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先日、内閣府が行った「ひきこもりに関する実態調査」の結果が公表された。
「十五〜三十九歳の引きこもりは推定で六十九万六千人。この年齢層の五十人に
一人以上が引きこもっていることになります」(社会部記者)
引きこもりの原因は時代とともに変化しているという。
「八〇年代の引きこもりはスチューデント・アパシー(大学生などに見られる無気力状態)が主な原因で、
ちょっとしたアドバイスで復帰できた。しかし九〇年代以降は、単位が取れなかったり就職に失敗したことがきっかけで
『自分は人生の落伍者』と思い込み引きこもる傾向にあります。
最近の就職難も増加の原因のひとつと言えます」(三十年間引きこもりの若者に向き合ってきた和歌山大学保健管理センター・宮西照夫教授)
実際、家族が引きこもりになってしまった場合、必ず専門家に相談するべきと、宮西教授は言う。
「引きこもりと言われる人のなかには統合失調症やうつ病を患っている方が少なからずいます。
まず最初に専門家がそれを見極めなければ、治療が誤った方向に進んでしまうことになります。
それも引きこもってから二〜三年以内に相談すること。それを過ぎると社会復帰がより困難になります」
和歌山大学では、独自の『引きこもり回復支援プログラム』を行っている。
「回復のためには、密室状態の家庭に第三者が入ることが必要。
引きこもりの経験者から養成した『アミーゴ』というメンタルサポーターを、週に何回か自宅に派遣し一緒に遊ぶのです。
引きこもる若者には、年寄りがいくら講釈しても効き目はありません。
感性や興味が近い同世代の若者と本音をぶつけあう。そして徐々に食事などに連れ出し、家庭以外の新たな場所に
『居場所』を作ってあげるようにサポートしていくんです。
ただし、一度外出できるようになったからといって『アミーゴ』の派遣をやめてしまうと、再び引きこもりに戻ってしまうこともあるので、
時間をかけて回復をはからなければなりません」
同時に精神科医の治療も取り入れつつ行うこのプログラムでは、半年間で約九割が外出できるようになったという。
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