10/09/24 12:21:13 0
・近ごろの若者はのろまだそうだ。先日お会いした浜矩子同志社大学ビジネススクール
教授がそう言って、こんな例を挙げた。
教室で資料を配布するために、最前列の学生に数十部を配った。これを一人が一部ずつ
取り、次々にリレーしていけば手間がかからないはずだが、最後尾の席に届くまでかなり
時間がかかったという。
「何をしていいのかわからない学生もいて、てきぱき処理できない」と、浜さんは言う。
「それでも、ものすごく速く動くものもあって、それは親指」。携帯メールを打つときの
親指の動きは、まるで別の生き物のように激しいのである。
対照的な動作の原因は、子ども時代の送り方にあるのではないか、と浜さんは分析する。
浜さんの少女時代(一九五〇年代)は子どもたちの多くは家の外で遊んだ。まだ空き地も
たくさんあった。いろんなことを体で学んでいった。のろまなんかでいられなかった。
今の子どもたちはもっぱら家の中でのゲーム機遊びである。こちらは反射神経が
ものをいい、親指の動きの活発化につながる。
こうした体験に由来するのかもしれない。若者たちが保守化している。
「自分たちの力で社会を変えるのだ」という革新意識が薄れ、「もうこの社会は
変わらないのだ」というあきらめの意識が強くなっている。
旅行会社によると、『地球の歩き方』を片手に個人で海外旅行をしたがるのは今や
五十代のおじさんたちで、若い人の多くは観光場所が決まっているパック旅行だという。
結婚相手を見つけるのもインターネットを使うようだ。だが、しょせんは情報にすぎない。
若い人たちに同情申し上げる。就職難、結婚難、そして低賃金と格差社会、さらに
「のろま」なんて言われたら、もう立つ瀬がないではないか。
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