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9月30日夜、首相公邸で開かれた首相、仙谷由人官房長官と参院民主党幹部らとの会合では、こんな会話が交わされた。
川上義博・参院予算委員会理事「ビデオを公開したら大変なことになる。日中関係改善は2、3年遅れる。温存した方がいい」
仙谷氏「おっしゃる通りだ。ぜひ国会でも国対でもそう言ってください」
首相「よく分かりました」
政府・与党内には、明らかに中国側に非があることを示すビデオを公開すれば、
国民の「反中感情」をあおることになるという危機感も強いようだ。
衝突事件にかかわる省庁の政務三役の一人はビデオを見て「あれは公開してはいけない。
あれを見たら『中国人ふざけるな』と国民感情が燃え上がってしまう」と感想を漏らした。
やはりビデオを見た民主党幹部も公開を躊躇(ちゅうちょ)してみせた。「ビデオを出したら国民は激高するだろうな」
8日の代表質問で首相は、菅内閣が掲げる「主体的外交」に関して、こんな熱弁をふるった。
「最終的に外交の方向性を決めるのは主権者たる国民だ。一部の専門家だけでなく、国民一人ひとりが自分の問題ととらえ、
国民全体で考えることにより、より強い外交を推進できる」
菅政権では、ビデオを国民の目から隠そうとする「対中配慮」は目立つ。だが、首相が語ったこの理念を実現するために、
国民に必要な情報を提供しようという発言は、聞こえてこないのが現実だ。
産経新聞 ※記事の一部抜粋
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