同)のみで、
参院選で大敗したにもかかわらず枝野幸男幹事長は辞任せず、千葉景子法相は参院選で落選し民意に
「ノー」をつきつけられたのに続投した。
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