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「沖縄の言葉」（９月１９日）沖縄で取材した折、いくつか地元の言葉を教えてもらった。「命（ぬち）どぅ宝」。いのちこそ宝という意味だ。
終戦間際の沖縄戦では、上陸した米軍と旧日本軍が住民を巻き込んで死闘を繰り広げた
▼約３カ月に及ぶ激烈な戦いは「鉄の暴風」と例えられる。
沖縄の人びとが得た最大の教訓は「軍隊は決して住民を守らない」。米軍による無差別攻撃はもとより、
日本軍からもスパイ容疑や集団自決で追い詰められた▼二十数万人にも上った死者は双方の軍人よりも、
一般住民の犠牲者がはるかに多かったという。「命どぅ宝」。尊い犠牲と引き換えに、沖縄が手にしたとても重い言葉だ
▼「チルダイ」。期待を裏切られて、大いにがっかりした様子を指す。
米軍普天間基地の「県外・国外」移転を唱えた鳩山由紀夫前首相は約束を翻し、県内への新基地建設で米国と合意した。
沖縄は「チルダイ」するほかなかった▼だがこの言葉は落胆やシラケを表現するだけではない。
「ふつふつとした怒りの感情が裏にこもっている」。沖縄大名誉教授の新崎盛暉さんが解説してくれた。
そうした思いを菅直人首相はくみ取っているだろうか▼改造内閣がスタートし「有言実行」だと首相は張り切る。
その言やよしとしよう。ならば約束した沖縄の基地負担軽減に真正面から取り組み、
ぜひ実現してほしい。「チルダイ」の繰り返しでは沖縄の怒りが爆発する。
ソース 北海道新聞
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