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2000年代に入ってインターネットが急激に普及すると、テレビの影響力は急激に後退。
「最も情報感度の高い層」がテレビからインターネットにメインメディアを替えたと、電通総研は指摘している。
「ヒット曲を生むエンジン」としてのテレビはガス欠のように失速し、同時にJポップも勢いを失った。
最高記録から10年後の2008年、レコード出荷額は2450億円と最盛期の40％にまで縮小してしまった。
「最大多数が合意可能な範囲」の表現である「広告」と、多数の合意を必要としない
自由さを特徴とする「音楽」とでは、表現としての目的がまったく違う。
この「広告」と「音楽」の違いは「広告」と「報道」の関係でも同じだろう。
両者は「利害が対立する」のではない。目的がまったく違う別の形態のコミュニケーションなのだ。
それを「抱き合わせ」にしたのが、そもそも悲劇の始まりだったのだ。
もちろん、広告スポンサーの価値観が反映される音楽があってもいい。
が「そればっかりになってしまった」ところに日本のレコード会社が陥った誤謬がある。
コンテンツの多様性を失ってしまったのだ。CMタイアップに売り込みやすい
「無難」な曲や歌い手、ミュージシャンばかりが並ぶようになってしまった。
民放テレビ局は、まったく同じ「必敗パターン」に迷い込んでしまったように感じる。
断っておくが、スポンサー好みの番組がないと、収入が減って経営が成り立たない。
そういう番組は必ず必要だ。「テレビ局がスポンサー好みの番組をつくる」ことが
悪いのではない。「そればっかり」になってしまって多様性がないから困るのだ。
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