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★「軍事禁区の表示に気付かず撮影続けた」
中国石家荘市で国家安全当局に拘束され、９日に釈放された建設会社フジタの
中国現地法人副部長高橋定さん（５７）が１０日、東京都渋谷区のフジタ本社で記者会見し、
自らビデオ撮影をしていたことを明らかにした上で、長期の拘束となった理由について
「軍事管理区域を示す『軍事禁区』の表示に気付かずビデオ撮影を続けたためではないか」と説明した。
高橋さんは１９日ぶりに釈放され、１０日午前、東京・羽田に向け上海の虹橋国際空港を出発。羽田には日本時間午後０時半ごろに到着した。
会見の冒頭、高橋さんは「心配をかけ、大変申し訳ありませんでした。日本に帰って来ることができて、大変うれしい」と述べた。
ビデオには、中国人スタッフが「軍事禁区」と指摘する音声が残っていたが、
高橋さんは気付かなかったとしている。拘束された日本人４人のうち、撮影していたのは高橋さんだけだった。
高橋さんは撮影の目的について「ビデオを購入したばかりで操作に慣れるために
風景などを車窓から断続的に撮影していた。調査目的ではない」と話した。
高橋さんなどによると、中国当局は「軍事管理区域をビデオ撮影したため罪になる」と説明。
高橋さんは保釈金５万元（約６１万円）を支払い、「中国の法律に違反しており迷惑を掛けた。
後悔している」との内容の始末書を提出したことを明らかにした。
既に釈放された３人を含め４人とも出入国禁止などの処分は受けていないという。
ブリュッセルでの今月４日の日中首脳会談で、尖閣諸島周辺で起きた中国漁船衝突事件により
悪化した日中関係を改善する方針で一致したことを受け、中国側は高橋さん釈放の政治判断をしたとみられる。
４人は９月２０日、旧日本軍の遺棄化学兵器関連事業の入札に参加するため石家荘市内で下見をしていた際、
軍事管理区域に許可なく侵入、不法に「軍事目標」を撮影したとして、軍事施設保護法違反の疑いで拘束されていた。（共同）
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▽関連リンク 株式会社フジタ
●中国石家荘における当社社員への取調べについて
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