10/09/25 07:27:14 0 BE:720135037-PLT(12556)
東京在住の新郎は、わが目を疑った。場所は大阪市内の高級ホテル。
披露宴が佳境に入ったとき、自分の横にいたはずの新婦が、全身を真っ黒に塗った男たちに
拉致されているではないか。あぜんとする新郎を尻目に、新婦は「キャー」と
笑いながら担ぎ出されていく。
もちろん披露宴のアトラクションだ。黒塗りの男たちは新婦の友人。この日のために用意した
台本に沿って、どこまでも真剣に演技する姿に出席者たちは笑い転げた。
だが、新郎は驚いた。事前にアトラクションの内容は聞いていたし、納得もしていた。
しかしそのノリの良さは予想をはるかに上回るものだったからだ。
新郎は、田辺仁史さん＝仮名。２年前に大阪市内に住む真理子さん＝同＝と結婚、
双方の家族や職場に配慮して、東京と大阪でそれぞれ披露宴を開いた。
東京の披露宴も一流ホテルで催した。仁史さんの仕事の関係の招待客も多く、新郎新婦も
ホテル側も「とにかく失礼のないように」と細心の注意を払い、招待客らのスピーチも
事前に練り上げられた上品な内容だった。
大阪では、目の前で新婦が拉致された。お祝いのスピーチでも、真理子さんの友人たちが
新婦を評して「腕が太い」「ケツがでかい」「こわい」と言いたい放題。
仁史さんは「大阪のノリはこんなにすごいものなのか。想像を絶する世界だ」と絶句した。
遠く東北地方から出席した知人たちも初め、「新婦に対してなんと失礼なスピーチ」と、
怒りをあらわにした。
ところが、新婦はうれしそうに聞いている。「大阪の人は新郎新婦を落としながら祝うのが
普通ですから」。新婦側の出席者もみんな笑っている。いつしか仁史さんも、
東北チームも一緒になって笑い、心底パーティーを楽しんでいた。
*+*+ 産経ニュース 2010/09/25[07:27:14] +*+*
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