10/10/13 17:39:11 0
「がんについて知っている」のと「がんそのものを知る」ことは全く違う。
“がんサバイバー”である医師の言葉は、生の迫力に満ちている。
帝京大学医学部・加藤大基氏(39)に肺がんが見つかったのは2006年の春、
まだ34歳だった。レントゲンを見た瞬間は、「まさかこれ俺の肺じゃないよね?」と思ったという。
「タバコは吸わないし食生活もインスタント食品やファストフードは避けて野菜を多く摂っていた。
前年の定期健診でも肺の写真に異常はなかったですから」
が、次の瞬間にはものすごいスピードで思考が回りだした。良性か悪性か、悪性なら原発か転移か、
転移なら4期がんで余命は厳しい。つねに最悪な状況を考える性格だという。
幸いにも、肺がんとしては、「初期」の段階だった。
「初期である1a期の肺がんで転移もなかった。手術のみで化学療法もしていません。
初期がんは自覚症状がないんですが、僕はたまたま胸の圧迫感が気になり軽い気持ちで検査をオーダーしていた」
胸の圧迫感はがんとは無関係と後でわかった。小さな幸運が重なったのだ。
とはいえ手術は肋骨を切り肺の下半分と周辺リンパ節の一部を切除する大掛かりなものとなり、
その影響は決して小さくなかった。左肩とひじの痛み、脈拍の上昇、水の誤嚥。
治療で患者が受けるダメージを身をもって知った。それは再び第一線の現場に戻ってきたこととも無関係ではなかった。
「小さなクリニックの良さもあるのですが重症な患者さんはやはり大病院にいく。少しでも彼らの助けになりたかった。
特に今後は放射線治療の需要は増える。放射線治療医の数は全国でわずか500人足らず、つねに医師不足なんです」
1期の肺がんの5年生存率は75-80%。再発の不安とは残りの20-25%への不安だ。
加藤氏の場合、頭から離れないその数字こそが人生のスイッチを押し、思いっきりアクセルを踏み込ませた。
「時間の有限性というのを非常に強く感じたんですね。それまではただ漠然と毎日が続いていくように感じる中で、
色んなことを先延ばししながら鬱々した気分を重ねていた。
URLリンク(www.news-postseven.com)
>>2以降へ続く