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新聞各社の販売・広告収入に回復の兆しが見えないなか、「負け組」ともささやかれていた
毎日・産経の業績が、回復を見せている。だが、この2社は、部数も大幅減。
このふたつは一見矛盾するように見えるが、業績回復の裏には何があるのか。
産経も09年3月期では6億4500万円の経常損失を計上していたが、10年3月期には
5億8400万円の黒字になっている(いずれも単体ベース)。
両社とも「減収増益」なのだが、部数は急減している。日本ABC協会の「新聞発行社レポート」によると、
09年1月~6月の朝刊の平均部数は、毎日が380万4373部、産経が184万6591部。
だが、1年後の10年1月~6月には、それぞれ359万3867部、163万3219部にまで減少している。
減少幅で見ると、毎日が5.5%、産経が11.6%。朝日新聞の部数は795万5595部で、
ついに「800万部割れ」だが、減少幅としては1%未満で、毎日・産経の減少幅が際だっている。
黒字転換と部数減は、何らかの関係があるのか。毎日新聞社の常務取締役(営業・総合メディア担当)などを歴任し、
「新聞社-破綻したビジネスモデル」(新潮社)などの著書があるジャーナリストの河内孝さんは、
「朝日のように財務体質が良い無借金経営の会社は、赤字決算を計上することとで『ウミを出す』効果も期待できます。
ですが、毎日・産経は銀行団の手前、何期も連続して赤字を出すわけにはいかない。
関連会社の株式を売却したり、社債の借り換えをするなど、経理担当者は、相当な苦労をして黒字決算にしたのでは」
とし、直接の関連はないとみている。
ただし、「販売経費を削減せざるをえなくなった結果、いわゆる『押し紙』を維持できなくなった可能性もある」
と、経費削減の結果として部数減に繋がっているとの見方だ。また、すでに販売店が疲弊していることから、
「部数は、このまま粛々と減っていくでしょう」ともみる。部数が減ると、用紙代や輸送費が浮くという一時的な経費削減効果があり、
これは今後の決算に反映されてくるものとみられる。
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