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★街角:米国 ケチャップと差別
米国はまだ人種差別と闘っている。特に南部の田舎は、白人以外に対し排他的な風土
が残る。
旅行中に通りかかった南部の町で、ガソリンスタンドも兼ねた軽食堂に立ち寄った。
メニューにそれほどの選択肢はなく、ハンバーガーを注文した。屋外の椅子に腰掛けた
ところで、先にハンバーガーを買って待っていた妻が「ケチャップ入ってた?」とたず
ねた。紙袋の中を確認するとケチャップはない。妻の紙袋にもケチャップは入っていな
かった。
接客した店員はかっぷくのいい白人の中年女性2人。愛想は決してよくない。小さな
南部の町で育ったとみられるなまり。「サンキュー」の一言もなかった。ただ、妻が見
たところ、すぐ前に並んでいた白人男性には親しそうに話しかけ、ケチャップの小さな
袋をいくつか紙袋に押し込んでいたという。
「人種差別なのか」と議論したが、真相は分からない。考え過ぎかもしれない。
売り場に戻り「ケチャップがなかった」と申し出ると、店員は何もいわずケチャップ
の袋を五つほどカウンターにポンと置いた。
■ソース(毎日新聞)【古本陽荘】
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