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★もう漁に行けない…「日本は尖閣諸島をあきらめたのと同じ」
・中国漁船衝突事件で、釈放されたセン其雄(せん・きゆう)船長(41)を乗せた小型ジェットの
チャーター機が25日未明、暗闇に灯火が浮かぶ沖縄・石垣空港の滑走路から、ごう音を
残して飛び立った。金網越しに見守った地元の住民から罵声が飛び、漁業関係者は
「こんな対応では漁に行けない」と憤った。
逮捕は8日。その後、約2週間にわたり拘置されていた石垣島の八重山署を船長が
出たのは25日午前1時45分ごろ。釈放から約10分後だった。カメラマンのフラッシュが
無数に光り、船長を乗せたワゴン車は空港へ。車の窓には内側から白い布がかけられ、
船長の表情はうかがえない。
空港に到着した船長はかばんを持ち、ワイシャツやかりゆし姿の関係者約10人に
囲まれてタラップへ。手をあげてあいさつをし、機内へ消えた。
25日午前、石垣島の漁港にいた漁師の男性(53)は、中国船などとのトラブルを
避けるため約15年前から尖閣諸島周辺での漁を自粛してきたといい、「日中関係が
不安定だとピリピリして仕事にならない」と説明。「政府がこんな弱腰外交では中国に
なめられてしまう。安心して操業できるようにしてほしい」と訴えた。元漁師の男性(77)も
「尖閣諸島周辺はカツオの好漁場だが、漁師は怖くて行かない」と実情を明かした。
沖縄・与那国島にある与那国町漁業協同組合の中島勝治組合長(44)は「怒りを
通り越して気絶しそうだ」と憤慨。「ちゃんと領有権を主張してほしかったのに、日本は
尖閣諸島をあきらめたのと同じ。中国側に拿捕されるかもしれないと思うと、近くに漁に
行けない」と切実な思いを口にした。
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