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ちなみに、危機管理以外で、官房長官が1人でやらなければいけないのは、
官房機密費の金庫番と毎日2回の官房長官記者会見だけである。
9月13日の官房長官会見で、仙谷官房長官は、「漁船の違法操業との関係でガス田協議を
中止するといわれても困る。私の予測では、(船長以外の)14人と船がお帰りになれば、
また違った状況が開かれてくる」と発言した。
現実には、仙谷官房長官の予測は見事に外れた。しかも、領土内で国内法で対処するという
基本原則からも、この発言は問題がある。公務執行妨害の疑いであれば、一定期間、船長だけでなく、
船長以外の14人と船もよく調べなければいけないだろう。
こうした場合、原理原則なく場当たり的に処理してはいけない。仙谷官房長官の発言は、
日本としては「穏便にやりたい。船長以外と船は返すので、これでおさめて欲しい」と懇願したのに等しいわけであるので、
中国側として、日本が弱みを見せたので、強硬にでてくるのは当然である。
中国は、単に日本を試しているだけでなく、これをネタに日本から大きな譲歩を得られると考えているだろう。
菅直人首相は9月22日から25日まで、国連総会出席を含めてニューヨークに出張するが、
温家宝首相との日中首脳会談は開かれない。
菅政権内では、11月13~14日、横浜市で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議までに、
関係修復すればいいとの意見もあるが、それは「ボールは日本にある」ということを認めるわけで中国の
「責任は日本にある」と同じである。そうなると、日本は譲歩するという道にはまり込む。
初期動作の失敗から負け続けるというパターンにはまりかけている。
ニューヨークで日本が米国に傾斜すれば、対中関係で助けになるだろうが、その場合は
普天間問題が民主党に重くのしかかってくる。民主党の危機管理能力の欠如で、
日本はとんでもない重荷を背負ってしまった。
こうした状況での鉄則は、政府は冷静に、議会は熱くだ。それは長い目でみて政府の外交対応力を高める。
その意味で、尖閣問題で国会は閉会中審査を行うべきだ。もし民主党が消極的ならやはり外交オンチと言わざるをえない。