10/10/24 08:06:30 0 BE:617258063-PLT(12556)
高さ十数メートルのクレーンにつるされた巨大な星条旗の下を、200台を超す大型のオートバイが駆け抜けた。
9月末、米中西部ミズーリ州カンザスシティーの公園。サングラスと革ジャンに身を固めたライダーたちを、
星条旗を手にした人々が迎えた。
帰還兵とその家族らがオートバイで集結すると、「癒やしの壁」と車体に書かれた大型トレーラーが登場。
荷台の扉が開かれ、ベトナム戦争の写真や兵士の手紙などの展示が現れた。ベトナムで戦った米兵たちを
たたえる内容だ。
「ベトナムからの帰還兵は社会に温かく迎えられなかった。イラクやアフガニスタンの帰還兵に
同じ思いはさせたくない」。ホンダの大型バイクで駆けつけたアマンダ・チェリーハウスさん(43)は言った。
アマンダさんの夫ジムさん(41)は米軍に勤務し、アフガンとイラクに派遣された。目に見えない
ゲリラ攻撃を恐れ、血を流す現地の子を目のあたりにして、心を病んだ。帰還後、感情の起伏が激しくなり、
自殺を図ろうとしたこともある。しかし、戦争と縁遠い人々はこうした問題には無関心で、
夫妻に救いの手を差しのべてはくれなかった。
「彼らを守るには、我々が人間の盾になるしかない」。アマンダさんは仲間とバイクに乗り、
抗議デモを戦死者の葬儀に近づけない活動もしている。葬儀が抗議グループに襲われる事態が多いためだ。
戦争で大けがをした若者たちが、社会の目を戦争に向けようとしている。そう聞いて、
米カンザス州アチソンに、イラク帰還兵のスコット・スティーブンズさん(26)を訪ねた。
麦畑が広がる穀倉地帯にある自宅の居間に、スコットさんは片足跳びで現れた。むき出しの左足は
ひざ下が失われ、左手首は直角に曲がっている。傷跡の生々しさにたじろぎ、思わず目をそむけた。
*+*+ asahi.com 2010/10/24[08:06:29] +*+*
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